スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

大阪杯&憤慨と排他的思想

2018-04-02 18:58:57 | 中央競馬
 昨日の第62回大阪杯
 ヤマカツライデンがハナを奪い,1馬身半ほどの差をつけての逃げ。2番手にはダンビュライト。3番手にスマートレイアーとウインブライト。5番手にサトノダイヤモンド,アルアイン,ゴールドアクターの3頭。8番手にヤマカツエースとペルシアンナイトとシュヴァルグランの3頭。11番手にメートルダールとサトノノブレスとトリオンフ。後方3番手にミッキースワロー,後方2番手にスワーヴリチャード,最後尾にマサハヤドリームという隊列。先頭と2番手,後方2番手と最後尾以外にはほとんど差がない一団でのレース。前半の1000mは61秒1の超スローペース。
 向正面に入って外に出したスワーヴリチャードが徐々に位置取りをあげ,半ばからスパート。3コーナーではヤマカツライデンに並び掛けました。このまま雁行でコーナーを回って直線に入ると単独の先頭に。そのまま止まらずに優勝。スワーヴリチャードの動きに合わせてコーナーで外を回って進出してきた馬は直線では一杯。内を回り直線で外に出てきたペルシアンナイトが4分の3馬身差で2着。やはり内を回り直線でも内から抜けて一旦は2番手に上がったアルアインが半馬身差で3着。
 優勝したスワーヴリチャードは前哨戦の金鯱賞から連勝。重賞4勝目で大レース初制覇。大レースを勝つ力があるということは昨年から分かっていた馬。有馬記念は外枠に入って外を回って最後に一杯という負け方でした。ここも外枠を引いてしまったのですが,そのときの轍を生かすという意味ではかえってよかったかもしれません。前半は超スローペースで後半の1000mはいずれも11秒台というラップ。途中から動いていったわけですからいい脚をかなり長く使ったことになります。このラップからも非常に優秀な内容であるということは明白で,日本調教馬のトップに立つことが可能な逸材とみてよいでしょう。父はハーツクライ
                                     
 騎乗したミルコ・デムーロ騎手は全日本2歳優駿以来の大レース制覇。第48回以来14年ぶりの大阪杯2勝目。管理している庄野靖志調教師はJBCスプリント以来の大レース3勝目で大阪杯は初制覇。

 憤慨indignatioという感情affectusがいかに憤慨を感じている当人のうちで,正当化されやすい感情であるかということについてはお分かりいただけたものと思います。そして同時に,これが分かれば,僕がこの感情を排他的思想を産出しやすい感情であると考えている理由もお分かりいただけるのではないでしょうか。ある人間Aが感じている憤慨が正当であるとAによって認識されるなら,Aを憤慨させているB,いい換えれば第三部諸感情の定義二〇によりAが愛するCを悲しませたとAが表象しているBのことを,Aは不当な理由でCを悲しませまたAを憤慨させたと判断するでしょうから,自然の成り行きでつまりAの現実的本性actualis essentiaによってAはBのことを排除するようになるからです。これは第三部定理一三から明白であるといわなければなりません。
 僕はすでに,正当とか不当というのが,事物に備わった性質,上述の例でいえばBという人間に備わった性質であるわけでなく,Aの認識cognitioのうちにあるということ,なおかつAはただあるものについてそれを正当とか不当と判断するわけでなく,複数のものを比較することによって,初めて一方を正当,他方を不当と認識するcognoscereことが可能になるということを論証しました。よって,Aは自身の憤慨およびCの悲しみtristitiaを正当と認識するならば,必然的にBのことを不当と認識するようになるのです。正当と不当は比較の上で成立するので,もし一方が正当であると認識されるなら,他方は不当と認識されることになるからです。よって憤慨が正当化されやすい感情であるなら,憤慨の原因causaとなっている人間は不当と判断されやすい人間であるということも同じだけの事実なのです。したがって憤慨は憤慨の原因となっている人間のことを排除する,排他的思想を産出しやすいといえます。そしてこれは単に思想としてあるとは限らず,行動を伴うケースも往々にして生じるのです。
 スピノザは僕のように,憤慨を正当という概念notioから説明はしません。第四部定理四五で,憎しみodium全般のことをそれは善bonumではあり得ないといういい方で否定しているだけです。ですが,憤慨に関しても,僕がいっていることに近いニュアンスのことはいっています。
コメント
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