浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

テレビの黄金時代

2006-03-27 22:51:30 | 
僕はいま、ちょうど三十歳で同じ年代の人がほとんどそうであるように、
完全に「テレビっ子」として育った。
テレビのない家に育った友人なんていなかったし、
小学校か中学校の時代にはほぼ「一部屋一台」の時代
だったと思う。

1960年代から放送作家として
テレビに関わった著者が記した「黄金時代」

テレビの黄金時代 小林信彦


ありがちな「昔は良かった」あるいは「業界裏話」かと
思っていたら違った。
著者も言っているけどもテレビ屋ではなかった人の視点から
冷静に「あの時代」というのを描いている。
僕はぜんぜんリアルタイムではなくて、本の最後のほうに
ある、「それ以後のテレビ」(ひょうきん族など)の時代だけど、
それでもどんどん盛り上がっていくテレビというメディアを
一生懸命みんなが作っていた、というのはわかる。

一つの「文化史」

とはいえ、時代が僕にとっては古すぎたので、星二つ★★☆☆☆

夜のピクニック

2006-03-27 12:47:42 | 
第二回本屋大賞受賞。
ある高校の行事、1昼夜かけてただ歩くだけの「歩行祭」。
その一晩の話。



出ていたのは知っていたし、いろいろなところで
「いいよ」という話は目にするのだけど、
「うーん、まぁ文庫になってからでいいか」と思っていた。

ところがあるとき、この本の題材になっている「歩行祭」が
本当にある高校の行事で、しかもその高校、というのが
水戸一高だと言うことがわかった。

僕は茨城でもかなり千葉よりで、同じ茨城とはいえ、
水戸とはかなり文化圏が違う。
それでもなんとなく親近感が沸いたので買ってみた。

うーん、いいですね。
あまり落ちがない単なる青春ストーリーかと思っていたのだけど、
きっちりと起承転結のある、すばらしい話だった。
歩いていく風景がなんとなく、わかる気がする。
(同じ茨城、というだけなんだけど)

何よりも「ただ歩くだけ」という舞台がすばらしい。

博士の愛した数式といい、「本屋大賞」にははずれがないですね。

青春時代の四つ星★★★★☆

第三の時効

2006-03-27 07:05:03 | 
ちょっと時間をつぶす必要があって、新宿の紀伊国屋で購入。
第三の時効 横山秀男


この人の「半落ち」が面白い、と薦められていたんだけどまだ未読。
時間つぶすには短編がいいかな、と思って。

F県警という警察署の強行課の1、2、3班という組織のシリーズ。
ひとつひとつの事件が良くできている(と言うと変だけど)し、
それに絡む人間ストーリーも秀逸。
表題作の「第三の時効」それと「ペルソナの真実」という
短編が良かった。

「半落ち」も買ってきました。

三ツ星★★★☆☆