泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

香港からー第三夜と得がたい体験

2011-01-14 15:28:21 | 丹下一の泡盛日記
日本に残してきたかみさんはえらいことになってるみたいだ。帰ろうかと連絡したが、及ばずとのことで、ならば思い切りやれることを体験して戻らねば、と。

昨夜は、丸仔企画の第三夜。
多くのダンサーやパフォーマーが美術モデルのバイトをしているが、ならばパフォーマンスを観客が描いたら、というイベント。
自分もスケッチブック抱えて参加。
そうかなと思ってたけどパフォーマー、みんなオールヌードで。
だが、集中していく身体の美しいこと。そして自分もフィジカルに見つめ、クロッキー。

特に産まれたての赤ちゃんを抱いた若いお母さんが素晴らしかった。
終演後のトークで人前で全裸になったのは初めて、と語ってた。母親って美しいんだなあ、と。

最後の時間、観客にモデルにならないかとオファー。仕込まれた(後で知った)男性が衣服を脱ぎ捨てて全裸になりAと一緒にポーズ。彼の緊張をやわらげようとAが胸に手を置いている。人が人に対して柔らかな愛をそそいでいる姿も美しい。

「次、誰か」というので鉛筆削ってたら全裸になったSが来て「モデルになって。あたし待ってるね」と。
そのまま全部脱いで彼女を追って舞台に移動して座る。
彼女も横に座り、頭を軽く預ける。さすがに心臓どきどき。
舞台で全裸になるのは19歳以来だもんな。
しかし、落ち着いてきた後はなかなかいい時間になった。
観客が絵を描くために集中しているエネルギーは舞台とはまた違うものがあり、貴重な体験になった。
Sちゃん後で「最初、すごいどきどきが体から伝わってきた。次第に落ち着いた後、私もすごくリラックスしてよかった」と。

まさか香港の劇場で全裸になるとは思わなかったな。

今日、午前中は先月本番に立ち会って感動した「Life & Death」の再演のリハーサルに。
おばちゃまたちに再会。お菓子たくさんもらう。
その後、一緒にランチ。

別れて道を歩いていたら、怒鳴り声。2人の男性が喧嘩。一人が路上に抑え込まれてる。
両側から来た車も止まり大騒ぎに。
引き離された2人に落ちてたメガネを渡したり。
公園に移りメールチェックでも、と思ったらまた怒鳴り声。一人がバイクで一目散に逃げていく。

程なくパトカーが何台か来た。若い警察が一人ひとりに何か尋ねてる。自分にも広東語で。わからない、と応えると、英語で「この辺りで喧嘩をみなかったか?」
「見た」と応えると一瞬ことばに詰まる。 
「喧嘩をみたんですか?」
「はい。2人の男がかくかくしかじか」
「顔をおぼえていますか?」
上司がやってきて、細かい質問が始まり、自分は大事な証人にされていることがわかった。
首実験までしたが、逃げた男ではなかった。

IDやパスポートをチェックされ、「いやあ日本人なのに英語話すんですね。珍しい」と。
「ご協力ありがとうございました!ようこそ香港へ!」と握手して分かれた。
何かあったらお目こぼししてくれるかなあ。
コメント
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