スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

天皇賞(秋)&編集者の配慮

2015-11-01 19:19:51 | 中央競馬
 フルゲートになり除外馬も出た第152回天皇賞(秋)。昨日のレースで福永騎手が落馬し骨折したため,カレンミロティックは吉田豊騎手に変更。
 主張したクラレントの逃げに。逃げが予想されていたエイシンヒカリは控えて2番手。発走後に争いが生じましたので最初は2馬身ほど開いてカレンミロティックとラブリーデイの追走。好位にディサイファ,サトノクラウン,ワンアンドオンリーの3頭。さらにアンビシャスとステファノスまで集団。この後ろが2馬身ほど開き中団の先頭にラストインパクト。ヴァンセンヌ,ダコール,ペルーサ,ショウナンパンドラ,イスラボニータと続きました。前2頭の並びが決まるとペースが落ち,最初の1000mは60秒6の超スローペース。なので馬群は向正面で凝縮。ヴァンセンヌは折合いを欠いて外を上昇しました。
 直線に入るとエイシンヒカリがクラレントに並び掛けようとしましたが,クラレントが粘り先頭に立てず。内を回ってエイシンヒカリとカレンミロティックの間を突いたラブリーデイが残り200mを過ぎてから内の2頭を捕えて先頭に。外の馬たちに差は詰められましたが,ゴールまで危なげなく押し切り快勝。2着争いは馬場の中央から外を伸びた4頭の争い。アンビシャス,イスラボニータ,ステファノスの叩き合いに大外から加わってきたのがショウナンパンドラ。中でステファノスが前に出て半馬身差で2着。ショウナンパンドラの追撃をぎりぎりで凌いだイスラボニータが4分の3馬身差で3着。ショウナンパンドラがハナ差の4着でアンビシャスはクビ差で5着。
 優勝したラブリーデイ宝塚記念を制した後,秋初戦の京都大賞典も勝ち,これで4連勝となる大レース2勝目。距離が短縮するのはプラスと思われ,不利にならない枠も引けましたので,最有力馬だろうと思っていました。半馬身差でも楽勝に近かった印象です。この距離なら能力が抜けていたと判断してよいでしょうが,距離が伸びればもっと差を詰めてくる馬も出てくるのではないかと思います。父はキングカメハメハ。母の父はダンスインザダークレディチャッターシャダイチャッターの分枝。
 主戦の川田将雅騎手が騎乗停止中のため騎乗することになった浜中俊騎手は先々週の秋華賞に続いての大レース制覇。天皇賞は春秋通じて初勝利。管理している池江泰寿調教師も秋華賞に続く大レース制覇。第144回以来の4年ぶりの天皇賞(秋)2勝目。通算でも2勝目です。

 遺稿集Opera Posthumaの編集者たちがフッデJohann Huddeに配慮を示したことは,むしろ遺稿集に掲載されたライプニッツGottfried Wilhelm Leibnizからスピノザへ宛てた書簡とスピノザからの返信によって明瞭にできると思います。
                         
 ライプニッツはこの書簡で,自身の光学の研究に対する評価をスピノザに求めたのでした。同時にライプニッツは,スピノザはフッデとも相識の関係にあるのだから,フッデの評価も教えてほしいと求めています。このときライプニッツは書簡と共に論文を送ったのですが,この論文は少なくとも2冊あり,その1冊をフッデに渡してほしいと依頼したことになります。
 スピノザは返信の中で,ライプニッツの求めに応じて1冊はフッデに送ったとしています。フッデからの返事,これはおそらくは書簡で,その場合はフッデからの書簡は最低でも6通あったことになりますが,その返事としてその時点では検討するだけの時間がないことと,もう少し時間が経てば暇になるであろうといったようで,このこともスピノザはライプニッツに伝えています。
 これはスピノザとライプニッツの間のやり取りですから,フッデがその内容を詳しく知っていたとは思えません。つまりこの中でフッデとスピノザに親しい交際があると書かれていたことをフッデは知らなかったろうと思います。よってフッデが編集者たちに,この部分を削除してほしいという依頼を,遺稿集の出版以前の段階で出すことはできなかったと思うのです。ですが遺稿集がラテン語で出版されたとき,フッデの名前は伏せられていました。これはさすがに編集者の配慮以外の理由を見出すことはできないと僕には思えます。
 スピノザの遺稿集にはラテン語版のほかにオランダ語版De Nagelate Schriftenもあり,1677年の暮れに同時に出版されています。このオランダ語版の方では,当該部分のフッデの名前が消されていなかったため,この2通でフッデについて語られていることが分かっています。オランダ語版の方に名前が出てしまったのは,編集者たちのミスであったと僕は考えます。ですがこういうミスがあったという事実は,ラテン語版で名前を伏せた編集者に配慮があったことをあからさまに示しているといえるでしょう。
コメント
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