国鉄貨車 冷蔵車:レム5000
今般、KATOから冷蔵車レム5000形2両セットが発売されました。
現役時代を知り、数多く接ししていながら、いざ探してみても悔しい程写真が見つかりませんでした。
当ブログでは実車写真を基に列車や車両をご紹介していますが、思い入れがありながらご紹介できないのが悔しいため、Nゲージの写真も交えて思い出話を記録しておきたいと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/71/01d20b5380fabb697a7f96b68c2e3ca8.jpg)
まずは車体長について。
一般的な黒屋根貨車であるワム60000、70000などは、多少のバラツキはありますが、7850mm程度。ワラ1形で8040mmとなっています。
これに対し、レム5000は8880mmと、1mくらい車体長が長くなっているのが特徴です。
ちなみに、ワム80000は9650mmとなっており、ワム車とは2mほどの違いがあります。
貨車は延長換算を1両8mとしており、一般的なワム車は1両とカウントしますが、これを大きく上回るワム80000に関しては1.2両とカウントし、記号に「ハ」を表記することで区別されていました。
で、レム5000は換算の基準である8mを1m超えているにもかかわらず、1両のままとした理由は不明です。列車長全体ではのみ込める誤差にしていたということでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/63/1a8016d781f2818597326d91792fe7d1.jpg)
次に、1次車と2次車の形態差について。
実はこれ、今回の製品差を見るまで全然知りませんでした。というか、そこまで興味が無かったといった方が正解。
写真上側は今回のKATO製、下側は河合商会(旧トミー香港製)のレム5000です。
1次車と2次車の詳しい違いはWikipediaをご覧いただくとして、この屋根のリブがこれほどまで違うことに驚きました。
初めはどちらかが明らかなエラーなのかと思ったくらいです。しかし、KATO製品は1次車、河合製品は2次車のナンバーだったことから、実車の写真を探してみました。
残念ながら上からの写真はありませんでしたが、サイドからでもそれと判るような違いがあり、屋根の捉え方は模型のとおりのようです。
車体長があからさまに違うのは当時のクオリティであり、実車は1次車2次車とも変わらないようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/65/a9fe4b7735ed811d711f4e7ea3c7f334.jpg)
最後にブレーキについて。
現役時代に数えきれないほど乗ったこと(室内じゃなくブレーキ添乗という意味)があるため、思い入れの強さというのはここにあります。
まず、添乗用の手すりですが、「白いまま」は不正解です。
貨車の添乗位置について、ブレーキの位置を知らせるため、ブレーキを掛けられる場所のみ白い塗装がされています。貨車の色は黒やとび色のため、白く塗装することで遠方からでも良く判るようになっているわけですが、こと冷蔵車に限っては車体自体が白いため、白い手すりでは遠くからブレーキ位置を判別することができなくなってしまいます。そのため、冷蔵車に限っては添乗用の手すりのみ黒色としています。
そして添乗位置。KATO製品を見ていたら、ブレーキが片側にしか付いていないことに気が付きました。
現役時代「レムには両側にブレーキが付いている」イメージしかなかったので「アレ?」と思ってしまいました。そこで河合製品を見てみると、ちゃんと添乗ブレーキは両側に表現されていました。
不思議に思って実車の写真を見てみましたら、やはり1次車についてはブレーキが片側しか無く、2次車には両側に付いていることが確認できました。
またちなみにですが、反対側にブレーキが付いている場合、反対側のブレーキが緊締状態か緩解状態か判る表示器が取り付けてあります。興味がある方は、貨車の写真を良く見てみてネ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/15/24a1bde402d252d1e004c0a36b7c816e.jpg)
強引ですが、レム5000が連結されているのが確認できる写真を。
瀬野八を往く上り貨物列車で、既に緩急車が廃止されたため、最後部にレム5000を連結した珍しい編成。
締めとしてマニアックな話。
レム5000の添乗ブレーキの感触は、イメージとしてワラ1に似ていました。テコの動きが硬く、ちょっと力が必要な感じでしたね。
添乗手すりは、同時期の貨車が太目で滑り防止の凸凹が成形されたタイプではなく、細めのストレート。ワム60000と同じような細身のものでした。そのため握った手に容赦なく食い込み、長い時間添乗するのはちょっと嫌な貨車でした。
そして冷蔵車らしい一番の特徴は車体そのもの。
普通の貨車は手で叩くと金属そのものの感触が伝わってきますが、レム5000は「ボコッ!」という、薄い鉄板の下に如何にも断熱材が入っている感触でした。この感触は、20系や10系客車とそっくりでした。近代寝台車の防音性の良さは、こうした工夫が講じられていたということなんですね。
思い入れの強い車両でありながら、実車写真でご紹介できなかったのが非常に残念です。
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今般、KATOから冷蔵車レム5000形2両セットが発売されました。
現役時代を知り、数多く接ししていながら、いざ探してみても悔しい程写真が見つかりませんでした。
当ブログでは実車写真を基に列車や車両をご紹介していますが、思い入れがありながらご紹介できないのが悔しいため、Nゲージの写真も交えて思い出話を記録しておきたいと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/71/01d20b5380fabb697a7f96b68c2e3ca8.jpg)
まずは車体長について。
一般的な黒屋根貨車であるワム60000、70000などは、多少のバラツキはありますが、7850mm程度。ワラ1形で8040mmとなっています。
これに対し、レム5000は8880mmと、1mくらい車体長が長くなっているのが特徴です。
ちなみに、ワム80000は9650mmとなっており、ワム車とは2mほどの違いがあります。
貨車は延長換算を1両8mとしており、一般的なワム車は1両とカウントしますが、これを大きく上回るワム80000に関しては1.2両とカウントし、記号に「ハ」を表記することで区別されていました。
で、レム5000は換算の基準である8mを1m超えているにもかかわらず、1両のままとした理由は不明です。列車長全体ではのみ込める誤差にしていたということでしょうか?
