マル鉄・鉄道写真館

鉄道・バス・航空機・はたらくクルマなど、乗り物全般の歴史をご紹介しています。

国鉄貨車 冷蔵車:レム5000追記

2020-08-30 14:08:00 | 貨車
国鉄貨車 冷蔵車:レム5000追記


前記事において、国鉄貨車レム5000について思い出をつづってみたところですが、どこかにその姿がないか改めて探したところ、意外なところにその姿を見つけました。
それは、過去に何度かご紹介したことがある大宮操車場ハンプ群線の写真でした。




大宮操車場ハンプ入換末期の頃、照明塔に昇って撮った写真です。クリックすると大きな画像になります。

写真センターのダブルクロッシングが上下入換の境で、写真左から上り1番~15番、センターから右へ下り18番~1番、20番となっています。
休日明けなのか、貨車の量はかなり少ないようです。

センターから6本目、13番線の手前から4両目に白い貨車が見えます。
レム5000は、国鉄貨物輸送の衰退と共に、冷蔵輸送の激減から既に需要がかなり落ち込んでしまったようで、貨物輸送の大合理化である59.2改正の頃には一部を除いて殆ど運用がなくなってしまったそうです。
そんなこともあって、これだけの留置貨車がありながら、たった1両しか見当たらないのも仕方ないといったところでしょうか。

私は昭和57年から大宮操車場で入換を担当しましたが、レム5000は当たり前に運用されていました。毎日漫然と仕事をしていると、そうした変化にも気が付かぬほど趣味の範疇ではなくなってしまっていたんだなぁ~と思います。

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国鉄貨車 冷蔵車:レム5000

2020-08-28 21:52:00 | 貨車
国鉄貨車 冷蔵車:レム5000


今般、KATOから冷蔵車レム5000形2両セットが発売されました。

現役時代を知り、数多く接ししていながら、いざ探してみても悔しい程写真が見つかりませんでした。
当ブログでは実車写真を基に列車や車両をご紹介していますが、思い入れがありながらご紹介できないのが悔しいため、Nゲージの写真も交えて思い出話を記録しておきたいと思います。




まずは車体長について。
一般的な黒屋根貨車であるワム60000、70000などは、多少のバラツキはありますが、7850mm程度。ワラ1形で8040mmとなっています。
これに対し、レム5000は8880mmと、1mくらい車体長が長くなっているのが特徴です。
ちなみに、ワム80000は9650mmとなっており、ワム車とは2mほどの違いがあります。

貨車は延長換算を1両8mとしており、一般的なワム車は1両とカウントしますが、これを大きく上回るワム80000に関しては1.2両とカウントし、記号に「ハ」を表記することで区別されていました。

で、レム5000は換算の基準である8mを1m超えているにもかかわらず、1両のままとした理由は不明です。列車長全体ではのみ込める誤差にしていたということでしょうか?




次に、1次車と2次車の形態差について。
実はこれ、今回の製品差を見るまで全然知りませんでした。というか、そこまで興味が無かったといった方が正解。
写真上側は今回のKATO製、下側は河合商会(旧トミー香港製)のレム5000です。
1次車と2次車の詳しい違いはWikipediaをご覧いただくとして、この屋根のリブがこれほどまで違うことに驚きました。
初めはどちらかが明らかなエラーなのかと思ったくらいです。しかし、KATO製品は1次車、河合製品は2次車のナンバーだったことから、実車の写真を探してみました。
残念ながら上からの写真はありませんでしたが、サイドからでもそれと判るような違いがあり、屋根の捉え方は模型のとおりのようです。
車体長があからさまに違うのは当時のクオリティであり、実車は1次車2次車とも変わらないようです。




