ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

読書週間報告第2弾

2009-08-13 17:10:20 | 暮らし

 去年の東北大会出場記念公演『Let's Dance 1946』のビデオを部員分ダビングしたり(これ思いがけず難敵だった。地元ケーブル局が撮ってくれたVHSテープを家庭用レコーダーでHDDに取り込んで、これをDVD-Rに焼いてからパソコンに持ち込もうとしたんだけど、何故かめちゃめちゃたくさんのクリップに分かれていて、それを編集ソフトでつないでみたら、つなぎ目の画面がゆがんでいて、録画方法の問題か?って何度か方法変えてみたけどね結局変わらず、諦めてレコーダーから一枚一枚焼くという操作を繰り替えしながら、今、これを書いている)、16日の小松夏祭りに出品する紅大豆利用新製品『紅大豆ヘルシーワッフル』『紅大豆ヘルシーばぁ』のラベルデザインしたり、(そう、そんなこともやってるんだよ、学校では。ね、演劇部だけやってるわけじゃないから)、なんやかんやと忙しい。とは言ってもね、休みですよ、時間ありますよ。

 昨日から今日にかけて、二冊の本を読んだ。一冊は荻上チキ『ウェブ炎上』。ブログ書いてると、突如入ってくるコメントなんかに喜んだり動揺したり、慣れない僕なんかにはけっこうドギドキのことがある。だから、一度に大量の非難コメントが殺到する「炎上」なんて、聞くだけで怖!せめてその実態をそっとかいま見ておかなくちゃ、って手にしたわけだ。それと、数は少ないけど、なんだぁ!?このコメント??って読んでて不快になる罵詈雑言、悪質な読み違いなんかもあって、なんだか、ウェブ上だと、人は無神経になるんじゃないか?なんてそんな疑問もかねてからあった。

 で、この本を読んでみて、いやあ、いろいろあるんだね、歴史的な「炎上」事件が。しかも、それは、世間で取りざたされているような眉をひそめたくなる類のものばかりでもないってことを教えられた。例えば、中越地震災害に対する援助キャンペーンとか、一方的な政治動向に反対するまとめブログとか、炎上を意図する人も、それを支える人もおもしろ半分なんかでなく、まともな感覚で動いてる場合も少なくないってこと。一つの意見に多くの人がどっとなだれ込む現象、これをカスケード(小さな滝)って言ってるけど、これは何もウェブに固有のことじゃない、ウェブ以前にもあったし、これからも形を変えて続くだろうって指摘はまったくその通りだと思った。中世の魔女裁判しかり、つい数十年前の神国日本だってそれだものね。だからと言って、著者も心配している通り、過剰な道徳感情から私刑(リンチ)まがいの「祭り」が見過ごしていいってわけじゃない。そんな悲惨な事件が繰り返される恐れは、これからも多分にある。これに対しては、使い手の教育も大切だろうけど、それには限界があり、アーキテクチャ=環境技術的な手法(例えばタバコ自販機のタスポとか飲酒運転をさせない「インターロック」みたいな)の導入に可能性を見いだしているようだ。その主張の是非は僕なんかには判断できないが、教育で人間性が飛躍的に向上するって可能性なんて信じられないし、かといって、ウェブそのものを制限しろなんて後ろ向きになるのも現実的でないから、まあ、そんなところなのかな、ってほとんど思考放棄だね。「炎上」を恐れてばかりじゃダメ。そこに大きな可能性もあるんだってことは納得できた。それにしても、彼はごく少数だって言ってるけど、嫌韓、親日、右翼的人たちの殺到や、一部書き込み言葉のトゲトゲ感は、やっぱり気になるなぁ。

 さて、次なる一冊は、おもしろかったぁぁぁ!『エスケープ』渡部建。この人、お笑い系の人なんだってね、テレビほとんどみないのでまったく知らない。内容は、これはもうネタバレしたらこの本の価値90パーセント、いやいや100パーセントなくなるから、絶対言えない。ともかくアイディアの勝利なんだな。超過激にしたシチュエーションコメディってところかな。勘違いのすれ違い、途中で読者はその構造に気がついて、次の展開も、ははーんって読めないわけじゃないんだけど、さて、その展開をどう転がすか、どう落とすか、これが実に意外性があり、かつ、決まっていていいんだね。特に第4章なんて、もの書く立場としては、設定はわかった、さあ、どうするどうするってつっこみいれながら読んだけど、最後まで裏切られなかった、いや、裏切られ続けたか?もちろん、こういうものだから、設定の強引さは当然ある。でも、それを言っちゃおしめえよ、ってことで、ともかく、著者の騙しのテクニックにうかうかと乗せられながら、よしよし、うんうん、で終末にだとりつく。それでいいんだと思う。で、最後にはちょこっとほろりとさせられて、なるほどこう来たか、と思っていたら、なんと、も一つ強烈に突き落としが待っていた。で、突き落とされて、にやり!

 さて、報告第2弾書き終えたので、次は何読もうかなぁぁぁ。

 

コメント (4)
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