マル鉄・鉄道写真館

鉄道・バス・航空機・はたらくクルマなど、乗り物全般の歴史をご紹介しています。

「提灯殺し」高輪橋架道橋下区道

2022-01-30 03:01:00 | 駅・停車場・操車場
「提灯殺し」高輪橋架道橋下区道


東海道本線の品川~田町間に東西を結ぶ地下道がありました。実際には一方通行になっていたので、自動車は「往来」できない構造でした。

東海道本線、京浜東北線、山手線の他、田町電車区や品川客車区の群線に東海道新幹線もある幅の広い鉄道用地を潜り抜ける非常に距離のある地下道です。

この地下道の特徴は、200mもある距離に加え、非常に低い制限高1.5mという、自動車が通るにも人の往来でさえも有り得ない高さにあります。実際には1.7mくらいあるらしいですが、安全の問題から1.5mとしているようです。


昔から何かの情報で存在は知っていたと思いますが、特に鉄道に直接の関係もないので場所も知らず、行こうと思ったことすらありません。


しかし、現場仕事時代、偶然にもこの近くの会社に訪問したことがあり、初めて現地実物を見ることが1度だけありました。


※撮影は、平成24年8月27日です。




当時はまだカメラを持って歩くようなことはしていなかったので、仕方なくケータイのカメラで撮影したものです。レンズもかなり行っちゃっているので写りが悪く残念です。

これは西側の入り口で、手前方が山手線、ここをクロスするための京浜東北線北行の高架橋の上り口もみえます。

普通乗用車セダンの大きさからも入口の低さが判りますね。
一方通行ではありますが、至近に線路を横断できる道路が無いため、かなりの交通量がありました。ただし、ワゴン車などの自動車は屋根どころかフロントガラスを壊してしまう高さです。




時間の関係もあってか、人の往来も結構ありました。
ただでさえガードが低いにもかかわらず、さらに車高を抑えるためのガードで入口を抑えています。どうも中に入るとまた低くなっている場所があるらしいです。

向こうから歩いて来る人も居ますが、身体を屈めて歩いて来る姿が明らかです。私も180cmあるので、おそらくは同様のスタイルで200mも歩くとなります。
集合時間までそこそこありましたが、途中から引き返さなければならず、通行人の迷惑になってしまいそうなので中には入りませんでした。

この付近に行く用事などある筈もなく、すっかり忘れていましたが、先日知り合いとの雑談の中でこの道路が廃止になることを聞いたもので、過去ログから引っ張り出してきました。

東京機関区、品川客車区、田町電車区はすべて廃止され、さらには再開発、高輪ゲートウェイ駅の開業で、今ではこの辺りの線路の移転も終わり、すっかり更地になってしまったようです。代替になる横断道路が建設されるそうで、元々の水路から由来するこのインパクト強の地下道も2020年に役目を終えたようです。


【追記】
今頃になって気が付いたのですが、手前側は陽射しが道路を照らしているのが判りますので、道路が完全に覆われていないのですね。ということは、雨の日は傘を差す必要がありますので、さらに30cmくらいのクリアランスが必要と言うことになりますので、これはもう私の身長では歩行困難であったと思われます。


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キハ35系 職員輸送:川越線→大宮操車場

2021-12-28 09:10:00 | 駅・停車場・操車場
キハ35系 職員輸送:川越線→大宮操車場


貨物大合理化が行われた昭和59年2月ダイヤ改正まで、大宮操車場では朝の通勤時間帯に職員輸送用の列車が走っていました。


定期列車の川越線が大宮到着後、客を降ろすとそのまま回送扱いとし、大宮操車場の職員を乗せて西部入換(下り発着線の位置)まで職員輸送を行っていました。

大宮操車場の発着線はすべて電化されていましたが、当時の川越線は非電化でしたので、キハ35系4連を延長のように使用していました。




構内が大雪の画になっていますので、おそらく昭和59年に撮影したものではないかと思われます。このシーズンは非常に雪が多く、入換でも泣かされたものですが、既に廃止を間近に向かえた職員の心情としては、お別れの記録作りに恰好の演出を提供してくれました。


列車は入換扱いで下り線を逆走、下り発着線(現在の国の合同庁舎付近の位置)まで走り、折り返してまた大宮まで戻って来ました。この写真は返しの写真となります。
返しには乗ったことが無かったので、大宮機関区に入庫したのか、大宮駅まで行って定期列車に充てたのかまでは定かではありません。


この列車では始業時間ギリギリの到着となるため、当時一番下っ端であった私などは、余程さらに下の職員(私は同期の中でも一番早く配置されたので、既に同じ年の後輩がいた)が同じ出番にならない限りは、使用できるものではありませんでした。そんなことで、ほぼ2年間配属となってしましたが、10回も乗ったことが無いと思います。


