ほぼ連日、田んぼに入っている。ほれ!ってこの腕と顔の黒さを見せたいくらいだ。さすがに昼過ぎ数時間の日照り真っ盛りには田畑に出ないようにはしているが、それでも、キーンと澄んだ灼熱は午前と言えども容赦ない。
いつまで続くんだい?なんて愚痴もいよいよ出し納めの時だ。今年はどうにか大きい田2枚、まがりなりの除草を済ますことができた。畝間の除草機押し1回、株間除草機押し2回、それにQホー除草2回!よくやったもんだよ、なんて自己満足したって田んぼを見れば、1週間でさらに伸び広がったコナギがびっしり、ホタルイはつんつん。
大きな田についちゃ、ここらで打ち上げだ。そろそろ穂だって出て来る時期、子ども孕んでる親イネを痛めつけ続けるなんてできないさ。と、理由を付けて、要は自分に納得させて諦めるって話し。
大きな田にかまけてるうちに、上流の小さな田3枚が大変なことになっていた。奥の1枚なんて、コナギびっちり、オモダカ堂々!イネはひょろひょろ!いやぁ、すまんすまん、こんなに肩身の狭い思いさせちまってな。とてもじゃないが、穂が出る直前の姿とは思えんな。隣りと同じ条件なのに、この違いは何だ?!お隣さんの方は、それなりに茎の数も多く田の全面を葉が覆っている。
理由はわかってるのさ。苗の違いだ。今年の苗作りは惨澹たる有様だった。芽は出ない、生育は著しく不良。こりゃ今年の米つくりは全滅か?!って絶望の淵に落ち込んだ瞬間さえあった。追肥追肥の応急措置でどうにか田植えまではこぎつけたものの、その後の生育は貧弱そのもの、よくここまで育ったもんだ!イネの底力に感心しているのだが、この奥の田の苗は、中でも貧弱なものだったんだ。
田植え後も根つきは悪く、育ちもひねくれていた。その結果が、雑草の全面包囲なのだ。イネの元気と雑草のはりきりとは反比例する。縮こまって自分の領域を主張できない分、雑草は大きな顔して蔓延るわけだ。まっ、こればかりが雑草繁茂の原因じゃないが、虚弱苗が野生の侵略を許す理由になっているのは間違いない。
対策は二つ。まずは、このでかい顔した雑草どもを徹底的に刈り取ること。もう一つは、来年こそいい苗作ろうぜ、って、反省新たにすることだ。それしかない。と、いうことで半日仕事。小さい田で良かった。
残りは昨年荒らした田。ここはマメ科雑草が堂々主張して、とうとうイネより丈が大きくなってしまっている。イネも頑張っちゃいるが、このままでは圧倒されちまう。逞しい茎の割にこの雑草、引っこ抜くのも、叩き切るのも比較的楽だ。とは言え、さんざっぱら放ったらかしてしまった田だ。入ってみれば、なかなかの手強さだ。この田が、今季除草の最後ってことで、1日2時間、3日かかりで済ませることにした。
初動の大失敗にもかかわらず、よくぞここまで来た。よく耐えたよな、イネ!頑張ったよな、俺!だって、ほれ、除草機の軸が摩耗して折れちまったくらいだもの!