スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

大成建設杯清麗戦&アベマズのテンパイ

2021-11-15 19:27:56 | 将棋
 9日に指された第3期清麗戦五番勝負第四局。
 加藤桃子女流三段の先手で里見香奈清麗のごきげん中飛車。①-Aから先手が居飛車穴熊を目指すと,後手が飛車を6筋に転換して速攻を示唆しました。先手はミレニアムにして先攻。ただ銀と桂馬2枚の駒損の分かれとなってしまい,そこからは先手がずっと苦しかったようです。
                                        
 先手が飛車を3筋に回って後手が桂馬を跳ねて受けた局面。この時点でも後手の方がよさそうですが,先手にとってはここが最後のチャンスだったように思います。玉砕かもしれませんが☗3三同角成としてしまう方がよかったのではないでしょうか。
 実戦は☗6八銀と駒を使って受けました。☖4七馬☗3五飛としてから☖6一飛。この局面で☗3三角成とするのは,第1図で指すのと比べると明らかに損なので☗6七歩と打ちました。ただこの手は☖6六桂と打たれるのを防いだだけで,一手の価値としては乏しかったかもしれません。
 後手は☖7四歩☗8五金☖7三桂☗8六金と押し戻し,☖4一桂と先手の狙いを封じました。
                                        
 第2図以降は後手の馬も自陣に戻り,後手玉は不敗の態勢に。先手には勝負する手段もなくなってしまいました。
 里見清麗が勝って2勝2敗。第五局は17日に指される予定です。

 近藤が,パイレーツが順位の上昇を見込める手になっていると直観scientia intuitivaで認識したのは,パイレーツが4索を捨てた時点です。すなわちそれは,サクラナイツが4索を捨ててアベマズがそれをチーする前です。アベマズはそれをチーすることによってテンパイを果たしたのでした。つまり,パイレーツが4索を捨てた時点では,アベマズはテンパイを果たしていたわけではありません。したがって,パイレーツがどんな牌を捨てようと,それでアベマズに対して失点することはなかったのです。その状況において,パイレーツが4索を捨てたことをおかしいと認識したのですから,近藤はその時点でアベマズがテンパイをしている可能性があると認識していたことになります。そしてさらに4索をアベマズはチーした,つまりアベマズの手は明らかに進んだのですから,4索をチーしたところでは,アベマズは間違いなくテンパイしているだろうと近藤は認識していたことになります。
 著書によれば,このときのアベマズのテンパイは,3萬と4萬があって2萬か5萬で得点を獲得できる形になっているか,5萬と6萬を持っていて4萬か7萬で得点を獲得できる形になっているかのどちらかである可能性が高いと近藤は認識していたそうです。これは僕には謎です。僕はサクラナイツが4索を捨てたとき,もしアベマズがテンパイしていないとしたら,4索をチーする可能性が3分の1といいました。それは可能性としてある6つの形のうち,実際にアベマズの手の中にある筈の2つのうちの1つが,4索に関連していると思われるからでした。そのうちのひとつが消えましたので,残るは5つです。ただしそのうち,6索と7索を持っていて,5索と8索を必要としている可能性は,低減します。これは4索子をチーする以前に,5索と7索を1枚,6索を2枚持っているという形だと残るのですが,アベマズが手の中から3索を捨ててから2索を捨てていることから,そうであった可能性はあまりないといえるからです。しかし,3筒と4筒を持っていて2筒か5筒,6筒と7筒を持っていて5筒か8筒で得点を獲得できる可能性は,僕には否定することができないように思えるのです。
コメント
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