桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

上田大使のシャラップ!

2013-06-01 | Weblog
国連の拷問禁止条約委員会の日本審査の席で、日本大使上田が、なぜ「シャラップ!」と、2度も叫んだのか。
もしかすると、 俺に原因があるかも知れない。
日本政府代表として出席した法務省、警察庁、外務省の官僚は、日本には拷問的な取り調べは存在しない、と、嘘八百を並べた。
日本政府の答弁を録音して来た俺は、帰国して、2度ほど、その嘘を聞き直しながら、 あのときのことを思い出した。
警察庁や法務省が嘘を語っているとき、俺は、それを語る連中や、議長の脇に座っている大使を見つめた。広い部屋だから、上田大使の細かな表情までは判らなかったが、3回くらい目が合った。もちろん、ジーッと見つめてあげたし、法務省の役人などが嘘を語るたびに「バーか!」と、大きく口を開いて俺の意思を表した。大使の顔が赤くなったような気がしたが、恥を知れ!の思いを込めて、何度か大使の目を見つめながら意思を表した。
そして、最後の大使の挨拶になったらば、モーリタニアの委員だったかが「23日間も続き、弁護士の立ち会いも無い日本の取り調べは中世的だ」と批判したのに対して、「日本は先進国、中世ではない」と喚いたから、俺たちは笑った。笑ったらば、シャラップ!と来たわけだ。
公の席で、日本代表が「シャラップ」と言う侮蔑語を語るなど、最悪、最低だが、俺が挑発したのかも知れないよね。
もちろん、俺は大使を馬鹿と誹謗したのではない。政府役人の恥知らずな発言を誹謗したのだが、大使は、自分が馬鹿と言われたと思ったかなぁ。いゃあ申し訳なかった!反省!

何も変わらない

2013-06-01 | Weblog
民主党政権は、震災と津波の被災地に対して、何もできなかった、しなかった!と批判された。
昨年、自民党政権が復活して、それでは復興は進んでいるのだろうか。
人の心は移ろい易くて、もう被災地のことは忘れてしまったのかも知れないが、自民党政権が復活しても、殆んど変わりはない。
変わったことは、被災地の苦難が、余り報道されなくなったことだ。
安倍首相てマスコミのトップは、何度も会食しているようだが、マスコミは自民党政権応援団と化してしまい、批判的なことは報道しなくなったのだ。
もう福島原発も終わったかのようになってしまい、自民党は、堂々と再稼働を宣言する始末だ。
何も変わらないのに、変わったかのように錯覚して、また同じ過ちを繰り返すのだろうか。