スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

竜王戦&能力の限界

2021-11-16 18:51:51 | 将棋
 12日と13日に宇部で指された第34期竜王戦七番勝負第四局。
 豊島将之竜王の先手で角換り相腰掛銀。この将棋は封じ手の前のところの先手の選択が誤りだったようで,2日目の午前中には不利に陥っていたようです。ただ後手の藤井聡太三冠が時間の切迫も相俟って最善を逃し,先手にもチャンスがある局面になりました。
                                        
 後手の飛車が成り込んだ局面。ここから☗4三桂成☖同玉☗5五桂☖同角と進みました。これは順当な進行でしょう。
                                        
 ここで☗3五桂☖5二玉☗5五銀と進めましたが,これが敗着となってしまいました。その局面は☖5六桂以下,先手の2二の歩が先手玉の逃げ道を塞いでしまっているため,詰みがあったからです。第2図で単に☗5五同銀と取っておけば,先手玉に詰みはありませんでした。この変化は感想戦で延々と並べられていて,はっきりとした結論は出なかったのですが,最善を尽くせば先手に勝ちがあったように思えます。
 4連勝で藤井三冠が竜王を奪取。竜王は初の獲得となります。

 僕にはアベマズのテンパイの形は4つにしか絞れません。ですが近藤は2つに絞っていたことになります。これは近藤がおかしな認識cognitioをしていたからではありません。そのことは,実際に近藤の推測が当たっていて,アベマズは3萬と4萬を持っていて,2萬か5萬で得点を獲得することができるテンパイになっていたという事実が何よりも物語っているといえます。つまり,僕には謎であるとしかいいようがない認識が近藤の知性intellectusのうちには発生しているのです。単純にいっても,僕はサクラナイツが捨てた牌とアベマズが捨てた牌および副露した牌によってアベマズがどのような形でテンパイをしているのかということを推論していますが,近藤はそれだけではなく,パイレーツの手の中とサクラナイツの手の中がどのようになっているのかということも予測した上で推論しているのは間違いなく,それだけでも僕の考察との差異は出てくる筈です。このあたりは僕の能力potentiaと麻雀のプロでありかつその場で打っている近藤の能力の差異というほかないのであって,近藤の認識がおかしいのではなく,僕の能力が足りていないということなのだと理解してください。
 これと同じようなことが,サクラナイツが4筒を手の中に残して4索を捨てたときにも生じていた可能性があります。すなわち,僕はその時点でアベマズがテンパイしていないのなら,4索をアベマズがチーする可能性は3分の1だといいましたが,やはり麻雀のプロでありその場で打っていた内川は,その条件の下で,4索をチーされる可能性についてもっと高いと認識していたかもしれません。要するに僕の考察というのは,麻雀のプロの知性のうちに発生する認識に対しては明らかに限界があるのです。なのでその点に関する僕の言及に関しては,そのことを前提とした上で理解してください。
 それではアベマズが4索をチーして以降の考察に入ります。
 この後すぐにパイレーツは8筒を引いてきました。これでパイレーツもテンパイを果たします。これは1索か9筒で得点を獲得することができる形のテンパイです。自分で引いてきた場合は32000点で,ほかのプレイヤーの責任だと12000点です。
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