桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

この程度

2013-04-24 | Weblog
平沼赳夫と言う国会議員の養父は、平沼麒一郎と言う検事総長や大審院長になった後、首相にもなった怪人物だ。平沼赳夫は、平沼麒一郎の兄の曾孫だったのが養子になったそうだ。
平沼麒一郎は、今の検察庁を作り上げた人物と言われてもいるが、あの犯罪組織を作り上げたのだから、平沼麒一郎も、経歴ほどに尊敬出来る人ではない。
赳夫も麒一郎に倣って右翼だが、今度の靖国神社集団参拝に混じっていたようだ。
まあ平沼家の血筋だし、好きにすれば良いが、国会議員としては認識に掛ける行動だろう。
今度の集団参拝では、その平沼に勝る欠陥政治家が、橋下徹だと判ったなあ。
靖国神社集団参拝で中国や韓国から非難されたのに対して、維新の会代表の橋下は「野党には外交責任がないから構わない」と語ったらしい。
確かに、政権運営をしない野党には、外交権がないし、その点では責任はないかも知れないが、国会議員とは国を背負って政治を行うのではないのか。
そこを理解しないから、橋下代表の言動は軽いのだと判る言動だったなぁ。

歴史観

2013-04-24 | Weblog
靖国神社に国会議員が大挙して参拝したらしい。
もちろん、中国や韓国は反発している?
靖国神社は、天皇のために死んだ人たちしか祀らない。「国のために亡くなった人たちに詣るのは当然」と、良く国会議員は語るが、残念ながら違う。天皇制国会に殉じた人しか祀らないのだから、あそこには「国の始めた戦争で犠牲となった人が、全員」、いるわけではない。
あの戦争を引き起こした天皇制国会に賛同した人、または誤動され、錯覚させられた人しかいないので、そこに政治家が詣るのは戦争を反省しないからだ、と戦禍を受けたアジア諸国が反発するのだろう。
今の政治家たちは、あの戦争でおいしい思いを味わった連中の子孫が多い。戦争の悲惨を体験しなかった輩の子や孫は、平和にボケて勇敢な言葉を語るが、日本の歴史は、絶対に戦争の惨禍を招かないようにすべきと教えていないだろうか。与党も野党も歴史観が歪み、政治家に相応しからぬ政治家が増えてしまったのは、一体、誰の責任だろうか。
人は妖しい存在だ。歴史に対しても、なかなか正しい認識を持てないことが多いけど、人の命こそ宝なのだから、せめて国会議員には、そこを誤らない歴史観を持って欲しいよね。

烏賊

2013-04-24 | Weblog
俺は烏賊が大好物だ。
特に、祭りの屋台で売っている焼きイカが好きで、毎年、水戸の黄門まつりで食べるのを楽しみにしてる。今朝の新聞には、イカ釣り漁船が、一斉に休漁だと出ていた。
何でも、アベノミックスで油の値段が高騰して漁をしても赤字なのだと言う。漁獲の収入に占める油代は、27%になると言うから大変だ。
安倍首相と自民党の、得体の知れない人気をマスコミは言うが、どこまで実態のある話なのだろうか。
昨日は、鉄鋼原材料の値上げもニュースになったが、産業の米と言われる鋼材が値上げになれば、必然的に製品の値上げになる。
アベノミックスで賃金が上がったり、儲けた人が、どのくらいいるのか知らないが、イカ釣り漁船の休漁は、事の始まりだろう。これから物価高が始まり、貧乏人は苦しむだろう。
読売、朝日、毎日、産経、各新聞社トップは、安倍首相と高級料亭で会食して親交を深めたようだが、マスコミが、時の政権と酒を飲んでるようだから、アベノミックスの本質も無視されるように、俺は思うが、貧乏人の僻みかな。
僻みでも何でも良い、烏賊が食べられるようにしろ、安倍首相!

園部典生検事

2013-04-24 | Weblog
布川事件の再審が開始されたのは、当時の水戸地検三席で布川の担当をした園部検事の功績が大きい。
再審請求書を提出したらば、程なく布川弁護団の一人を水戸地検に招き、「桜井は、初めからスラスラと喋ってるんですよ」と、ニヤニヤと笑いながら「録音テープ」を渡した。
この録音テープは、裁判で「そのような録音はしていない」と、警察官が偽証して隠していた物だった。
この録音テープが改ざんされていると証明されて、俺たちの「自白」は信用出来ないと判って貰えたし、当時の警察官の偽証も証明された。なぜ園部検事が自ら提出したかは判らないが、俺たちの訴えが正しいと判って貰えたのは、あの録音テープが開示されたお蔭だ。
園部検事には、もう一つ特筆出来る功績がある。
事件現場から採取された毛髪に付いて、裁判所に嘘の回答書を提出したことだ。検察は汚くて、無実が明らかになりそうな証拠は「不見当」(ふけんとう)と答えて提出しない。「見当たらない」と言う。「ない」と答えてしまうと、後で、あったことがバレたとき、嘘を言ったことになるから、見当たらないと言って責任回避した上、真実を隠してしまう。実に巧妙と言えるし、汚い。
ところが、園部検事は、存在する「毛髪鑑定書」を「存在しない」と、書面で裁判所に回答したのだが、その後、あることが判ってしまい、結局、嘘を言ったことが明らかになったのだ。この二つの出来事は、裁判官の心証に大きな影響があったはずで、その意味で園部検事は布川事件の勝利の功労者だ。
その園部検事の人事が新聞に掲載された。東京地検公判部長から東京高検公判部長に栄転していた。
関わりのあった人が、たとえ検察官と言え左遷と聞くのは気の毒。高検公判部長は良かったねえ、と思うが、正直に言えば、検察庁ってこの程度なんだなぁ!と思ったね。
園部さんも布川再審で学んで証拠隠し術が上達し、この昇進なのだろうか。