ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

演劇部夏休み宿題は、エッセー!

2009-08-05 20:51:26 | 教育

 夏休み中、置農演劇部の活動は午後1時から始まる。午後1時、活動場所は、シーン!全員が机に向かって勉強中。誰も無駄話一つしない。おっと、今日は三年の男が勉強しながCDダビングしてたけど。そう、30分間は学習の時間なんだ。全員が漢字の学習に取り組んでいる。そうなんだ、演劇部全員で8月末の漢字検定を受けることにしたんだ。

 理由は、まず、前回このブログに書いた通り、漢字が読めない、台本読みもままならないくらいに読めない、こいつをなんとかしないことにゃ、演劇なんて成り立たないよってのが一つ。次に、演劇部めちゃめちゃ忙しいので、部員のほとんどが無資格状態、これも将来的にまずい。特に三年生は進路が目前に迫っているから、資格も手にし、一般常識も高めよう、ってこと。こんなところが理由かな。まあ、何より、演劇部の生徒には、知的で勉学に対して真摯に努力する人間であってほしいってことなんだ。

 さらに、夏休みの課題を全員に出した。それは日本農民文学会主催のエッセーコンテストに全員応募するってこと。農業や食を題材にしたエッセーだ。このエッセーってところがミソだね。作文でも論文でもない、エッセー。部員たちには馴染みが薄いと思う。でも、これってとっても演劇部向きって気がするんだ。主張より感性、結論より流れ、論理よりエピソード。これ台本書くときの基本姿勢じゃないかと思う。なーんてことは、今気がついたんだけどね。

 ともかく、その募集要項のコピーと800字詰め原稿用紙3枚を渡し、期限は8月いっぱいと厳命した。うえーって声は一部上がったものの、おおかたは素直に受け取って行った。まっ、僕に逆らったってムダって諦めてるんだろうね。諦めの一方で、まっ、自分のためにもなるかもね、って納得もしてるんだと思う。いや、思いたい。

 その他、三年生には一週間に一枚のペースで作文を義務づけている。進路対策だね。なんたって、就職試験の真っ最中に地区大会があり、入学試験の前後には子どもミュージカルの東京公演を計画してるって状況だから、せめて、その進路の準備くらい、顧問が全面協力してやらないとね。もちろん、面接指導も部の請負だ。まっ、三年のぎりぎりまで部活動に付き合わせる、罪滅ぼしってところだ。

 でも、農業高校みたいな所の場合、運動部みたいに5月6月で部活が終わりってのは、どうにも現実にそぐわない。進学希望者の一部を除き、結局、遊ぶだけだもの。試験の日程をかいくぐりつつ公演や稽古のスケジュールを立てるのって、冷や汗ものだし、そのときは当人相当きついようだけど、いざ、卒業を迎えるころになるっと、そんなぎりぎりまで部活してたってことがとっても良い思い出になるようだよ。って、これも僕の希望的観測か。ともかく、勉強は大切なんだぁぁぁ!ってことを演劇部の共通認識にしたいんだよ、ちょっと強引でもね。

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読めない!部員たち!!

2009-08-03 21:06:15 | 教育

 もうどうしてなの?どうしてそう、的はずれに読むの!怒りのせりふがなんでそう楽しげなの?こんなかっこいいせりふ、無様に読むな!ギャグをまじめに読むな!駄洒落はだじゃれとして読め!怒りをひたすら抑えながらの本読み90分が終わった。

 いつものことながら、最初の本読みすると、ものすごーく、落ち込む、作者としては。だって、まるっきり、どうしようもなく、やりきれないぐらい、詰まらなく読んでくれるんだから。そりゃ、一年生は仕方ないよ。まだまだ初心者だから。でも、あんたたち上級生でしょ!僕ともう1年以上もお芝居作ってきてるんでしょ。わかるでしょ、少しは。せりふのニュアンスってものが。

 もっともね、せりふの味わい以前に漢字が読めないから、彼らも必死なわけよ。みんなの前で恥じかきたくないってね。ほんと、読めない!だから、演劇部全員で漢字検定に取り組んだのって正解だったって改めて思ったね。

 それと、文章読むこと自体が慣れてない。日頃本読んでないってことと、音読する機会が少ないってことなんだろうな。もう、たどたどしくて、日本語っておまえの母国語じゃねえの?!ってつっこみ入れたくなってしまう。で、これ、演劇部なんだから。国語教育はどうなってんだ!