最後にブレーキについて。
現役時代に数えきれないほど乗ったこと(室内じゃなくブレーキ添乗という意味)があるため、思い入れの強さというのはここにあります。

まず、添乗用の手すりですが、「白いまま」は不正解です。
貨車の添乗位置について、ブレーキの位置を知らせるため、ブレーキを掛けられる場所のみ白い塗装がされています。貨車の色は黒やとび色のため、白く塗装することで遠方からでも良く判るようになっているわけですが、こと冷蔵車に限っては車体自体が白いため、白い手すりでは遠くからブレーキ位置を判別することができなくなってしまいます。そのため、冷蔵車に限っては添乗用の手すりのみ黒色としています。

そして添乗位置。KATO製品を見ていたら、ブレーキが片側にしか付いていないことに気が付きました。
現役時代「レムには両側にブレーキが付いている」イメージしかなかったので「アレ?」と思ってしまいました。そこで河合製品を見てみると、ちゃんと添乗ブレーキは両側に表現されていました。
不思議に思って実車の写真を見てみましたら、やはり1次車についてはブレーキが片側しか無く、2次車には両側に付いていることが確認できました。
またちなみにですが、反対側にブレーキが付いている場合、反対側のブレーキが緊締状態か緩解状態か判る表示器が取り付けてあります。興味がある方は、貨車の写真を良く見てみてネ。




強引ですが、レム5000が連結されているのが確認できる写真を。
瀬野八を往く上り貨物列車で、既に緩急車が廃止されたため、最後部にレム5000を連結した珍しい編成。


締めとしてマニアックな話。

レム5000の添乗ブレーキの感触は、イメージとしてワラ1に似ていました。テコの動きが硬く、ちょっと力が必要な感じでしたね。

添乗手すりは、同時期の貨車が太目で滑り防止の凸凹が成形されたタイプではなく、細めのストレート。ワム60000と同じような細身のものでした。そのため握った手に容赦なく食い込み、長い時間添乗するのはちょっと嫌な貨車でした。

そして冷蔵車らしい一番の特徴は車体そのもの。
普通の貨車は手で叩くと金属そのものの感触が伝わってきますが、レム5000は「ボコッ!」という、薄い鉄板の下に如何にも断熱材が入っている感触でした。この感触は、20系や10系客車とそっくりでした。近代寝台車の防音性の良さは、こうした工夫が講じられていたということなんですね。


思い入れの強い車両でありながら、実車写真でご紹介できなかったのが非常に残念です。


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国鉄 直流型電気機関車:EF6653

2020-08-27 01:13:00 | 国鉄・JR電気機関車(直流)
国鉄 直流型電気機関車:EF6653


EF66シリーズで、53号機です。

下関運転所に配置され、本来の貨物列車に運用後、昭和60年3月ダイヤ改正からは東海道・山陽口のブルートレインを牽引しました。
53号機もそのままJR西日本に籍を置き、最後までブルートレインの牽引に当たりました。



昭和53年頃 田町駅付近にて

今は無き汐留駅から出発してきた西方面行きの貨物列車です。
テレプラスを使用したためボヤけた写真で非常に勿体ないのですが、53号機の次位に緑屋根のワキ10000を連結しています。
東海道の貨物列車の写真はそこそこ撮っていますが、ワキ10000の遭遇率は非常に低く、貨物列車牽引時代、汐留駅の現役時代の写真として、画像コレクションとして稀少な存在になっています。



昭和62年2月15日 根府川~早川間にて 寝台特急「あさかぜ」

同じく53号機の牽引する寝台特急「あさかぜ」。
24系25形客車をグレードアップ改造し、金帯700番代とした初めての試みでした。
国鉄時代最末期のあがきでしたが、衰退に歯止めは掛かりませんでした。

