たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

2015のoutro

2015-12-31 04:21:52 | Weblog
 さて、今年も終わりです。簡単にまとめてみましょう。

 今年はどうだったかなぁと思うと、、まぁ、とりあえず博士になったから良しとするか、という感じですかね。俺、自分ができる、たいていのことについては『人間ならできる』と言いますけど、博士号とるのって、人間なら誰でもできる、とは言い切れない気がします。あまりにも総合力が問われるからかなぁ。審査会とか論文はもちろん、あらゆる場面で。意思を貫く力とか、理解しようともしてないのに評価してくる人に対してきちんと対応する力とか、もちろん思考力は必要だし、文章作成能力も必要です。総合点が問われるって意味で、難しい気がします。

 んで、それ以外だと、うーん、毎年毎年、時間が経つほどにこう思いますが、「世間体に友達を奪われている」って感じが増しました。っま、俺があまりにもフリーみたいな生き方してるので仕方ないっちゃ仕方ないですが、これまでの信頼度合いが実質的には減ってしまう分、新しく信頼関係を結べた人も多いので、新陳代謝ですかね(笑)。もちろん、こんな俺でも、ずっと残ってくれている人もいますが。

 そういえば、今年は、自分の影響力を感じる日々であった気もします。3年くらい前に、ある無難の極みを目指していらっしゃる先生から「たかはしくんは影響力が強い」って言われて、正直『何言ってんだ?そんなわけねーだろ』っと思ってましたが、今年はけっこう、それを感じました。烏滸がましいかな?

 よく「よく、そんなこと、あの人に対して、言えるね!」って言われますが、だってぇー、言った後にどうなるか、どんな表情するのか、どんな言葉とどんな声色でイイワケしてくるのか、気になりまくってしまう好奇心に勝てないんだもん(笑)。まだまだ若いなぁ俺も。

 空気的に絶対誰も言わないけど、本来的にはみんな思ってることや、圧倒的な正論を、常にそのまま言ってしまうだけのコツは、たった2つ。『死ぬこと以外は怖いことが何もない』という心情と、俺が何を言ったとしても絶対に俺のことを肯定化してくれる信頼関係の存在です。
 だから、俺の(精神的)周囲にいてくれる人には、みーんなに、めちゃくちゃ感謝してます。別に何を言っても、幼稚園とか小学校とかと違って、殴られることなんて、まずありません(俺は一回もありません)。それだけで俺はけっこう言いたいことが言えてしまいます。っで、お前マジで出てけっ、とか暴言吐かれたとしても(こういうこともめちゃくちゃ少ないですがゼロではない)、それをネタにして、俺の信頼関係ネットワークに流します。そういうことしてると、(少なくとも俺はめちゃ)楽しくて、みんなで笑えるネタができたね、みたいな感じになるから、、うーん、あんまりオススメはしないですけど、いいですよ?、ある程度、本音で喋るのも。楽しいです。

 みんな、俺に対して、自分たちがすでに持ってるイメージを当てはめて、決めつけてくるんだなってのが、多かった一年でもあった気がします。「物理の人は、どーせこう思うんでしょ?」「生物実験してる人って、どうせこれくらいしか考えてないんでしょ?」「自分の意見をそのまま言うようなヤツは、性格悪いでしょ?」みたいな感じで、事実をきちんと見ようとせずに、「取り急ぎ論破した気になってる人」ってのがものすごく多い。ま、最後の「性格悪い」は若干あってますけど。あ、あと、最近だと、「学振落ちたヤツが書いた学振に関する文章なんて、どうせひがんで書いてるだけでしょ?」みたいな。これも少々あってるか(笑)、そういう気持ちがまったくないと言ったら絶対ウソだよね。
 こういうのは仕方ないですねぇ。別に、本当の俺を見てくれー、とも、俺そんなことは一切言ってないぞー、とも、俺が言ってることを正しく理解してくれー、とも、あまり思いません。というか、これは、思ってはいけません。どう思われようが、ここに公開したり、自分の本音を存分に出している以上、俺のことをどう解釈されたとしても、それは受け手であるあなたの自由です。俺の言葉だけを切り取って、もしくは態度だけを切り取って、イメージで勝手に解釈してくれて、そこで何かを感じてくれるのなら、それだけで俺は、文章を書いた甲斐がめちゃくちゃあった、自分が思ってることを言った甲斐があった、ってことですから。俺のこと勘違いしてるなぁと俺が思ったとしても、俺がそういう風に思うのは非常に無意味で、どんな形であれ、やっぱり接してくれるってのは、圧倒的に有り難いほうが強いですよ。
 ただ、芸能人って本当に本当に強いよなぁ。どんな弱っちそうな人でも。

 そんなことを学べた一年だった気もします。一番学べたことは、そういうことかなぁ。

 あと、俺は、つくづく「生命とは何か?」とか「時間とは、空間とは何か?」とか「宇宙の外側はどうなっているのか?」とか「意識とは何か?」とか「死んだらどうなってしまうのか?」とか、そういうことにしか興味がないんだなぁと思うシーンが今年は多かった。あとの研究テーマは、それなりにすごい技術は別としても(CRISPR/Cas9とか機械学習とか)、マジでどうでもいいと思っています。すいません。
 で、こういうことを追及していくうえで、使えるものはすべて使いたいわけです。物理も、数学も、生物学も、化学も、地学も、哲学や心理学だって、使えるんだったら、全部使っていかないと、絶対に解けないと思うのよね。でも残念なことに、「カケルカケル!」と鳴き声をあげている多くの研究者は「分野」という言葉も大好きで、なかなか簡単には、新しい分野を開拓するようなこと(=:研究)ができない。
 んでさらに残念なのは、こういう目標を掲げている研究の集団であっても、「俺らはヨソよりはマシ」という驕りによって、士気が下がってしまうということ。確かに、そりゃもう確かに、事実としてマシではある部分は多いけど、マシだけをモチベーションにしていても、本当の意味で本質を追及することはできないのよね。

 とまぁ世知辛い世の中ですが、、まぁ、なんとかなるっしょ。根拠ないけど(笑)。
 なんとかなるんかなぁ。また今年も、来年度以降、どこ行くか、全然わかりませんけども。

 というわけで、そこそこ楽しめた一年でした。俺に関わってくれた、すべてのみなさん、本当にありがとう。
 良いお年をお迎えくださいまし。
コメント
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