たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

ベクトル解析_たかはしけいが統計力学までお伝えする物理会

2024-05-30 02:28:36 | たかはしけいが統計力学までお伝えする物理会
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 高校物理、高校数学を前提として、YouTube上でベクトル解析について12回にわたって説明した板書ノートのリンクです↑。2022年3月7日から2022年6月8日にかけて講義しました。
 著作権は髙橋慧にあります © 2024 Kei Takahashi

 主に、Introduction to Electrodynamics - David J. Griffiths (著) 3rd. editionの第1章を教科書として使いました。リンク先は4th editionです。
 また日本語版はこちら

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【目標】
 高校数学で学習する平面ベクトル・空間ベクトルを前提として、物理学で使用するベクトル解析の基本的な公式を理解する。
 3次元空間を記述するいくつかの座標系についての計算をまとめ、Diracのデルタ関数をについての計算に慣れる。

【各回の概要】
 1. 平面ベクトル、空間ベクトルの直線の式、平面の方程式
 導入。平面ベクトルの復習。特に斜交座標平面についての理解を深めることで、基底の概念を2次元で確認する。
 空間ベクトルにおいての直線の式を復習し、旧カリキュラムでは高校数学で扱っていた平面の方程式について自在に計算できるようにする。
 
 2. 平面の方程式の応用、ヘッセの公式、四面体の体積とか
 先週の続き。平面の方程式の応用。また、点と直線の方程式を一般化したヘッセの公式について理解する。
 四面体の体積についても

 3. 球面の方程式、ベクトル三重積
 球面の方程式までで高校の範囲は終了。これ以降からGriffithを用いて説明。unitベクトルの定義。ベクトル三重積の定義。
 
 4. 変位ベクトル、スカラー場、ベクトル場
 場の概念になれること。スカラー場、ベクトル場について代表的なものは絵が描けるようにする。

 5. Grad, div, curlとか
 ナブラ演算子による計算を導入。勾配、発散、回転それぞれの意味を理解する。花文字のrベクトルに慣れる。

 6. Product Rules
 ナブラ演算子による計算の続き。ラプラシアンの演算(gradient of divergenceとの違いに注意)。divergence of curlは常にゼロ。curl of curlの計算。

 7. 線積分、面積分
 ベクトル場の線積分および面積分。スカラー場の体積分。

 8. 体積分、gradと線積分の関係、ガウスの発散定理
 前回の続き。重積分や偏微分の計算を別でもっと演習やったほうが良いかも?と思った回。
 ガウスの発散定理紹介。

 9. ガウスの発散定理とストークスの定理
 ガウスの発散定理についての具体例。ストークスの定理の紹介、具体例。

 10. 座標系について
 デカルト直交座標についてのまとめ。円柱座標。球面座標。

 11. 座標系について続き
 球面座標への変換。円柱座標→球面座標など。

 12. 球面のナブラ演算、Diracのデルタ関数
 球面座標の微小変位。ナブラ演算子(円柱座標、球面座標)。デルタ関数の演算。

【総評・反省】
 数学は、立体感覚というか空間把握能力というか、なんとも具体的に定義できない量が重要であるという先入観がある。まぁそれが受験数学においては正しい部分はあるだろうし、この先のn次元を想像する基盤になっている部分もあるかもしれないが、三次元座標を与えられたときに頭の中で正確にイメージできなくともどうにか計算できるために、ベクトルの考え方が助けになるところはかなりあるだろうと思っている。ここを実感してもらうために平面の方程式を詳しく説明した。
 ベクトル解析の本格的な部分としては、スカラー場やベクトル場のイメージがきちんとついて、ガウスの発散定理とストークスの定理を使いこなせれば、電磁気学の理解に困ることはないだろうと思う。重積分や偏微分をもう少し詳しく説明するべきだったかなぁと思うが、それ以外についてはかなり詳しく説明したと思う。円柱座標や球面座標、Diracのデルタ関数などは、電磁気学以外でもとても大事であるので、ここも詳しく説明したつもりである。が、それが余分な混乱を招いているところもあったかもしれず、正直塩梅が難しいなと思う。
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