当時はキハ35系そのものが珍しくも貴重でもありませんでしたので、カメラを向けることは殆どありませんでした。
そのため、大宮操車場構内を走る同列車を撮った写真というのは殆ど無く、広大な発着線をノンビリと走る同列車の風景を撮らなかったことは、非常に勿体無いことをしたと思います。


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JR東日本 蕨変電所火災

2021-10-11 00:23:00 | 駅・停車場・操車場
JR東日本 蕨変電所火災


我が家から徒歩10分程のところにあるJR東日本の蕨変電所(正式には「蕨交流変電所」?)で、令和3年10月10日13時前に出火、付近を走る東北本線や京浜東北線はもちろん、山手線や常磐線、埼京線に至る広範囲の路線が停電による運行停止となりました。
令和3年10月7日には首都圏で震度5強を記録する地震により、地震当日の深夜から翌8日に首都圏のJR線が大混乱に陥ったばかりであり、またか?という悪夢が浮かび上がります。

NHK JR 首都圏10路線で一時運転見合わせ ほとんどの路線で運転再開

この日、9時過ぎに「カシオペア紀行」の返却回送を撮影したばかり。あれから3時間もしないうちに火災が起きたのかと思うとゾッとします。


※撮影は、令和3年10月10日です。


夕刻、路線の様子を見てみようと線路際に出掛けると、意外にも信号機は点灯していました。消灯しているところを記録しようと思っていたのでちょっと気抜け。
蕨駅では南行電車がヘッドライトを点灯したまま停車している様子がうかがえました。また、湘南新宿ラインの南行の接近灯が点滅したままとなっていましたので、蕨駅よりも浦和寄りで立ち往生していたのかもしれません。




線路を渡って西川口方向を撮影しようと歩いて行ったところ、手前で通行止めされ、迂回させられてしまいました。西川口方向に向かうことができずにひたすら迂回させられると市民公園まで到達してしまい、図らずも現場に出くわすことになってしまいました。
蕨市消防本部大集合状態です。




さらに公園内を歩かされると正門?辺りに。いつもクルマでサッと通過してしまう場所なので、変電所を意識したこともありませんでした。
写真はレスキュー車とバックは変電所設備が写り込んでいます。火災があったのはこの左側辺りと思われます。この辺りで電気火災特有の焦げた臭いを感じました。




歩いている間に完全に日没を迎え、写真も厳しく。
アップで様子を狙うもブレブレ。撮り直そうとしたら女性警察官に「写真を撮らないで!」と制止されてしまいました・・・なぜ???




もうちょっと動いたところで撮ってみましたが、日没で明るい空だけを拾ってしまって全然ダメな写真。
ここで声を掛けられ、レッドライダーさんと対面。このまま一緒に帰ることに。




市民公園前の大通りで凄い封鎖!パトカー横向きです。




帰り道は自転車橋(蕨駅方面)に向かうつもりでしたが、規制が解除されていて西川口駅方向へ通り抜けられるようになっていました。
塚越陸橋から様子が見えるかと上がってみましたが、真っ暗で何も見えません。
帰路につくと線路の反対側から良く見えましたので、ダメ元で撮ってみました。明るく写っていますが、肉眼では殆ど見えないほど暗いです。フェンスも高いため手を伸ばしてフルオートで。
国鉄時代から、生まれて物心ついてからは既にあった施設ですが、変電所の写真を撮ったのは初めて。
さらに西川口方向を見たときに京浜東北線の北行・南行とも停車しているようでした。見に行ってみようということになり、さらに遠い寄り道。




西川口駅に停車中の京浜東北線。
午前中に訪れた跨線橋から西川口駅方向を見ると、北行電車がどうも中途半端な位置に停車している感じがしました。ここでももっと近くへ行ってみようということになり、今までまず撮影することのないアングルで。
やっぱり定位置に停まっていると思いきや、ドア1つか2つ分くらい手前で止まってしまっている様子でした。
それよりも、北行と南行で行先表示の色が違っていることが気になってしまいました。至近に寄ってみると、もしかしたら南行電車の表示ガラス(アクリル?)が汚れてオレンジ色に見えているのかもしれません。
考えてみれば、こんな暗い時間に「快速」表示を見ることは不可能ですね。ある意味貴重な記録かも?

