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国鉄コンテナ:5個積み派? 4個積み派?

2021-06-19 12:44:00 | 貨車
国鉄コンテナ:5個積み派? 4個積み派?


コンテナ車と言えば100系列しか知らないという世代の現代。
しかし、コンテナ輸送が始まったのは60年も前の昭和34年。誕生から好評を得て推移し、現在へと続いています。

その標準となるコンテナは、いわゆる12ftコンテナと言われるもので、コキ50000が誕生して以降の一般的なスタイルとなっていますが、誕生当初はいわゆる10ftコンテナ(実際は11ft)でした。

登場時の貨車はチキ5000を名乗り、改良を重ねながらコキ5500へと標準化され、10ftコンテナを5個搭載できるようになっていました。
しかし、さらに輸送効率を上げた12ftコンテナとコキ50000系の普及に伴い、車長の短いコキ5500には従来のような5個積みができないケースが発生するようになったため、10ftコンテナの減少に連動するように4個積みへと改造されて行きます。

これは同じ形態の高速貨車コキ10000系も同じことが言え、やはり5個積み→4個積みへの改造が迫られることになりました。



昭和57年10月4日 瀬野~八本松間にて

コキ5500を押し上げるEF61200番代。C20系列を満載する一般貨物編成で、隙間の開いた等間隔の4個積みは後年のコキ5500の特徴です。

これらの改造は短期間に実施されたわけではないらしく、当時はあまり気にしたことがありませんでしたが、今写真を見返してみると、これらが混在・混成していた様子が分かるものがいくつか出てきました。
このような状態は昭和50年代半ばくらいまでは続いていたようです。



昭和54年5月 品川駅にて

品川駅で出発待ちをするEF651牽引の貨物列車。
2・3両目がコキ5500の初期型。2両目は4個積み改造後、3両目は未改造でC10系コンテナが5個積載されています。
同時期まで5個積みのコキ5500を撮った写真はいくつか見つかっていますが、2両ならんでいる姿はなかなか難しいです。
当時は積載するコンテナの種類によって積載できるコキ5500やコキ50000を使い分けていたということになりますので、現場では色々と苦労があったのではないかと思われます。



撮影時期不明 品川駅にて

EF65F型重連が牽引する貨物列車。
1両目がコキ50000、2両目がコキ5500初期車、3両目がコキ5500後期車です。コキ50000が旧型のC10系コンテナのみ、コキ5500はいずれもC20系と混載になっており、この辺りの不合理さも過渡期の特徴と言えます。


その後、C10系の減少により5個積みのコキ5500は消滅することになりますが、5→4個積みになることで輸送力が20%も減となることからコキ5500は余剰化することになります。


今回このような記事を記したのはTOMIXからコキ10000系が再生産されることになったのがきっかけです。
コキ10000もコキ5500も共通して言えるのですが、TOMIXでは両形式とも4個積み仕様で製品化しており、後発であるための再現性の良さもあり、さらに民営化後の貨物列車再現も可能となっている点で評価できます。

一方、KATO製品は50年近くも前に設計されたものを未だにリニューアルせずに販売しており、5個全部が繋がっているコンテナ、車体共通化のための無理な車体表現など。コンテナも交換できなけりゃ台枠のヌキ表現も無し、コキフ10000はテールランプも点灯しないし車掌室で無い側のエンド表現もありません。値段はもちろん差がありますが、昔に比べると値上がりしています。

今回、予約在庫を探していた時に目にしたのが、KATO製コキ10000系が1両で4~6000円で販売している店があること。こんなものにそんな大金を出して買うヤツが居るか?と、正直なところバカにしています。

かつてKATO製のコキ10000系を改造パーツで4個積みに改造すること約20両。大金を掛けたのですが、こんな模型事情になるのであればTOMIX製を待った方が良かったと思ってしまいます。
それよりも、近年のKATOが意味不明なコンセプトで新規製品化やリニューアルを続け、値上げを断行しているイメージが強くなっています。むしろ人気があるのに旧態然とした車両の再生産などモデラーをバカにした経営方針を改め、期待を裏切らないリニューアルに舵を切り直すことを希望するばかりです。マジ潰れますよ。


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