浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

「はずれ」な店

2006-02-14 23:31:34 | 食べ物
想像してみていただきたいのですが。

大阪駅近くの裏通りにある寂れた韓国料理屋。寒いのに2、3人が入り口の外で並んでいる。ちょっと看板を見るとどうやらキムチチゲの店らしい。一人前1000円程度。ちゃんと石鍋で出している。


入ってみるとカウンターがほぼ満席。キムチチゲにテジ(豚)カルビ焼きがついたセット(1,050円)を頼んでみる。来たのは、ぐらぐらに煮立ったキムチチゲ、韓国海苔、生卵(割ってチゲに入れる)、ナムル、キムチ、テジ(豚)カルビ焼き、そして石鍋で炊いたご飯。


申し分ない、と思うでしょう?

残念ながら僕はもう行かないと思う。

結構、出張先で一人でぶらぶらとおいしいお店を探すのが好きだし、多分慣れもあると思うのだけどおいしいお店を探すのが上手い。「はずれはないの?」と聞かれるけど、答えは「もちろん」。はずれの定義は人それぞれだと思うけど、僕が「はずれだなー」と思うのは主にこの三つ。
①おいしくない。
②接客が悪い。
③一人飲みに適していない。
もちろん、接客が悪くて、おいしくない、というのも有るけどね。
このうち、③はそんなに問題ではない。「今度だれかと来よう」と思えるからね。問題は①と②。まず①のお店というのは問題外。最近はあまりないけどね。そもそもおいしくなかったらお店を出さないんだろう。僕自身もそんなにグルメじゃないからたいていおいしいし。となると多いのが②ということになる。

冒頭で挙げたキムチチゲ屋は、味は確かにおいしい。寒い冬なんかに飛び込みたくなるね。酒も置いているからチゲとビールなんてたまらないはず。でも残念ながら接客が良くなかった。時系列で書いてみる。

まず、店の前で待っているのにこちら(お客さん)が声をかけないと反応しない。普通だったらお客さんが並んだ時点で店員が「すいません、満席なんです、お待ちいただけますか?」とか声をかけるべきじゃないですか?
次に、待っている間ほったらかし。五分に一度でも「すいません、なかなか空かなくて…寒い中すいませんね」といわれるだけでも待っている身としてはありがたい。
そして、席が空いたにもかかわらず声を掛けない。たぶん何かしら理由があるんだろう。まだ片付けてない、とか。それでも待っている身としては、「俺忘れられてるのかな」と思ってしまう。

やっと入れたら入れたで、キッチンの人は明らかに動きが悪い。調理するたびに何かを探し(「えーっと菜箸はどこだっけな…あれ、お玉は?」という感じ)、ウェイターは同じ場所を行ったり来たりしている。そういう店員を店長(らしき人)はたびたび注意をしている。というか、そういうのはオープンする前にやってくれよ、はやく俺のチゲ!と思ってしまう。

そして僕より後に頼んだ人の注文が先に来る。どうも回りの人を見ていると、「普通のご飯」と「石鍋ご飯」で時間が違うらしい。考えてみれば当たり前だけど、ほかの人には「石鍋ご飯ですと15分くらいかかりますがよろしいですか?」と聞いている。僕は座ってすぐ注文をしたので聞き逃したのだろう。でも確認のために聞いて欲しかった。

そういうもろもろのことがあって、もうこの店には行かないだろうな、と思っている。もしかしたら今日突然いつものアルバイトが風邪を引いて急遽代打の人ばかりだったのかも知れない。でもそんなことは僕にはあまり関係ない。好きな店には非常に寛容だけど、一度落胆してしまった店には徹底的に冷酷なのだ。僕はね。