初心者のための証券のある生活

豊かな生活を目指し、廣本修正のよくわかる “株・いろいろ”

PBRの留意点

2013-06-20 09:37:16 | 株・いろいろ
 ところで、PBRの計算に使用している1株あたり純資産は、

 帳簿価格、すなわち簿価ベースのものです。

 この簿価ベースの純資産と、実際の純資産の間には大きな開きがあるのが大半の企業です。

 企業の実物資産の中心は土地でしょう。

 わが国のデフレは長いトンネル内にあり、土地価格も値下がりが続きましたが、

 創立が古い会社ほど、所有土地価格は簿価ベースのそれを上回っています。

 この時価と簿価の差額を一般に「含み資産」と言っていますが、

 PBRが注目されてきた背景が、企業の物的資産価値を株価に反映させるという点にあったことから、

 この含み資産をも考慮した1株あたり純資産でPBRを見るべきだという声も大です。

 しかし、土地のみならず、含み資産の評価を個々の企業が行っていないこともあり、

 含み資産のあるなしを含めて、非常につかみにくいものになっています。

 PBRは、現実の収益力を高める基盤となるものがどれだけあるか、

 という収益との関係で、活用すべきでしょう。

株価純資産倍率(PBR)の見方

2013-06-19 15:05:07 | 株・いろいろ
 1株当たりの純資産は、会社の解散価値を示すものです。

 したがって、理論的には1を割ることはないのですが、

 現実には、(現在は「連結ベース」で計算されることもあり)

 1倍割れ銘柄はたくさんあります。現在の、

 東証1部全銘柄のPBRは、前期利益基準で1.21倍で、

 低い方から見ていきますと、

 1倍になるのは、なんと!923番目、で

 山崎製パン、サッポロホールディング他8銘柄があります。

 たまたま相場の位置が悪く、1倍を割っていても、

 つぶれる心配はなく、業績も回復・上昇の期待性があれば、

 中・長期の投資銘柄として妙味ありです。

 また、PBRもPERと同じように相対比較が必要です。

 市場全体の平均PBRなり、同業他企業との比較で、

 割安銘柄を選別することになります。

資産価値のモノサシ

2013-06-18 09:47:48 | 株・いろいろ
 株価収益率(PER)は、利益というフローの面に着目したモノサシですが、

 ストックをベースにしたモノサシが、株価純資産倍率(PBR)ですね。

 ストックとは資産価値、

 PBRは、Price Book-Value Ratio の頭文字です。

 フローの利益を生み出す源泉にもなる資産内容の優劣が、

 会社内容を見るうえで重要な要素になってきています。

 この資産内容を見る指標が、1株当たり純資産です。

 純資産というのは、会社の債権・債務を相殺したあと、

 最後に残る株主の持ち分(自己資本)です。

 この点に関しては、バランスシートの所を見てください。

 PBRは、株価 ÷ 1株当たり純資産 で計算し 

 〇倍で表します。

利益の伸びとPER

2013-06-17 10:30:22 | 株・いろいろ
 PERは、予想利益で計算すべきと書きましたね。

 ところで、“次期”予想利益は会社の発表数字を利用できますが、

 もう少し先まで、例えば:

 年5%は伸びる会社とか、年7.2%(これは10年で利益が2倍になる)伸びる会社とか、

 会社によって利益の伸びは違いますが、

 利益成長率の高い会社ほど高PERに買われていいはずですね。

 もちろん、“予想”は“予想”で確実ではありませんが、

 ある程度利益成長率がつかめれば:

 {Log(1+現在のPER×利益成長率)}÷{Log(1+利益成長率)}= 〇倍

 という計算で、

 株価予想収益率をはじくことができます。

 ちょっとややこしいことを書いてしまいました。

 変化の激しい現代の経済社会、ここまでやる必要はない?(笑)ですね。

 

 

PERの銘柄選別の手段

2013-06-16 10:14:42 | 株・いろいろ
 配当利回りは、一般金利水準などと比較できますが、

 株価収益率(PER)には妥当水準というものはありません。

 そこで、相対的な比較で割安か割高かを判断することになります。

 その第1はある銘柄と同業種の比較です。

 第2はその銘柄の過去のPER水準と比較して、

 現在が安値ゾーンにあるか、高ねゾーンにあるか見る方法です。

 同業種と比較する場合:

 東京証券取引所が毎月末現在で、

 連結・単体両ベースの規模別・業種別のPERを発表していますので、

 ( 個別銘柄PER ÷ 業種別PER )× 100 = % と計算し、

 買い余地があるかどうか見たらよいでしょう。

 ただし、PERは本来予想利益で計算すべきですが、

 東証の利益数字は実績を使っています。

 

