浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

おもしろうてやがてかなしき

2010-04-03 15:28:58 | 
いやー、ドッピオさんとの話は面白かったなぁ。

ドッピオさんも書いてますけど、昨日4時間くらい飲んでた会話の内容はこんな感じ。

「アメリカ映画→日本人にとっての母親父親観とは→天皇制と歴史解釈について→店員かわいい→痴女→右側通行→GW旅行案」

いやもうなにがなんだかどうでもいいですね。もし隣に一般人がいて我々の話を聞いてたらほんとこいつらどうでもいいな、と思ったことだと思います。

一軒目の店で話していた内容は前半、映画論が多かったような気がする。「ダークナイトのジョーカーはかっこいいし、本質的にバットマンとジョーカーは同じ存在だ」とか「スター・ウォーズにおけるヨーロッパ人の父殺しと楢山節考における日本人の姥捨てから考える比較文化論」とかね。酒さえ飲んでなければ論文が一本書ける内容でしたけどそもそも酒飲んでないとこんな話しないわけだから堂々巡り。

最近、僕が話す内容の元ネタは結構、町山智浩という映画評論家の本なんかから新しく知った知識が多いです。

著者の町山智浩という人は最近僕が好きな映画批評家。この人の映画批評は圧倒的な映画知識に裏づけされていて、しかもその知識というのがほとんどゾンビだのスラッシャーだの「B級、むしろZ級」という特異な人で聞いていて面白い。

その人のことを知らずに読んだのが「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」だったんだけど、これまた面白かった。

で、続編が出てたんだけどこれまた面白い。
アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲 (SHUEISHA PB SERIES)アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲

どういう本かと言うとカリフォルニア在住の著者の目から見た現代アメリカ。しかも単なるアメリカではなくてかなり変な、かなりおバカなアメリカ。今回はスポーツ中心に。

どのくらいおバカかと言いますと…

・筋肉神話を妄信し、ステロイドを使いまくる一般人。その数なんと約30万!

・自分の娘をチアリーダーにさせたくて朝から晩まで練習させる母。なれるなれないでライバルの母を殺す事件まで起きてる。→ちなみにチアリーダーになれたとしてもキャリアのトップはアメフトチームのチアリーダー。30歳で引退させられるが娘のその後の将来については何も考えてない。

などなど。

「アメ半(=アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らないの略、長いんだもの)」もそうだったけど読んでると最初は「バッカだなー」と笑える。

誤解の無いように言っておくと僕は決してアメリカだけをバッカだなー、と思ってるわけじゃない。そりゃ日本だってある側面ではバッカなところもある、そりゃもちろん中国だってイギリスだってそうだろう。国なんて結局は人間の集まりで一人の人間だって素晴らしいところとおバカなところがあるから愛しいわけでね。

ただこの本を読んでいると、そんなバカな国が(一応)世界一の国と思われてたり、(事実上)世界通貨を握っていたり、ましてや「世界の警察」を自称していたりするこの世界のことを考えてしまって、少し空恐ろしく思えてくる。

おもしろうてやがてかなしき、というのはこういうことです。
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