スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典かきつばた記念&神の知性と人間の知性

2019-05-01 19:04:22 | 地方競馬
 第21回かきつばた記念
 エイシンバランサーは発馬直後に1馬身ほどの不利。一旦は先頭に立ったウインムートを外から抜き去ってゴールドクイーンがハナに。ウインムートとテーオーヘリオスが2番手。4番手にヤマニンアンプリメ。5番手はサクラレグナム,メモリートニック,リエノテソーロの3頭。8番手にキクノステラ。9番手にエイシンバランサー。10番手にサンデンバロン。11番手がスムーズジャズでブランニューは離されました。最初の600mは36秒0のミドルペース。
 ゴールドクイーンを追っていたウインムートは3コーナーを回って一杯。内からヤマニンアンプリメが2番手に上がり,それを追うようにやはり内からテーオーヘリオス。4コーナーではこの3頭の争いに絞られましたが,直線ではそれぞれの差がさらに開いていくことに。楽に逃げ切ったゴールドクイーンが優勝。ヤマニンアンプリメが2馬身半差で2着。テーオーヘリオスが3馬身差で3着。
 優勝したゴールドクイーンは昨年5月の葵ステークス以来の重賞2勝目。2歳から3歳にかけて芝の短距離で実績を残してきましたが,古馬を相手にするようになると苦戦が目立ち,昨年秋からダートに転戦。3戦目となる昨年暮れのオープンを勝ち,ここはそれ以来の実戦でした。そのときに負かした馬が今年に入って大レースでも好走していましたから,能力的には通用するというより上位の可能性もありました。今日は楽なペースでスピード能力を最大限に生かすことができたのが勝因でしょう。きょうだいに名古屋の地区重賞を勝っている馬が2頭いるので,そうではないかとみていましたが,やはり地方競馬に対する適性も高そうです。母の父はタイキシャトル
 騎乗した古川吉洋騎手はかきつばた記念初勝利。管理している坂口智康調教師は開業から2ヶ月で重賞初勝利。

 神Deusの知性intellectusが人間の知性の起成原因causa efficiensではないということは,神の知性は思惟の属性Cogitationis attributumの直接無限様態であり,神の本性essentiaそのものではないという点に留意すれば,容易に論証することができます。
                                   
 人間の知性は有限なfinitum知性です。よってそれは第二部定理九の様式で存在existentiaと作用に決定されます。つまりほかの個物res singularisの観念ideaに変状した限りでの神によって存在と作用に決定されるのです。これに対して無限知性intellectus infinitusはそれ自体で分かるように無限なのですから,有限である人間の知性の起成原因ではないのです。ただし,第二部定理九は,神が人間の知性を存在と作用に決定するということは認めています。第二部定理五第二部定理六から,人間の知性の原因が思惟の属性であるということは明白であって,それを具体的に示したのが第二部定理九であるということなのです。
 ここから分かるように,知性を神の本性に帰するというのは,スピノザの哲学の形而上学的背景に置き換えれば,思惟の属性と無限知性を混同するということです。本来は前者が原因であり後者は結果effectusです。別の観点からいうと前者は能産的自然Natura Naturansであり後者は所産的自然Natura Naturataなのです。このとき,人間の知性が結果でありまた所産的自然であるということは,知性が神の本性に属すると主張したとしても,つまり,神の知性と思惟の属性を混同してしまったとしても,スピノザの哲学と同様に説明されるのです。よってそれは,原因であるものと結果であるもの,あるいは能産的自然でなければならないものと所産的自然でなければならないものの双方に,知性と名付けていることになります。いい換えれば本性の上でも存在の上でも異ならなければならないものを,同じ知性という語で示していることになるのです。これはいわば知性という語の濫用にあたるのであって,スピノザの批判の主旨のひとつがこの点にあることは,すでに示した通りです。
 そしてこの文脈において,知性が神の本性に属するとすれば,知性,すなわちそれを構成する観念の対象ideatumとなっているものに対して,知性がその原因でなければならないのであるから,真理veritasもものの形相的本性essentia formalisも,知性のうちにあるがゆえにそのようにあるといわれていたのでした。
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