昨年やったこのシリーズ。ちょっと早いですが、今年もやってみます。
俺って理系のわりにはめちゃくちゃ本読むほうだと思いますが、、今年は特に読んだ本がやたらめったら多くて、印象的だったやつを全部思い出せるかわかんないし、それなりにたくさん書きたいんで、1か月くらいかけて、ちょこちょこ更新していこうと思います(笑)。
ちなみに、読んでも印象に残ってない本は一切載せませんので、あしからず。
というわけで、まず第一回目の更新。次書くときは、これを消して、もう一回新しい日の記事にしますので、よろしく。
「Steve Jobs」ウォルター・アイザックソン著
ぶっちゃけ、今年一番印象的だったのは、これ。スティーブジョブズの伝記。なんつーか、ここまで我儘で、とんでもない有能な人間って、現存してたんだな、って思う内容。わりと長いのに、全然飽きなかった。
ジョブズが意外と純粋で、彼が現実をどんどん変えていくさまを「現実歪曲フィールド」と呼ぶんだけど、あそこまで現状をより良く変えることができ続ける人間も、歴史の中でも、そうそういないんじゃないかと思う。
一番印象的で泣きそうになったシーンがあって、それはジョン・スカリーがジョブズをアップルからクビにすると宣言した直後のジョブズの言葉。著者のウォルター・アイザックソンは、ジョブズの言葉を「少々不可解な反論」と書いていたが、俺には気持ちがすごくわかる(なぜなら、俺も同じようなシーンで、同じようなことを言ったことがあるから)。ジョブズが、何を大事にし、どういう志で、ものづくりをしていたかがわかる一言のような気もする。
彼ほどの気持ちの強さがあったからこそ、俺らは現在、普通にスマホ(iPhone)を使えるわけで、iPadを使えるわけで、というか、こうやってPCを使えるわけで、、そのうえ、ピクサーでファインディング・ニモやトイ・ストーリーまで作ってるのは、本当にすごいことだと思う。
現実歪曲フィールドの世界を知りたい方は、少々長いですが、是非、読んでみて。色んなことが、変わって見えると思う。
これを電車とかで読みながら、周囲を見渡すと、みーんなスマホいじってて、これ全部ジョブズが原因なんだよなぁ、と思った時に、思わず震えてしまった。
「ソロモンの偽証」宮部みゆき著
これも長いですが、4の終わりから6までクソ面白くて、ガンガン読んでしまった。
大出俊次を被告人とする学校内裁判が開かれる話なわけですが、、ポイントは、やっぱり神原和彦。神原くんの家庭環境は、大出くんの家庭環境のもっとひどいやつ。それを乗り越えている神原くんと、乗り越えられずに憂さ晴らしばかりしてきた大出くん。だから、ある意味で、神原くんは根源的に大出くんをムカついているのだと思う。そう思って読むと、また違って見えると思います。
そして、柏木くんの小学校の頃の塾の先生が、またポイントで、、うーん、あんまり感想を言うとネタバレになってムズイなぁ。
ちなみに、キャラ的に俺が一番好きなのは、判事の井上康夫くん。あのキャラいいよね。
主人公の藤野涼子、神原和彦、そして井上康夫が作り上げる論理的構造は、とてもキレイで、がんがん読めてしまいますが、、あのー、中学生って、そんなに頭いいわけねーから!!(笑)
さすが、構想15年、執筆9年。読む価値めちゃくちゃありました。
「『育休世代』のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか?」中野円佳著
古市憲寿の「絶望の国の幸福な若者たち」の文庫版を読んで、社会科学における時間軸はわかったから、ジェンダー軸ひきたいな、っと思って、読んだのがこの本。実は、まだラスト数ページ読んでませんが(笑)。
まぁ、特にこの2つの本を受けて、実生活とも関連させると、今んところの俺のこの国の帰結としては、「おじさんたちが優位性を占める社会の中で、若者に対して、女性の若さという価値基準しか本質的に若手の価値を認めていない」ということかな。だいたいどの分野でも。だから、男に価値はない、若くない女にも価値はない、というような押し付けが激しくて、(その大多数が無能集団で構成されている)おじさんは、彼ら自身が用意した舞台で、ただ単純に上手く踊れる奴隷的なバカを探してるのよね。「歴代のおじさんたちが作ってくださった、この舞台で是非踊りたい!」という大義名分を若者に無理矢理書かせることで、文章作成能力とか言いやがって。
特に女性に対してはそれがひどくて、それはこの本を読むとよくわかる。具体的に現在育児に取り組んでいる女性15名について分析がしっかりなされている。男が読んでも公正な評価がきちんとできていると思う。15名では少ないって言われるであろうが、、とか、書いてあるが、、俺的には、むしろ多すぎて、把握しきれません(笑)。