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次に、1次車と2次車の形態差について。
実はこれ、今回の製品差を見るまで全然知りませんでした。というか、そこまで興味が無かったといった方が正解。
写真上側は今回のKATO製、下側は河合商会(旧トミー香港製)のレム5000です。
1次車と2次車の詳しい違いはWikipediaをご覧いただくとして、この屋根のリブがこれほどまで違うことに驚きました。
初めはどちらかが明らかなエラーなのかと思ったくらいです。しかし、KATO製品は1次車、河合製品は2次車のナンバーだったことから、実車の写真を探してみました。
残念ながら上からの写真はありませんでしたが、サイドからでもそれと判るような違いがあり、屋根の捉え方は模型のとおりのようです。
車体長があからさまに違うのは当時のクオリティであり、実車は1次車2次車とも変わらないようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/65/a9fe4b7735ed811d711f4e7ea3c7f334.jpg)
最後にブレーキについて。
現役時代に数えきれないほど乗ったこと(室内じゃなくブレーキ添乗という意味)があるため、思い入れの強さというのはここにあります。
まず、添乗用の手すりですが、「白いまま」は不正解です。
貨車の添乗位置について、ブレーキの位置を知らせるため、ブレーキを掛けられる場所のみ白い塗装がされています。貨車の色は黒やとび色のため、白く塗装することで遠方からでも良く判るようになっているわけですが、こと冷蔵車に限っては車体自体が白いため、白い手すりでは遠くからブレーキ位置を判別することができなくなってしまいます。そのため、冷蔵車に限っては添乗用の手すりのみ黒色としています。
そして添乗位置。KATO製品を見ていたら、ブレーキが片側にしか付いていないことに気が付きました。
現役時代「レムには両側にブレーキが付いている」イメージしかなかったので「アレ?」と思ってしまいました。そこで河合製品を見てみると、ちゃんと添乗ブレーキは両側に表現されていました。
不思議に思って実車の写真を見てみましたら、やはり1次車についてはブレーキが片側しか無く、2次車には両側に付いていることが確認できました。
またちなみにですが、反対側にブレーキが付いている場合、反対側のブレーキが緊締状態か緩解状態か判る表示器が取り付けてあります。興味がある方は、貨車の写真を良く見てみてネ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/15/24a1bde402d252d1e004c0a36b7c816e.jpg)
強引ですが、レム5000が連結されているのが確認できる写真を。
瀬野八を往く上り貨物列車で、既に緩急車が廃止されたため、最後部にレム5000を連結した珍しい編成。
締めとしてマニアックな話。
レム5000の添乗ブレーキの感触は、イメージとしてワラ1に似ていました。テコの動きが硬く、ちょっと力が必要な感じでしたね。
添乗手すりは、同時期の貨車が太目で滑り防止の凸凹が成形されたタイプではなく、細めのストレート。ワム60000と同じような細身のものでした。そのため握った手に容赦なく食い込み、長い時間添乗するのはちょっと嫌な貨車でした。
そして冷蔵車らしい一番の特徴は車体そのもの。
普通の貨車は手で叩くと金属そのものの感触が伝わってきますが、レム5000は「ボコッ!」という、薄い鉄板の下に如何にも断熱材が入っている感触でした。この感触は、20系や10系客車とそっくりでした。近代寝台車の防音性の良さは、こうした工夫が講じられていたということなんですね。
思い入れの強い車両でありながら、実車写真でご紹介できなかったのが非常に残念です。
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添乗経験者ならではのマニアック解説も大変興味深いというか、今や貴重な証言の部類ですね。
ところで、当時の冷蔵車の冷蔵源は何だったんでしょう?昭和40年代半ばのとある駅で、天井から氷を投入しているのを見たことはあります。レム5000には天井に投入口はないようですね。
もし、お分かりなら教えてください!
古い冷蔵車で屋根にベンチレーターのような出っ張りがある車両は、あそこに氷を入れていたそうです。その後、ドライアイス方式に切り替えが進み、レム5000の2次車ではドライアイスを置く棚まで設けられたそうです。
液体窒素による冷却試験もされたそうですが、コスト面でドライアイスの方が遥かに安価ということで、ドライアイスが一般的になったそうです。
昭和40年くらいにそれほどの技術があったのかな?と思いましたが、考えてみたら私らが子供の頃でさえもクリスマスのアイスケーキにはドライアイスが入っていましたもんね。
って感じでよろしいでしょうか?www
ありがとうございます。ドライアイスでしたか。ケーキに着いてきたカケラを洗面器にいれてボコボコさせてましたねそういえば。氷だと解けた水の排水も問題ですし、気体になってしまうドライアイスの方が扱いやすいですよね。
「ガッテン」しました。
ドライアイスから出る煙を見るのって、なんであんな「楽しい」と思うんでしょうかね?子供の頃から思っていた不思議は、今も身体に染みついてしまったようです。
国鉄時代の末期には、九州からドライアイスを出荷するための列車が残っていたそうです、これにレム5000が使用されていたそうです。