 ともかく、本読みを終えて、今回のキャスティングを当てさせてみた。そう、まず配役は伏せて読ませてみたってわけだ。今回の本は、定期公演でやった『LOST SEVEN』の配役を意識して書いているってことと、なんたって当て書きしてるわけだから、慎重に読み進めれば、ははーん、これは誰の役だってあらかた予想がつくはずなんだ。で、20ある役のうち、僕が決めたキャストを何人当てられるかってやってみた。その結果、最高は20人中11人を当てた舞台監督。まあ、舞台監督に選んだだけのことはあったよな。で、次はなんと7人、6人、4人・・・挙げ句は0なんてのもいた。絶句!!も一度言う。一年生は仕方ない。でも、・・・・・!  

 要するにね、台本読む力が足りないってこと。自分も含め仲間たちの役者としての持ち味を知らないってこと。僕が書くものほとんど理解してないってこと。もうほんと、怒りと絶望だね。

 ということで、明日は、昔風の本読みって奴をやることにした。つまり、作者が全部の役になりきって台本を読み通すって方法。歌舞伎の世界じゃそうだったってことだし、劇団☆新感線の井上さんは今でもそれやってるって話だから。部員たちには、今夜ぎりっと読み込んで、明日の本読みで僕がどう読んだか頭の中に録音しろって厳命した。自分なりの役作りはそれからだ。作者の意図もわからず、役など作れるわけはないんだから。

 さっ、明日は、一時間の一人芝居だよ、ちょっと緊張!かなり楽しみ!!

 

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置農旋風は続く!

2009-08-02 21:06:58 | 教育

 置農吹奏楽部がついに東北大会出場を決めた!おめでとう、部員たち!おめでとう、D先生!やったね。初出場、価値あるよ。地区大会で聞きに行って、かなり良い線いってるとは思ったけど、金賞通り越して東北大会出場とは。

 それにしても続くよね、置農旋風。一昨年はごはんカップ準優勝。昨年は演劇部の全国大会・東北大会出場、駅・町活性化チームのボランティアスピリッツ賞アメリカ派遣、ワイン残渣飼料化研究班は環境大賞その他多数ときて、今年は、バスケットボール部が30何年かぶりに県大会出場、弓道部は初の男女県大会出場、野球部は甲子園予選で春の県ベスト4鶴岡東を破る大健闘、もちろん、ホッケー部はインターハイ出場だし、いやはや、凄い勢いだ。この勢い、まだまだ続くと思うね。

 で、なんでこんなこんなに乗りに乗ってるか、って言うと、これはもう、学校の勢いと言うしかない。じゃあ、学校の勢いって何?それは、生徒も先生も頑張って当たり前ってムードが学校全体を包み込んだってことなんだと思う。以前だと、頑張る人はどこか恥ずかしげだったりして、授業終わればさっさと帰る奴らが大半だったけど、今は違う。9割近くが熱心に部活動に取り組んでいる。運動部なら、土曜日は遠征・練習試合が当たり前だし、文化部もついこの間までは、公然と帰宅部を表明していた美術部とか生活部なんかでさえ地道な活動を続けるようになった。演劇部や吹奏楽部は当然ね、土日も活動。つまり、放課後残って当たり前。土日も学校来て当たり前。部活頑張って当たり前。となると、成果上げなくちゃって顧問も焦るって言うか、はりきるわけだ。

 さらに、置農には特筆すべき長所がある。それは、出席率が抜群にいいってことだ。学校全体で99パーセント超すんだから。9クラスのうち2クラスは欠席ゼロだから。これは凄いよね。こんなに生徒が学校休まない学校ってあるか?まっ、辛いけど、嫌だけど頑張って来るって奴もいるだろうけど、大部分は学校が楽しいんだよね。これも置農の勢いを支える大切な要因だ。

 そんなこんなで、置農旋風はこれからも吹き荒れること間違いなしだ。僕も、吹奏楽部の東北大会出場聞いて、こりゃ演劇部も絶対東北行かなくちゃな、って思ったもの。で、この気持ちは、僕だけじゃない。先生も生徒も、たくさんの人たちが感じてることなんだと思う。よっしゃ、うちも負けてらんねえゾ!そう、この気持ち、これも置農の勢いを大きくふくらますことになるんだよ。

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ファンタジック活劇で勝負だ!