株価収益率というモノサシ

2013-06-15 09:15:54 | 株・いろいろ
 配当金の増減は利益に左右されますが、一定の決まりはありません。

 したがって、利回りは必ずしも収益の実態を株価に反映させていませんね。

 そこで、配当の源泉となる利益と株価の関係を見た方が、

 より的確に株式の価値を把握できるとして考えられたのが、

 株価収益率(PER)です。

 株価収益率(PER)= 株価 ÷ 1株当たり利益 で計算し、〇〇倍 と表します。

 上の式は次のように書き換えることができます。(検算してみてください。)

 株価収益率(PER)= 配当性向 ÷ 配当利回り

 株価収益率(PER)は低いほうが買い余地があると言えますが、

 株価収益率(PER)が低くなるのは、

 配当性向が低いか、利回りが高い場合であるのは、上の計算式で分かりますね。

 この株価収益率(PER)を銘柄選別のモノサシとしてどう使うか。

 についてはまた。

安定配当について

2013-06-13 09:35:28 | 株・いろいろ
 投資家の銘柄選択の期待に“安定配当”がありますが、

 それを背景に?わが国の企業自体が従来から安定配当という考えがありました。

 企業の考える安定配当は、1株当たりの配当金を変更しない、というスタンスでしたが、

 最近は“株主還元”への考えから、むしろ“増配”を意識するようになっています。

 いずれにせよ、

 配当額を左右する収益見通しのもとに、減配不安のあるものは避け、

 “利益に比べ余裕を持った配当”をしている銘柄を選ぶことが必要です。

 この配当の行方を占う指標が、

 「配当性向」と「増益率」です。

 配当性向は利益に占める配当金の比率で、あまり高いのは心配ですね。

 増益率は高いほうがいい、当然です。

配当利回りはいま

2013-06-12 16:22:39 | 株・いろいろ
 配当金が欲しいから株を買う人は勿論ですが、

 配当金は多いに越したことはありません。

 いま、東証一部全銘柄の配当利回り(加重平均)は、

 前期実績で1.81%で、今期の予想は1.93%です。

 実績ベースで、高利回り順にみますと、

 上位50番目の企業で、4%以上です。

 異常値の企業もありますが、ずいぶん高いですね。

 銘柄選びで、高配当企業をさがすとき、

 自分の期待する利回りをまず決めて(例えば3%以上とか、最低2%とか)

 その中から、次のモノサシを当てるようにしたらどうでしょうか。

 次のモノサシはまた。

配当利回りについて

2013-06-11 09:44:08 | 株・いろいろ
 配当利回りは、

 ( 1株当たり年間配当金 ÷ 株価 )× 100 で計算し、%で表しますが、

 ◎「1年間に受け取った配当金」と「その株を1年間所有していた」ことですね。

 決算期末の1日だけ株を持っていたとしても、配当金は受け取れます。

 株を買って、1日だけ持って売った時に株価が下がっていなければ、大儲け?

 1日だけというのは極端ですが、

 所有期間がきちんと1年間というほうが少ないでしょう。

 こんな時の利回りは、「所有期間利回り」として計算されます。

 例えば、3月期末に1株5円配当する銘柄を300円で買ったとします。

 この銘柄を2か月後の5月末に売却したとします。そのときの利回りは:

 所有期間あたりの配当金は、( 5円 × 12か月 )÷ 2か月 で、30円です。

 その所有期間利回りは、( 30円 ÷ 300円 )× 100 で10%となります。

 さて、これは実績ベースの話で、株を買うときには、

 配当金はいくらもらえるのか決まっていません。

 そこで、“配当利回り重視”で株を買う時の配当金は、

 “予想配当金”を使うことが大事です。

 

 

 

モノサシが必要なわけ

2013-06-10 09:30:01 | 株・いろいろ
 いま、取引所に上場している企業数はどのくらいあるのでしょうか。

 東証の1部、2部、マザーズなどを合わせると2300社強。

 大証のジャスダックは900社弱。その他もあり、

 ともかく、3000社を超える企業が上場し、

 毎日売買されています。

 その中から、自分が期待する企業の株を探し出すのはタイヘンです。

 証券会社などの金融機関の人や、知人など、

 他の人に勧められて?選ぶとしても、

 自分なりのモノサシがないと、どのくらい良いのかわかりませんね。

 私自身、証券マン時代の経験からしても、

 「値上がり期待」が一番多かったのですが、

 中には、「売る気はないから、配当金が多くて安定していればいい」という人も大勢でした。

 この“配当金が多い”ことと“安定している”ことは大事です。

 これをどうやって知ればいいのかです。