柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

7つのデス・ケア ⑦喪のケア

2009年08月08日 | 葬儀の世界
7つのデスケアも最後になりました。

(7)喪のケア
 遺族のグリーフ(死別の悲嘆)は四十九日が過ぎたから、一周忌が過ぎたから、三回忌が過ぎたから、と皆が同じように回復するものではない。
グリーフプロセスは人によって異なる。
 遺族のグリーフワークの第一歩は死の現実を受け入れることである。このためにはきちんとした葬式、四十九日などの法要は有用である。
 そして悲しみを充分に表出することである。大切な人を喪ったのだから遺族が嘆き悲しむことは極めて自然な人間的なことである。葬式のみならず、遺族が悲嘆を表出することを阻害してはならない。
 死者を忘れることが回復なのではなく、遺族が死者を心の中できちんと価値あるものとして位置づけること、つまり死者との人生をいい思い出として位置づけることが重要なことである。
 法事の援助、本位牌の手配、仏壇の手配は、とかく葬祭業者の営業行為になりがちであるが、遺族の喪の仕事であるグリーフワークを援助するものとして必要なこととの認識が必要だろう。
 例えそれが簡易な仏壇であろうと、遺族は毎日その前で死者を想起し、対話できる。自分が一人ではないことを認識する。そのための有用な道具となりうるのである。
 ケアとはその人の身になって行うサポートである。遺族はそれぞれ抱える問題はさまざまである。その個別の遺族の身になって、どのような個別のケアを提供できるかが問われるであろう。故人の尊厳、遺族の人格を尊重し、その人の意思に沿った、そしてその人のために有用なケアを提供することこそ、これからの葬祭業に求められることであろう。(葬祭ジャーナリスト碑文谷創氏著)



これからは私の意見です。

葬儀の担当になると、最低でも3日間は遺族とお付合いをします。
葬儀の準備をするには、遺族から故人の人柄や、生活観や家族との関わりや
色々な話を聞き出します。
葬儀の打合せで見積書に書いてある事しか聞かないのでは
より良い葬儀は出来ません。
自然と家族の想いも感じ取ってきます。
それを踏まえて葬儀の準備をするのなら、遺族にとって葬儀場は
当然心地よい空間となるのです。
遺族が担当者に信頼を寄せてくださった時、葬儀スタッフとしての遣り甲斐も感じます。その関係が出来たなら葬儀が終わっても、遺族が気になるものです。
位牌や仏壇や法事のお世話で足しげく通ううちに、伝わってくるのが遺族の
悲嘆なのですね。
私たちは、医者でもなければカウンセラーでもありません。
立ち入った事はできないけれど、遺族の話を聞いてあげる事はできるのです。
また、声をかけて差し上げることも出来るのです。
それだけでも、大きな効果があります。
痛む心を抱えている時に、優しい一言は安心や癒しを与えます。
故人の話を一緒にしてくれる人って、そうはいないものです。
遺族は感嘆や悲しみを、簡単には打ち明けませんから。
悲しんだ現場を見ていた担当者なら、安心して話がしやすいのかも。

葬儀社は喪のケアをするには最適の距離にいます。
「葬儀が終わったのに、声をかけたら迷惑だろう」なんて思い込まずに
遺族を接して欲しいものです。
いつまで?
そうですね、私は遺族から返事が返って来ている間は続けます。
年に1、2回でもいいんです。
そのうちに元気になると、自然と疎遠になるものです。
そうなれば、もう役目は終えたナーと思っています。

忙しくてそんな時間はない・・・・
そう言われてお終いの様な気もしますが・・・
葬儀社は毎日、仕事をしている訳ではありません。
絶対に暇な時があるものです。
1遺族に電話をして「お元気ですか、チョット気になって」と話すのに
10分あったらOK ですよ。
1時間あれば6人に電話が出来ます。
もっと簡単なのは、ハガキです。
裏面に「夏ですね!暑さに負けないで下さいね!」と書いて送るだけで
気遣いを感じさせます。
ただし、印刷したものではダメですよ。自筆です。

葬儀スッタッフが「そうしたなー」って思ったら
この仕事に遣り甲斐を感じている証拠じゃないかしら・・・ね!





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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして? (ともちゃん)
2009-08-09 15:07:08
今日、某コミュニティでの勉強会に参加したものです。
映画「おくりびと」で、今後自分も絶対に関わる葬儀というもの、またそれを扱う業界にもちょっと興味を持っていましたので、勉強会に参加させていただきました。
思った以上に興味深いお話をたくさん聞かせていただけてとても満足して帰宅しました。
こんな身近なところに、こんなすばらしいお仕事をされている方がいらっしゃったなんて。
ブログを最初から読み始めましたが、まだまだ読み切れません。
今日のお勉強会でも、何度も涙が出そうになってしまいましたが、ブログの方でも涙が出てしまいます。
また2週間後のお勉強会が楽しみです。
よろしくお願いいたします。
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Unknown (kayuchan)
2009-08-09 16:47:51
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また、お目にかかりましょう (shibata)
2009-08-09 22:07:58
有難うございます。
今日伺って、良かった!
私も皆さんがとても熱心に聞いてくださったので、いいご縁が出来てよかったと思っていました。頂いたコメントで又頑張れます。
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