柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

多死時代の死に場所

2020年09月25日 | 老後
2025年問題をご存知かとますが
団塊世代とよばれる人たちが2025年に75歳を迎え
後期高齢者人口が2200万人になると言われています。

国民の4人に1人が後期高齢者という割合です。
この状況が2040年頃まで続くと言われています。

日本が今まで経験していない医療、介護、社会保障など
多くの問題を抱え始めるのが2025年ということです。

国民の意識調査では
あなたの望む死に場所は?の問いに「自宅」
あなたはどこで最期を迎えると思いますか?の問いに「病院」
と答える人が多かったのですが・・・

現在の状況を見てもコロナ対応ですら病院数は足りず
本来診るべき患者さんの診察にも大きな影響が出ています。
2025年から増大する終末期の患者さんに対して、
受け入れる病院の増加は見込めず
医師や、看護師の数も足りません。
もともと病院は患者さんに治療をするところであり
看取りの場所ではないのです。

介護施設も介護士待遇などの問題もあり
介護士は常時不足しています。
すでに入所している高齢者の介護、看取りでも大変でしょう。

そうなると
本来、高齢者が望んでいた「自宅」が最期の場所という
選択が多くなってくるはずです。

今は高齢者所帯が多く
自宅で迎える終末期の介護役は配偶者というわけです。
当然、配偶者も高齢ですから、家族や親戚、
ケアマネージャ、ヘルパー、訪問診療、訪問看護師、薬剤師など
多くの手助けが必要になってきますし
チーム体制で自宅の介護、看取りをサポートしてくれます。

お一人暮らしの方でも、家族がいない方でも
同様なサポートが得られるので自宅で最期を迎えることは可能です。

でも、私たちは人の死に慣れていないので
病院のように医師や看護師がいない自宅での看取りは不安だらけですよね。

考えてみれば
私の祖父母や、それ以前の人たちは
ほとんどが自宅で亡くなっていました。

お産も死も家の中での出来事だったのですから
治療が必要でなくなり、人生の最終段階を迎えた人を
自宅で看取る覚悟が必要になりますね。

延命措置の希望では大半の人が
「自然に逝きたいから延命措置は不要」と希望しています。
人生の最終段階を迎えた人に必要なのは
治療ではなく見守ることでしょう。
気持ちを掛ける事でしょう。
これは、家族だからこそできることですね。

でも、その知識も心構えも持ち合わせていない私達です。
高齢者や重篤な病人を抱える家族は
人の死に行く過程を学ぶ機会を持ちたいものですね。






最新の画像もっと見る