冷笑系を弾き出せ！

ほら、ひろゆきとか成田悠輔、あぁ、最近は消えてくれたけど三浦瑠麗とか、あの系統ね。課題に対して、一歩引いて、ってぇか、一段高い所から気の利いたふうな意見投げかけて、あざ笑ってる連中。

多いよなぁ、若い人らに。

真剣にぶち当たったり、相手の身になって考えてみたりしない。

彼らの興味は、議論に勝つこと、場を味方にすること、受けること、なんだよな。それも手法としては、揚げ足取りだったり、末節のあげつらい、だったり、形式論理の詭弁だったりする。知識のひけらかしや難解な用語で圧倒するなんてのもよくある。

対話、討論、議論を深めて、現実をよりよくして行こう、なんてことにはまるで関心がない。

ちょっと高みの自分、下々よりも物識りだって立ち位置、コメンテーターなんかなら、それが売りでお声も掛かる。うんざりだよなぁ、そういう連中が識者！なんだって。

しかも、そこら辺の若者たちに結構この斜に構える姿勢がトレンドだったりして、それってめちゃまずいことなんじゃねえか、なんて、ジイサンは心配したりするわけなのさ。

世の中、意識的に変えて行くのは、やっぱ、正義感だったり、不当な現実への怒りだったり、他者との交歓やより良き社会への意欲だったりするんじゃないの。もちろん、平和を大切する気持ちとかもね。

この３０年間、日本は沈みに沈んで、最貧国の仲間入り、いや、貧しいだけならいいぜ、モラル的にも置いてけぼりの没落国家になっちまった。

女性の地位は相変わらず低いままだし、差別やヘイトは勢いを増しつつあるし、歴史は自己都合で改変するし、賃金上がらず貧しさ増大、格差拡大なんて平気の平左だ。

で、こういった停滞現象をまるっきりデフォルトみたいに見做して気にならないのが冷笑系の特性なんじゃないのかねぇ。

そこそこの暮らしおくれる恵まれた連中ならともかく、てめえが蔑まれたり、踏みにじられたりしてる、どう見たって下層の若者までそんなふうにあざ笑いつつ世の中見てるんだから、救われないのさ、この国は。

象徴的なのが、政治に対する冷笑だろうな。現実が壊れてるって感じていても、嘲りや蔑みで己の惨めを糊塗している。選挙における投票率の低さ、もうこれが最大の問題だよな。

冷笑や嘲りは世の中を立て直せはしない。待ってるだけ？いや、期待なんかしてない、今ある現実は受け入れるだけ。

でもなぁ、それ、悪くなるばかりだろ、この３０年の停滞、没落のように。気に入らないことや不満には、大声で、いや、小さくたっていいけど、声を上げて行かなきゃなんも変わりゃしないぜ。しっかり顔を上げて面と向かって立つことだ。

デモとか署名とか座り込みが無意味だとか、恰好悪い、就職に不利だ、なんて世迷い事に欺かれちゃなんねえんだぜ。

世界に目を向けろよ、アメリカの自動車労組はストライキだし、ポーランドじゃ数十万人の反政府デモだ。民主主義とか自由とか平和ってもんは、こういう力の行使で獲得され、守られて来たものなんだぜ。