53号機はブルートレインの最後まで残存したようですが、なぜかJR化以降、1度も会うことが無かったようです。

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国鉄 直流型電気機関車:EF6646

2020-08-23 01:16:00 | 国鉄・JR電気機関車(直流)
国鉄 直流型電気機関車:EF6646


EF66シリーズで、46号機です。

下関運転所に配置され、本来の貨物列車に運用後、昭和60年3月ダイヤ改正からは東海道・山陽口のブルートレインを牽引しました。
ブルートレインの縮小によりJR貨物へ移籍する車両もありましたが、同機はJR貨物へ移籍することなく、ブルトレ廃止までJR西日本に籍を置きました。



昭和58年5月15日 瀬野~八本松間にて 特急貨物「とびうお」

瀬野八にEF59を撮影に行った際、偶然に撮影することができた特急貨物「とびうお」。
レサ・レムフ10000系を牽引する高速列車は、貨物列車や貨車に興味を持っていない鉄道ファンでも憧れるカッコイイ列車でした。
コンテナ列車に比べれば重量はありませんが、その分、連続高速運転が使命となる鮮魚列車の牽引で、その性能を遺憾なく発揮しました。



平成19年11月23日 茅ヶ崎駅にて 上り特急「富士」「はやぶさ」

民営化の際、JR西日本に継承され、ブルトレをメインに旅客列車の牽引に当たりました。
写真は東海道最後のブルトレ廃止が近付いた「富士」「はやぶさ」を牽引する46号機。

「富士」「はやぶさ」も最後の頃はそこそこ撮影をしていましたが、46号機にはあまり遭遇しなかったようです。

46号機は、「富士」「はやぶさ」の廃止後、平成21年6月に廃車されたそうです。


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東武鉄道 100系:スペーシア106編成(サニーコーラルオレンジ)

2020-08-19 21:13:00 | 私鉄(大手)
東武鉄道 100系:スペーシア106編成サニーコーラルオレンジ


東武100系スペーシアの関連記事です。

平成24年、東京スカイツリーの開業に合わせ、路線名の設定、駅名の変更など大々的なPRが実施された東武鉄道では、同社の顔となる100系スペーシアもリニューアルが実施されました。

全9編成に対して3種のデザインを3編成ずつ施工され、それぞれ「雅」「粋」「サニーコーラルオレンジ」となっています。
これらの塗装は本線用6編成に対して2編成ずつ、JR乗り入れ対応車に1編成ずつバランス良く配されました。

地元で見られるJR乗り入れ車は、「粋」「雅」の順に登場し、最後に「サニーコーラルオレンジ」の106編成で出揃い、オリジナル塗装が消滅していています。
リニューアル編成は順当に運用されましたが、平成27年、日光東照宮四百年式年大祭に合わせて特別塗装を導入することになり、本線用の103号編成が「日光詣スペーシア」として金色をベースとした塗装に変更され、平成27年4月18日から運用されます。
さらに、同年7月にはJR乗り入れ車である106編成も同様の変更が実施され、JR線内でも「日光詣スペーシア」が見られるようになりました。

この2編成にはいずれも「サニーコーラルオレンジ」塗装車が充当されたため、3編成あった「サニーコーラルオレンジ」編成はわずか1編成になってしまいます。JR乗り入れ車に関しては、わずか3年ほどで「サニーコーラルオレンジ」カラーが見られなくなってしまいました。



平成24年7月28日



平成25年2月3日



平成25年5月4日



平成25年9月14日



平成26年11月12日



平成26年3月23日

写真は、いずれも特急「スペーシアきぬがわ2号」で、サニーコーラルオレンジ塗装の106編成です。

デザイン的にはオリジナル塗装のパープルルビーレッドをブルー系のラインに変えただけのようで、印象の変化は小さいものです。
そのため、撮影していてもあまりパッとした感じのないものでしたが、いざ無くなってしまうとやはり寂しく思います。

次期フラッグシップ車も検討が進んでいるようで、もしかしたら最後にリバイバル的に復活する可能性も期待できますが、コロナ禍で大手私鉄でさえも大打撃を受けており、もしかしたらその計画も先延ばしになってしまうかもしれません。


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