桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

統一球

2012-04-25 | Weblog
テキサスヒットと呼ばれるヒットがある。アメリカの大リーグとは違って力の劣るテキサスリーグの選手が打つ、外野手の前にポトリと落ちるようなヒットを言うらしいが、日本の野球を見ていて、良く俺は「テキサスホームランかょ!」とボヤいたことがある。
日本プロ野球は球の反発力が高くて、しかも球団ごとに使うメーカー球も反発力も違う始末で、誰でも簡単にホームランを打っていた。力のある選手は擦ったような当りでもスタンドまで届くので、見ていてウンザリした。
それが使う球が統一され、反発力も下げられたことで、昨年は劇的にホームラン数が少なくなった。これで良いと、俺は満足していたが、今日の新聞では「ホームランが減ってファンが喜ばないのでは」と選手会がクレームをつけたと報道された。
昨年、西武ライオンズの中村選手だけは、全く一昨年と変わらずにホームランを打ち続けたのだから、統一球の導入がホームラン数を減らしたことは間違いないにしても、それだけが原因ではあるまい。未熟なだけではないのか。ファンの思惑を理由に、また擦ってもホームランになるような球を求めるのかも知れないが、お門違いだ。中村選手のように技術を研けば良い。ホームランは野球の華とは言え、安っぽいホームランなど、俺は見たくもない。

歴史は繰り返す

2012-04-25 | Weblog
昨日、橋下徹が「大飯原発再稼働見直し申し入れ」とニュースになっている。「はしした」が動くと、何でも過剰に報道するねえ、マスコミは。あたかも橋下が原発に反対しているかのように報道しているが、全く違う。藤村官房長官が橋下が「対立」を装った対談の中で「国民の説得方法の話があった」と語っていた通りに、本音は「原発賛成派」なのだ。世論の風を読んでいるに過ぎない。
昨日、赤旗紙に「4年の実態にみる」とした橋下政治の4年を検証する特集記事が掲載された。
これを読んで、改めて橋下の政治は、少なくても貧乏人や弱者の力にはならないと判る。
この赤旗記事を読んで思い出したねえ、田中角栄の金権、金脈を追求した先端にいたのが赤旗だったと。田中角栄を「今太閤」と持て囃すマスコミの中で、赤旗と共産党だけが「小佐野賢治とつるんで違法な金権政治をしている」と批判していたが、今の「はしした」人気と報道を見ていると、あの時の角栄人気と報道を思い出さずにはいられない。
いずれ「立花隆」の出現によって、橋下政治の本質が暴露されて政治家としての賞味期限切れになろうが、歴史は繰り返すねえ。

月曜日の新聞

2012-04-25 | Weblog
熱海の宿で見た「朝日新聞」に袴田事件のことが書かれていた。
どこの大学だったか、鈴木と言う法医学者が「今度の鑑定結果は検察にとって痛くも痒くもないだろう」などと言っていて、この男も「御用学者だ!」と怒りを感じたが、帰宅して読み直してブログに書こうと思ったところが、茨城版には掲載されていなかった。地元・静岡の事件で地方版だけの記事だったようだ。
しかし、この鈴木、どうして今度のDNA鑑定結果を「検察にとって痛くも痒くもない」と言えるのか、全く理解できない。
袴田さんの犯行時着衣とされた衣類に、被害者のDNAが検出されないということは「それは犯行時着衣ではない」となる。
そうなると問題は、この衣類の中の「ズボンと一致する端布が袴田さんの実家のタンスから発見された」と言う事実は、一体、何を物語ることになるかだ。袴田さんを犯人とした判決は、このことをもって「袴田さんの実家からズボンの端布が発見されているから袴田さんの衣類」と認定している。当然の判断だが、「被害者のDNAが付着していないことから犯行時着衣ではない」となれば、「袴田さんの実家から端布が発見」されたことは整合性が保てない。誰が考えても「袴田さんを犯人とするために作り上げた証拠であり、袴田さんの実家のタンスに端布を仕込むデッチ上げ行為があった」と判るだろう。
このようなことが判る今度のDNA鑑定結果なのに「痛くも痒くもない」など検察を弁護する「鈴木」なる法医学者は「曲学阿世の輩」と非難するだけでは足りない、学問の衣を被った犯罪者と言うべきだろう。
犯罪者集団検察庁にして、この犯罪法医学者あり、と言うべきだろうか。