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【謎】根室本線:C58牽引 貨物列車or混合列車?

2021-07-17 23:37:00 | 貨車
【謎】根室本線:C58牽引 貨物列車or混合列車?


このところ連続で金町のHさん提供の根室本線混合列車に関する写真等をご紹介させていただき、好評を得ました。

先述のとおり、この列車には混合列車という性格の中に主目的であったコキ10000系「北海ライナー」の源流となる部分のほか、荷物車や郵便車の運用や役割まで、想像以上に深堀することになり、自分自身が一番わくわくしてしまう結果となりました。


そして、一連のご提供いただいた写真の中で441レ&444レではない写真が1枚あり、ネタに組み込めませんでした。この写真も注意してみると非常に興味深いものであったので、検証できた範囲だけですが説明を組んでみたいと思います。



昭和48年3月23日 厚岸にて

写真は大きくなるように設定しましたが、画質を落としてあるので車両の分析は難しい状態です。

C58牽引の根室本線を行く貨物列車。
後部から2両目と3両目はコンテナ車が連結されており、フルコンで色彩的に冷蔵コンテナが積載されていることを考えるとコキ10000と思われ、上りの444レでしか確認できなかった「北海ライナー」用コキの下り送り込みと考えられます。やはり、時間帯の関係で441レではなく、貨物列車で運用されていたと考えて良さそうです。


それ以外にどんな貨車で構成されているかを見てみますと・・・

カマの次位は草で見えにくいのですが、どうも車掌車のようで、しかも黄帯を巻いているようです。ワフ21000の二段リンク未改造車であるロワフ121000でしょうかね。

その次にかなり古い形のワムが。これはワム50000形でしょうか?

その後は定番のワム群、タキ3000のようなタンク車が連結されています。

そしてお馴染み、木材チップ輸送用のコトラ90000が5両。コキ10000が2両と続きます。


そして最後部。この車両が謎を深めてしまいます。

最後部に連結されている荷物車らしき車両。アップにして注視してみると、ベンチレータの数からどうも郵便車っぽいです。スユ42のような車両でしょうか?しかも、さらに良く見るとT形の煙突らしきものも確認できます。1つは向かって右側の車端に、もう1つは中央よりやや左寄りにあります。これは右側に車掌室、センターは郵便区分室に当たると考えられます。
このことから、途中駅解結がある貨物列車で、終点まで運用される郵便車を最後部に連結し、暖房が届かないためにストーブ付きの車両を用意している、と想像することができると思います。

ただ、これは最後部の郵便車が定期運用であることが前提での話になります。
単にこれが回送連結だとすればすべてがクリアになってしまい、定期連結だとすればこれが混合列車ということになります。

しかし、これも微妙で、荷物車や郵便車と貨車を混結した定期混合列車(つまり客を乗せない)と言うのはあまり認識がないので、これを混合列車と言うのか貨物列車と言うのか分からない、というのがオチです。


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【答え】列車番号を調べれば分かります・・・知りませんけど。

1枚の写真でこれだけ楽しめる。素晴らしいです。模型での編成ネタにも持って来いですね。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (金町のH)
2021-07-18 08:28:41
一枚の古い写真で楽しんでいただきましてありがとうございます。
厚岸駅から延々と歩いて線路が湾に接する辺りまで来て、さらに「冬場ならでは」ということで、凍った芦原を恐る恐る踏みしめて行った先で、さて、来たのは73春闘勝利団結号、でがっかりした当時の自分も48年後にお役に立てるとは持ってもいなかったでしょう。
ちなみに最後部の郵便車(?)は毎日この列車に付いていました。上りの貨物にも同じように付いている列車があったと思います。
さて、どこからどこへいくんでしょう?
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Unknown (PIN)
2021-07-18 08:58:26
今回も擽られるような記事ありがとうございます。
今回の編成、即採用!
謎の最後の客車ですが、当方の見解は「スユニ61」500番台ではないかと思います。
根拠は、仕分用採光窓が無い様にみえるのとデッキ側の表記が郵便表記より薄く見えると思った次第です。
500番台はKATOの「大雪」セットに504が含まれていますが、大型蓄電池が床下に付いていないのが若干のエラーと思います。
前回のマニ36の張り上げ車は 「YASUZIROのきままに撮影」さんの記事によれば、
資料によると、張り上げ屋根は、

オハ35改造は、2221、2222、2246 の3両
オロ40改造は、2021、2022、2023、2058、59、92 の6両
のようです。

と記述がありました。

早朝より記事を見させていただき、「KATO」の今年1年分のポスターより比較にならない程の楽しい苦しみをシリーズで与えて頂き感謝申し上げます。
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Unknown (PIN)
2021-07-18 09:06:18
追記、 トホホ・・・
KATOのスユニ。 コチラ側、テールライト非点灯 (T_T)
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Unknown (PIN)
2021-07-19 19:27:16
更に追記です。
先に述べた
YASUZIROのきままに撮影」さんの記事によれば、
の車番ですが、疑問が出てしまいました。
CAN BOOKSの「国鉄鋼製客車Ⅱ」によると、
マニ36のオハ35とオロ40からの改造車は200番台と書かれております。
電暖2000の追加番号で200が無視されたのかは不明ですが、明らかに59・92はおかしなことになります。
記載ミスとなれば、2021・2022がオハ35改造車とカブリが出てきてしまいます。
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Unknown (キハ181つばさ)
2021-07-20 07:48:57
金町のH様
鉄道写真には少なからず「美」を求める傾向があるのは当たり前のことで、それは良い景色であったり、曲線を表現したり、俯瞰をしたり、或いは不自然な「人」を入れないとか課題が多いと思います。ですから、そうしたものを求めて「昔は良く歩いたなぁ~」というのも思い出です。
そんな万全のシチュエーションを探しても、車両が滅茶苦茶汚かったり、写真のような「落書き」に邪魔されることもありました。
しかし、国鉄が解体されてそのような落書きも見ることができなくなりましたから、それも遠い過去の記録ということで、私は悪くないと思っています。
また、追加情報をありがとうございます。毎日連結されていたというのは貴重な情報です。PIN様の情報通り、スユニの可能性が高いと思いますので、本州からの物流の流れに対し、現地間の少量な荷物・郵便輸送を同列車が補完していたと考えていいと思います。当時のダイヤが無いので分かりませんが、このようなケースが貨物列車なのか混合列車として客車列車の列車番号を名乗っていたのか気になります。
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Unknown (キハ181つばさ)
2021-07-22 17:18:08
PIN様
追加の詳しい情報ありがとうございます。
私も画像を確認した時、採光窓が見えづらい点が不思議だったのですが、スユニの存在をすっかり忘れていました。
このような編成は補完的なものであり、ローカル運用を考えると単体の郵便車だけを連結するのは不合理で、荷物混載のスユニが正解ですね。まるで緩急車(車掌車)のような扱いの編成は萌だとおもいます。先頭の車掌車もワムフとか良いかもしれません。
張り上げ屋根のマニの件ですが、Wikipediaで調べたところ200番代と言っても電暖2000番代とは違って原番号+200ではないようですから、2022も2222も存在しています。
また、200番代についてはスハニ35改造、オハ35改造が主たるもので、元オロ40からの改造は2201の1両だけみたいです。書籍の方の記述又は検証が誤っているのではないでしょうかね。
単発の書籍は誤記載があっても訂正文を発することができないので、そのままになってしまうことから歴史を捻じ曲げてしまう危険があるな、というのは昔から思っていました。
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