たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

みんな褒められて育ちたいから

2013-04-23 01:10:21 | Weblog
 何よりも続けることが大事で、今それができるとかできないとか、そういうことはどうでもイイ。
 続けていさえすれば、できるようになる可能性を担保することができる。辞めちゃったらそこまで。一生、できるようにはならない。
 だとしたら教育において、辞めさせないように、諦めさせないように指導することが大事で、見捨てないで、ちゃんと最低ラインをクリアさせようと施す義務が「先生」と呼ばれるすべての人に要求されていることだと思う。

 だから、良いところを、無理矢理見つけてあげる指針が大事なんだと思う。
 みんな、褒められて育ちたい。それは、30代だろーが40代だろうが同じで、もちろんその上の世代も、その下の世代も、みんな、褒められたい気持ちで溢れている。
 精神をすり減らすような教育に慣れて、それが良いんだ!、っと言っている行き遅れの教員ほど『いやー、やっぱり、先生みたいにきちんと言ってくれると、自分のモチベーションがとても高まります』とか言うと、子供みたいに嬉しそうな顔をするもんだ。

 いくら理三の子でも、どんな大御所の先生でも、まずは褒めれば、それが信頼関係の第一歩になり、きちんとしたやりとりのなかから、相手の悪い部分すら治させるようにできるのだ。
 褒められることに慣れていないことも多いから、少しでも褒めると、リアクションの仕方に慣れてない子たちも多い。そういう子には、とことん褒める。今まで褒められなかった分、褒め倒してあげなきゃ可哀相じゃん、ってね。

 無理矢理褒めるって、それはそれで技術だと思います。慣れないと難しいよね。
 例えば、

 ・応用問題をやってなくて、式を見て代入するだけの問題しかやってなくても、
 『おー、基本問題は、よくできてるじゃん。ちゃんと式を代入することができてる。最近、こういうことできない子も多いんだよ?あなたなら、ほんの少し考えれば、こっちもできるんじゃないかな。一問だけ、俺と一緒にやってみよーよ。』

 ・宿題のすべてを誰かのを見てやってきたことがわかったとしても、
 『とりあえず書いてはきたのね(笑)。友達のを見せてもらうってのは、大人もよく使う手段だし、あなたが想ってるほど悪い行為じゃねーからイイけどさ。ある能力が無いから、その部分は友達に頼る、って、Aグループの能力をとてもちゃんと使ってる、大事な手段。こういうことが一切できない子は、それはそれで困るからね。あなたはそれはきちんとできる。ただ、見してもらった子には、きちんと借りを返さなきゃダメだぜ?Cグループの子から搾取してんじゃねーだろうな?笑』

 ・何もやる気もなく、ただノートを取ってる子には、
 『ねぇねぇ、ちょっと筆箱見せてよ?おー、こんなに色ペン持ってるんだ。そうそ、みんなもそうだけど、無駄にカラフルにノート取るってのは、結構大事なのよ。やっぱノートも、キレイだね。ほら、こういう風に書いてね。』

 だってさ、二次方程式が解けなくたって、濃度の計算ができなくたって、関係代名詞が使えなくたって、別に、そこまで問題ないじゃん。(っと俺が言うことによって、お勉強できない子は救われるらしいし、お勉強ができる子には、もっと別の角度を要求していることになるから、コスパーが良いらしい。)
 よっぽど、言われたことを逐次的にできたり、友達に頼るだけの物腰の低さがあったり、ノートをキレイに作成できる能力があるほうが、繋がるでしょ?そこを認めてあげることで、辞めない、諦めないなら、その子たちが、本当の意味で、自然科学を理解したり、英語が好きになったり、論理的に考えられるようになったり、しうると想うんだよね。

 それで、それでも何も褒めるところが見つからなかったら、存在を褒めろ!
 『来てくれて、ありがとう』ってね。まぁ、これは、そうじゃなくても基本中の基本。

 無理矢理褒めながら信頼関係を得て、その関係性のなかで、本人にとってのより良き方面を選択肢として与える。
 そんなサービス精神こそが教育だし、今の教育に最も足りない部分なのだと思う。

 俺も、もっともっと、この能力をつけなきゃいけないし、それは、自分の生徒や後輩だけでなく、年上にも、すでにある信頼関係のなかでも、発現できるようにならなきゃいけないよね。
 「嘘はイヤ!」って思うなら、それは大いなる勘違いで、心のどこかで本当にそう想っていることを、言葉に出すか出さないかの違いだけなのだと思う。

伝説の教師 6-1  (参考は6:42~)
コメント
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