スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

竜王戦&都市

2015-11-21 20:28:00 | 将棋
 一昨日,昨日と穴原温泉で指された第28期竜王戦七番勝負第四局。
 糸谷哲郎竜王の先手で角換わりを目指しましたが,後手の渡辺明棋王が変化球を投じました。
                              
 第1図の△9四歩がそれ。△8五歩なら角換わり,△3四歩なら横歩取りになったでしょう。
 先手はこれに反応。▲5六歩と突き,△3四歩▲5五歩△8五歩▲7七角△6二銀▲6八銀△7四歩▲5七銀△7三銀▲5六銀△7四銀▲5八飛とすすめました。
                              
 中飛車にするのはいいと思うのですが,すぐに5筋の位を取って銀が5六まで出るのは序盤の構想としてはどうだったのかなと思います。この後,すぐに▲4五銀と出て5筋の歩を交換し,また5六まで戻って6四の銀と交換するというのもひどい手損で,変化球にうまく対応できなかったという印象が強く残りました。
 渡辺棋王が勝って3勝1敗。第五局は来月2日と3日です。

 スピノザとヨハネス・ファン・デル・メールのふたりきりで考えたのか,それとも第三者がいたのかに関しては,スピノザの書簡からは判断がつかないとしかいいようがありません。ですがマルタンの仮説を検証する目的からは,どちらであっても構わないでしょう。なぜならどちらの場合であれ,スピノザとメールが顔を合わせたことは確実なのであり,つまりメールがフェルメールであるのなら,スピノザとフェルメールは会ったことがあると考えなければならないことになるからです。
 メールが何者であるのかということ,あるいはマルタンがいっているようにメールをフェルメールと理解してよいのか否かは,スピノザが田舎で考えたといっている部分の方がヒントになるだろうと僕は考えます。テクストのこの部分は,単にふたりが会ったのはフォールブルフではなかったということだけを意味していると読解しなければならないとは僕は考えていないからです。
 スピノザはアムステルダムという都市出身者の立場として,辺鄙なフォールブルフを田舎と表現していたと推定できます。したがってまずこの部分が意味するのは,フォールブルフではなかったということよりも,田舎ではなかったということです。そしてスピノザにとっての田舎というのが都市との比較において規定されているのであれば,ふたりが会ったのは田舎ではなく都市であったと読解するのが妥当です。つまりスピノザとメールが会ったのは都市だったというのが僕の見解です。
 スピノザがフォールブルフに住んでいた時代に,だれかと会う可能性があった都市というのは,何度か出掛けていたアムステルダムか,そうでなければ近郊のハーグであったかのどちらかです。スピノザがアムステルダム出身者としてフォールブルフを田舎と感じたのであれば,アムステルダムであると考えられます。一方,オルデンブルクに宛てた手紙で,悪天候でハーグに行くことができなかったということで田舎という表現を用いていることからは,ハーグであると考えられることになります。僕はアムステルダムの可能性の方が高いと思っていますが,そうでなければハーグだったでしょう。
コメント
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