本文中に、「男と女は対等である」というのではなく「女を男と対等にする」という上辺の制約によって成り立つ「女性活用」は、女性性を売り出すことを前提とするから上手く行かない、というようなことが書いてあるが、まさにその通りだと思う。
俺が一番好きなドラマであるアリーmyラブのあるシーンで、アリー側が勝訴したにも拘らず、「純愛を信じる人間をバカにして、商売女を自立した女性みたいに扱うなんて!世も末よ!!」とアリーが言うシーンがあるが、このドラマが2000年代前半で、まだまだ世界は、このままだなぁと思わせるデータがたくさん出ている。(というか、俺は中高生の時にすでに、こういう帰結に出会っているのか、と思うと、最近、ちゃんと成長してないなぁと思ったりする)
しかし、女性諸君、男性諸君も、悲観していてはいけない。
なぜなら、男はカネを稼ぎ、女は美を提供する、という古典的なモデルから進化して、今はいろんな正解がある。在宅ワークだって一般化してきているし、必ずしも収入が多くなくても工夫して贅沢ができる時代ではないか。きちんと探せば、きっと正解はいくらでも存在している。モデルがいないからって、前例がないからって、悲観することはないのだ。
その都度、ベストな選択を自分で選べる俺らの世代は、そのランダム性として明るいのである。
それに、アリーmyラブのジョンも言ってる。
「僕がいいたいのは、、確かにこの世はロマンスとは程遠い。でも、ロマンティックな人種は少しだけ残っている。一縷の望みがあるってこと。世間なんかに負けるな、アリー・マクビール!(Don't let the world win, Ally McBeal!)」
そして、何よりも良かったのは、この著者が旦那を変えるために、この本を書いているということ。
誰かを変えるためには、世界を変える覚悟がなければならない。逆に言うと、どうでもいい世界を変えてしまうことで、大切な誰かを確実に変える術があるということで、やっぱり未来は明るいんじゃないかと俺は思う。
「ドゥームズデイ・ブック」コニー・ウィリス著
「夏への扉」ロバート・A・ハインライン著
「ターン」北村薫著
「刺青」谷崎潤一郎著
「マスカレードホテル」東野圭吾著
「働くことがイヤな人のための本-仕事とは何だろうか-」中島義道著
「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」小林雅一著
そのほか、感想をすでに書いてあるヤツも書き直す可能性もあるし、まだ本を追加する可能性もありますので、しばしお待ちを。
俺って理系のわりにはめちゃくちゃ本読むほうだと思いますが、、今年は特に読んだ本がやたらめったら多くて、印象的だったやつを全部思い出せるかわかんないし、それなりにたくさん書きたいんで、1か月くらいかけて、ちょこちょこ更新していこうと思います(笑)。
ちなみに、読んでも印象に残ってない本は一切載せませんので、あしからず。
というわけで、まず第一回目の更新。次書くときは、これを消して、もう一回新しい日の記事にしますので、よろしく。
「Steve Jobs」ウォルター・アイザックソン著
ぶっちゃけ、今年一番印象的だったのは、これ。スティーブジョブズの伝記。なんつーか、ここまで我儘で、とんでもない有能な人間って、現存してたんだな、って思う内容。わりと長いのに、全然飽きなかった。
ジョブズが意外と純粋で、彼が現実をどんどん変えていくさまを「現実歪曲フィールド」と呼ぶんだけど、あそこまで現状をより良く変えることができ続ける人間も、歴史の中でも、そうそういないんじゃないかと思う。
一番印象的で泣きそうになったシーンがあって、それはジョン・スカリーがジョブズをアップルからクビにすると宣言した直後のジョブズの言葉。著者のウォルター・アイザックソンは、ジョブズの言葉を「少々不可解な反論」と書いていたが、俺には気持ちがすごくわかる(なぜなら、俺も同じようなシーンで、同じようなことを言ったことがあるから)。ジョブズが、何を大事にし、どういう志で、ものづくりをしていたかがわかる一言のような気もする。
彼ほどの気持ちの強さがあったからこそ、俺らは現在、普通にスマホ(iPhone)を使えるわけで、iPadを使えるわけで、というか、こうやってPCを使えるわけで、、そのうえ、ピクサーでファインディング・ニモやトイ・ストーリーまで作ってるのは、本当にすごいことだと思う。
現実歪曲フィールドの世界を知りたい方は、少々長いですが、是非、読んでみて。色んなことが、変わって見えると思う。
これを電車とかで読みながら、周囲を見渡すと、みーんなスマホいじってて、これ全部ジョブズが原因なんだよなぁ、と思った時に、思わず震えてしまった。
「ソロモンの偽証」宮部みゆき著
これも長いですが、4の終わりから6までクソ面白くて、ガンガン読んでしまった。
