浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

学校論その1 先生は大変だ

2011-02-18 09:28:53 | 日記
僕の仕事は教育関係で、主に私立高校(あとちょっと私立中学)が相手。

仕事してて僕自身も新たに知ることがあるわけで、そういう学校の事情とかって年頃のお子さんやその保護者の人、あるいはその中で働いている人(つまりは先生達)しかよく知らないんじゃないかと思う。

もし知っていたとしてもその双方の人々はインサイダーであるが故に限られた側面しか観られていないんじゃないだろうか。

ある意味、僕は片足はインサイダーでもう片足は民間企業の社員と言うアウトサイダー、そして少ないとは言え少しは「経営者」の人たちを顧客として仕事をしてきた経験がある。

だから学校という組織についてインサイダーの人が見ていないところが少しだけ見える、と言わせて頂いてもいいのではないかと思う。

もちろんインサイダーの人たちでなければ見えないところで僕に見えていないところはたくさんあるけど。

仕事が変わるこのタイミングで一度、僕の考えていることをちょっとまとめたいなと思ってます。教育関係で働いていると言っても経験なんてごくわずかだし非常に偏った意見だと思うけど自分なりの備忘録としてね。


まず、本当にこれは声を大にして言いたいんだけど「現場の先生たちは本当に頑張っています!」ということ。

昨今、教職員の不祥事がニュースになったりそうでなくてもどうも「子供達の素行や成績が悪いのは先生がダメなんだ」という風潮があるような気がする。

もちろん不祥事については弁護するつもりは僕も無い。罪を犯したのであればそれは誰であれ罰されるべき。でもね、一言だけ言いたい。先生以外の人が罪を犯す率と先生が罪を犯す率に差があるんだろうか?僕はそう思わない。多感な子供に接する立場だからもちろん罪はよくないけど、じゃあ子供に接しない大人(そんな人は厳密にはいないけど)は罪を犯してもいい、ってことじゃないでしょう。

そして「先生は怠けている」という認識があるとしたらそれは僕は断じて正しくないと言える。

もちろん中には怠けている人もいるだろうと思う。それだって一般企業でも怠けている人はいるでしょう。

少なくとも僕が見る限り学校の先生って、特に私立の先生たちって本当に大変だよ。毎日毎日、教壇に立って授業をする。「そんなの当たり前じゃないか」と思うかも知れないけど当たり前じゃないよ~、大変だよー。毎回毎回同じ授業をしていればいいわけじゃない。生徒はもちろん毎年変わるし教える内容だって、指導要領という教える指針が変わることがあるからその研究をしなければいけない。

授業が終わっても放課後には部活の指導がある。更には成績の悪い人向けに補習だってしなければいけない。「夏休みとかたっぷりあっていいよな」と思うかも知れない(僕だってそう思ってた)けど、夏休みだって勤務はするし部活や補習があったりする。

そして、これはご存じない人もいると思うけど私立の先生は一種の「セールス」もしなければいけない。つまり「外回り」です。

はっきり言って今、日本に「ほっといても毎年生徒が来る」という私立高校は数えるほどしかない。多くの私立高校は先生達が近隣の中学校や学習塾を回って「ぜひうちに」という「セールス活動」をしなければいけない。

僕の知っている先生達の多くはこのように本当に毎日忙しく働いている。はっきり言って僕の仕事も決して暇なわけではないけどそれでも観ていて「僕より働いているなー」と思ってしまう先生達だってたくさんいる。

給与だってもちろん「薄給」とは言わないけどそれでもがっぽりもらってるとは言い切れない。

そんな先生達の実態を知らずに「先生は楽でいいよな」と言う認識の上で先生を非難するのは僕は好ましいことではないと思う。知った上で「でも、こういうところはよくない」と言うのは必要だと思うけど。

(ただし、僕は公立高校の先生方についてあまり見識が無いんだけど、少なくとも僕が働いていた県立高校は結構、暇そうな先生達いた。。だから公立高校の先生についてはあまりはっきり言えないけどね~。)

もっとすっきりさせるつもりだったんだけどやっぱり長くなった…。

この話、折をみてまた続きます。