ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

読書週間報告一号

2009-08-10 21:19:15 | 教育

 菜の花座の公演が終わって、大会台本を書き終えて、演歌ショーもどうやら仕上げて、ようやく自分の時間が持てるようになった。夜八時前パソコンに向かえるなんて、なんていう幸せ。日曜日、1日家に居られるなんて、なんていう余裕。まっ、後2週間の猶予だけどね。学校が始まればまた、部活は19時まで、帰ってきて食事すませば、9時過ぎって生活が始まる。もちろん、菜の花座もあるしね。

 この短いゆとりの日々、まずは勉強だよ。溜めていた本を次から次と読破、って行きたいところだけど、目がねぇぇぇ、年取ると辛いんだよ、夜は。かといって昼は農作業があるしね、まあ、ちょぼちょぼとお勉強を続けている。

 小説で読んだのは、原宏一『姥捨てバス』。白バスで一攫千金を狙う二人組が、姥捨てツアーって企画を思いつき、それが参加の婆さんたちの子捨て独立運動へて転がっていくってお話。年寄りが、山奥にこもって自分たちだけの爺婆ユートピアを作るって筋立ては、僕も以前に書いたことがあったので興味深く読んだ。ストーリーは上手くできてるって感じた。でも、全体に説明的でね、なんか、あらすじ読まされているようで、小説としては、ちょっと、ってところかな。ただ、観光業界、旅行業者の裏話なんかはかなり丁寧に書かれていて、これはなかなかおもしろかった。

 次が昨日読み終えた『ヤイトスエッド』村上萬壱。芥川賞作家なんだってね。どうも純文学って奴は肌に合わないのでとんと疎いんだけど、いやぁぁぁ、不思議な作品だ。ともかくとてつもなく変な女が続々と登場するんだ。おっと、短編集だから。自分を魔女だと思いこみ、次から次と男に身を任せる女。母親に躾けられた清潔症から抜け出すためについにスカトロジスト(糞尿嗜好者)にまで行き着いてしまう女。中でもおもしろかったのは、タイトル作『ヤイトスエッド』。これなんの意味かわかる?僕は読む前にわかったね、ってちょっと自慢しちまおう。ヤイトってのは、お灸のことなんだ。で、スエッドは、・・・・これはネタばれしちゃうから、ここでは言わない。いや、ばれっこないな、こんな話。この主人公は、やたら正しい行いを目指しているって女。まったく車の通らない横断歩道でも赤信号なら絶対渡らないとか、自販機のコーヒーは一種類であるべきだ、なんて考えてる。そんな女を壊してやりたいと企んだ同僚に天罰が下るってもう、なんだかナンセンスの極みで、そのそこはかとないユーモア感覚には、やられたーっ!って感じだった。ともかくおもしろいのでお奨めだ。

 そして、昨日からようやく次回菜の花座公演の候補作選びに入った。で、最初に開いたのが本谷有希子『幸せ最高ありがとうマジで!』。おもしろい!!前々回上演した『遭難、』以上のできばえだ。まるで関係のない家庭に乗り込んでいちゃもん付けまくりの、家族のほころびをずたずたに引き裂きの、この不可解なエネルギーの爆発、もう、爽快の一言!またまた本谷作品やりたくなってしまったよ。でも、同じ劇作家の作品は上演しないって、僕なりのルールあるので、もう少し他の作家を当たってみたいと思っている。でも、やりたいなぁぁぁ。やっちゃうかも・・・・・・ってことで読書週間特集第一回のおしまいです。

コメント
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