ちょっと様子見のつもりが、1時間以上も歩き回って、殆ど「取材」のような夕方になってしまいました。


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品川客車区:寝台特急「はやぶさ」「みずほ」「さくら」

2021-07-30 12:08:00 | 駅・停車場・操車場
品川客車区:寝台特急「はやぶさ」「みずほ」「さくら」


東海道本線の田町~品川間は、その殆どが東京機関区、品川客車区、田町電車区で埋め尽くされた鉄道の一大基地となっており、東海道本線の車両の拠点となっていました。まさかあの壮大な車両基地が跡形もなくなってしまうとは、昭和の時代には想像していませんでした。

子供の頃は、こうした基地に停まっている車両たち、特に滅多に見ることができない事業車や機関車を見るのが楽しみで、特にこの区間は東海道本線・横須賀線で下り電車に乗ると、東京機関区や品川客車区の裏側を見ることができた楽しみな区間でした。



昭和55年 横須賀線車内から

品川客車区は、品川駅から東京方面を見ると、洗浄線に止まっているブルトレたちを見ることができ、写真は品川駅から撮ることが多かったのですが、発着線を見ることは出来ませんでした。
写真は、横須賀線が総武快速線とスルー運転で地下化される前、記念乗車をしていた時のもの。当時はまだ冷房化率も半分くらいで、窓を開けてカメラを構えることには何のためらいもありませんでした。今の時代はこのような行為は物理的にも人道的にもなかなか難しくなりました。

左から24系25形「はやぶさ」、14系「みずほ」、同「さくら」と並んでおり、東京着のブルトレが到着した順に並べられているようです。おそらくはここで車内清掃等整備が行われ、空いた順に洗浄線へ向かうものと思われます。これよりも早く到着している急行「銀河」、特急「瀬戸」「出雲」「あさかぜ」は既に洗浄線へ行っているのでしょう。


今や日本の鉄道からブルートレインが全滅してしまいました。
写真を撮影した高校時代はそのような時代が来るなんて想像することもできず、鉄道の進化と比例して面白みも失ってしまいました。この面白みのない時代に生まれ、新車や廃車の配給輸送を必死に追い掛ける若者を見ると憐れみず感じざる得ません。


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3分岐ポイント:大宮操車場ハンプ入換

2021-07-22 16:50:00 | 駅・停車場・操車場
3分岐ポイント:大宮操車場ハンプ入換


鉄道に使用するポイント(分岐器)にはさまざまな種類があることは勿論ご存知かと思います。特に鉄道模型を楽しんでいる方は、レイアウトにどんなポイントを使用しようか悩むのも楽しみと言えると思います。

実際の鉄道におけるポイントは現地に合わせた手作りですが、規格が決まっている模型では複雑な分岐形態を表現するのは難しく、複雑なものほどとんでもない金額で売られています。

昨日、帰り掛けにIMONに寄り道したのですが、TOMIXで3分岐のポイントが発売されているのを知りました。元々はTOMIXで揃えていたのですが、レイアウトの作成をやめてからは線路の発売状況など知る由もなく。


ところで、表題の大宮操車場ハンプ入換で使用されていた3分岐ポイントをご紹介したいと思います。




大宮操車場では、限られた線路延長の中で多くの群線を分けなければならないため、このような3分岐ポイントが多用されていました。

ご覧のようにキレイな左右対称の3分岐器となっており、下りハンプでは3分岐~3分岐×3で9本に分かれ、さらに2分岐で18本の入換線(このほかに1番線の外方へ20番線が分岐)がありました。上りハンプは3分岐~3分岐×2+2分岐×1でさらに2分岐の合計15本でした。
つまり、この狭い範囲で同じ構造の3分岐ポイントが7対もあったことになります。

実はこのポイント、エアー式なんです。マニアの方でも殆ど知らないと思います。

ポイントの切り替えといえば、転轍テコを使用した手動式とモーターによる継電式が一般的ですが、このようなエアー式が存在するということを大宮操車場に配属になって初めて知りました。




次々と坂の上から貨車が転がってくるわけですから、人力に頼るだけの手動式なんて危険過ぎますし、モーター式は力は要らないものの切替えに10数秒掛かってしまいますので、いずれもハンプ入換には不適なんですね。

で、安全性と作業性を優先した場合に有利だったのがこのエアー式だったのではないでしょうか。切替えは2秒ほどです。『シュー、バタン』。口で表わすとこんな早いんです。解かるかな?(笑)




何故このようなエアー式が可能だったかというと、カーリターダーと関係が深いのです。

カーリターダーはエアーがないと作動しませんので、ポイントを動かすためのエアーも供給が可能なわけです。もちろん、数が沢山ありますので、相当強馬力のコンプレッサーが使われていたものと思います。

これらの一連の動作は、高い位置の設けられた信号所の中で全て操作されています。カーリターダーを操作する担当と、ポイントを操作する担当、そして入れ替え間隔を見張る担当がコンビで作業を行っていたと記憶しています。

このようなエアー式のポイントが設置されることはもうないでしょうね。


模型ではその小ささ故にこの左右対称のこのタイプはちょっと難しいかもしれません。狭いスペースで群線を作るには持って来いのポイントなんですけれども。


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