2009-08-01 21:08:32 | 教育

 ようやく最後のシーンまで来た。そう、大会向け台本。『きき耳族の少女』、書いていてわくわくするから、きっとおもしろいものになってんだと思う。でも、僕のおもしろい、は他の人の詰まらないとイコールの時がよくあるから、最後の最後まで細心の注意で仕上げなくちゃならない。なのに、こんなの書いてる!ラストシーンの見通しも立ったんで、ちょっと余裕ってことかな。

 今回の作品はかなり冒険だと思っている。高校演劇に馴染みの薄い作りになりそうなんだ。まず、高校生は登場しない。学校でもない。身近な話題ね出てこない。ファンタジーだから当たり前か。時代はヨーロッパ中世かな?的にはっきりしない。つまり、設定も登場人物もリアリティがない。要するに劇画風って言うかな、要するにあちらの世界の物語なんだよ。ストーリーはおもしろいし、キャラクターもかっこいい。話の展開もスムーズ、でも、わかりやす過ぎ。深くない。そうそう、今稽古中の演歌とか大衆演劇に近いって言えば当たってるかな。ああ、もちろん、頭にあったのは劇団☆新感線ね。

 演歌とか大衆演劇てのは、人々のごくごくまっとうな、って言うか、ありきたりのって言うか、共感しやすい情緒に沿うように作られているでしょ。親子の情愛とか、義理人情とか、自己犠牲とか、悲恋とか、もう誰だって涙涙は当たり前っていうの。。だから泣ける、感動できる。それなんだよ、今回の作品は、もちろんそれを意識して作ったわけだけど。そう、大衆的で何が悪い?わかりやすくて何が悪い?ありきたりで何が悪い?って何回も開き直って書いたんだ。

 だって考えて見ると、高校演劇の定番、いじめとか、若者の反抗心とか、大人のずるさとか、若者のひたむきさとか、親子の行き違いとか、こういうのだって、ちょっと考え見れば、演歌的なわけよ。高校生の演歌だよ。だってわかりやすいでしょ。いじめ!って言えばあらかたのことわかっちゃうもの。共感する素地ができちゃうもの。つまり、平均的人々の平均的感覚にフィットする作り方ってことね。

 だから、今回の『きき耳族の少女』だって同じことよ。ただ、高校生には見慣れない世界だってことだ。そこがどう評価されるかってことだろうね。高校演劇見慣れてきている人たちが審査するわけだから、かなりの苦戦は覚悟しなくちゃなんないだろうね。

 だから、狙いはまず観客の高校生、こいつらを圧倒的に、おもしれぇぇぇ!って言わせることだ。舞台でこんなことできたんかぁぁぁ!って口をあんぐり開けさせることだ。高校生がここまでできるんかぁぁぁぁぁってぶちのめしまくることだ。物語ってすげぇぇぇぇ!って目から分厚い鱗を落としてやることだ。

 かなり気合い入ってるね。そう、簡単に言っちゃうと、定期公演『LOST SEVEN』の世界をバババーンとぶつけてやるぜ!ってことなんだ。でも、心配は、長いこと!きっちり演じれば2時間の世界、これを半分凝縮するわけだから、もう、中身盛り込み過ぎって批評は今から見えてるね。これは1時間の舞台じゃない、とかね。それを1時間で見せる技量を評価してほしいと思うわけだけど、無理かなぁぁぁ?1時間という限られた時間で、どこまで世界を大きく広げることができるか、やっぱりこれは大きな勝負なんだよ。

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