大出俊次を被告人とする学校内裁判が開かれる話なわけですが、、ポイントは、やっぱり神原和彦。神原くんの家庭環境は、大出くんの家庭環境のもっとひどいやつ。それを乗り越えている神原くんと、乗り越えられずに憂さ晴らしばかりしてきた大出くん。だから、ある意味で、神原くんは根源的に大出くんをムカついているのだと思う。そう思って読むと、また違って見えると思います。
そして、柏木くんの小学校の頃の塾の先生が、またポイントで、、うーん、あんまり感想を言うとネタバレになってムズイなぁ。
ちなみに、キャラ的に俺が一番好きなのは、判事の井上康夫くん。あのキャラいいよね。
主人公の藤野涼子、神原和彦、そして井上康夫が作り上げる論理的構造は、とてもキレイで、がんがん読めてしまいますが、、あのー、中学生って、そんなに頭いいわけねーから!!(笑)
さすが、構想15年、執筆9年。読む価値めちゃくちゃありました。
「『育休世代』のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか?」中野円佳著
古市憲寿の「絶望の国の幸福な若者たち」の文庫版を読んで、社会科学における時間軸はわかったから、ジェンダー軸ひきたいな、っと思って、読んだのがこの本。実は、まだラスト数ページ読んでませんが(笑)。
まぁ、特にこの2つの本を受けて、実生活とも関連させると、今んところの俺のこの国の帰結としては、「おじさんたちが優位性を占める社会の中で、若者に対して、女性の若さという価値基準しか本質的に若手の価値を認めていない」ということかな。だいたいどの分野でも。だから、男に価値はない、若くない女にも価値はない、というような押し付けが激しくて、(その大多数が無能集団で構成されている)おじさんは、彼ら自身が用意した舞台で、ただ単純に上手く踊れる奴隷的なバカを探してるのよね。「歴代のおじさんたちが作ってくださった、この舞台で是非踊りたい!」という大義名分を若者に無理矢理書かせることで、文章作成能力とか言いやがって。
特に女性に対してはそれがひどくて、それはこの本を読むとよくわかる。具体的に現在育児に取り組んでいる女性15名について分析がしっかりなされている。男が読んでも公正な評価がきちんとできていると思う。15名では少ないって言われるであろうが、、とか、書いてあるが、、俺的には、むしろ多すぎて、把握しきれません(笑)。
本文中に、「男と女は対等である」というのではなく「女を男と対等にする」という上辺の制約によって成り立つ「女性活用」は、女性性を売り出すことを前提とするから上手く行かない、というようなことが書いてあるが、まさにその通りだと思う。
俺が一番好きなドラマであるアリーmyラブのあるシーンで、アリー側が勝訴したにも拘らず、「純愛を信じる人間をバカにして、商売女を自立した女性みたいに扱うなんて!世も末よ!!」とアリーが言うシーンがあるが、このドラマが2000年代前半で、まだまだ世界は、このままだなぁと思わせるデータがたくさん出ている。(というか、俺は中高生の時にすでに、こういう帰結に出会っているのか、と思うと、最近、ちゃんと成長してないなぁと思ったりする)
しかし、女性諸君、男性諸君も、悲観していてはいけない。
なぜなら、男はカネを稼ぎ、女は美を提供する、という古典的なモデルから進化して、今はいろんな正解がある。在宅ワークだって一般化してきているし、必ずしも収入が多くなくても工夫して贅沢ができる時代ではないか。きちんと探せば、きっと正解はいくらでも存在している。モデルがいないからって、前例がないからって、悲観することはないのだ。
その都度、ベストな選択を自分で選べる俺らの世代は、そのランダム性として明るいのである。
それに、アリーmyラブのジョンも言ってる。
「僕がいいたいのは、、確かにこの世はロマンスとは程遠い。でも、ロマンティックな人種は少しだけ残っている。一縷の望みがあるってこと。世間なんかに負けるな、アリー・マクビール!(Don't let the world win, Ally McBeal!)」
そして、何よりも良かったのは、この著者が旦那を変えるために、この本を書いているということ。
誰かを変えるためには、世界を変える覚悟がなければならない。逆に言うと、どうでもいい世界を変えてしまうことで、大切な誰かを確実に変える術があるということで、やっぱり未来は明るいんじゃないかと俺は思う。
「ドゥームズデイ・ブック」コニー・ウィリス著
「夏への扉」ロバート・A・ハインライン著
「ターン」北村薫著
「刺青」谷崎潤一郎著
「マスカレードホテル」東野圭吾著
「働くことがイヤな人のための本-仕事とは何だろうか-」中島義道著
「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」小林雅一著
そのほか、感想をすでに書いてあるヤツも書き直す可能性もあるし、まだ本を追加する可能性もありますので、しばしお待ちを。