38歳からの百姓志願~実践編。

霊峰・石鎚を仰ぎ、瀬戸内の陽光を望む愛媛県西条市、「有機菜園 藤田家族」無農薬・無化学肥料の野菜と暮らし。

人参に、翳り。

2007年02月07日 | 農と暮らしの日記
2種類の人参。左半分と右半分で異なる。
右が7月に播いた人参で、ほぼ収穫は終わっており、取り残したなかで大きめのものを選んで引き抜いたもの、左は8月に播いて、1月が収穫の最盛期だったけれど、いまは大きめのがなくなり、間引き漏れでまだ込み合っているところから大きめのを引いたもの。

ひと月の差ながら、育った環境の違いなのだろう、姿がまったく異なる。
いずれも最盛期の外観(サイズや肌の美しさ)からはかなり劣っているけれど、とくに小さいものを除いては「定価」(藤田家族の)で販売するレベルには入っている。味の違いは正直なところ、よくわからない。先週くらいまでは、人参は無尽蔵に畑から取ってこられそうなくらいだったのだが、さすがにそろそろ下り坂に入ったようだ。



新聞やテレビで、野菜の「産地廃棄」見直しのニュース
とくに暖冬の今年は、キャベツや大根がトラクタで潰される様子がテレビに頻繁に登場したらしい(うちはテレビがないので見てないが)。それに対する消費者の批判が例年になく大きかったとかで、農水省がその改善を検討しているとのこと。

規模が違うし、国の要請ではないけれど、うちでも畑で野菜を廃棄する。
たとえば昨年の春に作ったリーフレタス類初夏頃のキャベツは、作っただけの量を売ることができず、最後はそのまま花を咲かせてしまったり、次作の準備のためにトラクタで潰したりした。この冬も、早い時期に播いた大根は売り先がないまま大きくなってしまい、いまは畑でバケツのように太くなっているものも多い。

これらの野菜を生かす手だてはあるか。
ニュースで報じられているような「家畜の餌」とか「新たな加工品の材料」とかに「有効活用」せよ、と言われたら、僕はかなり困るだろう。その手間がないし、行き先の確保がままならない。だからといって、「キャベツと白菜、大根それぞれ3つずつ」の野菜セットを届けることなど思いもよらない。キャベツや白菜、大根などがスーパーの店頭で安く売られているとき、「産地廃棄」の映像を思い起こして「しばらく魚や肉や豆腐は我慢しよう」と、1週間分の食材にキャベツ3つ、白菜3つ、大根3本を買っていくお客さんはどれくらいいるだろう。



今日も朝のスーパー、保育園、昼の生協出荷はいつも通り。
明日は恒例の「花薬師」に出店のため、朝と昼の出荷ぶんをまとめて午後に収穫し、晩ごはんのあともしばらく調製・荷造り。

それにしても気温が高い。
この数日は、日中、ジャケットを着て畑を動いていると暑くてたまらないので、すぐに脱いで長袖シャツ姿になってしまう。軽トラで街を走っているときも、陽射しだけで暑いので、窓を開けてちょうどいいくらい(エアコンは使わないので、真冬でも窓はたいてい少し開けている)。

明日は夕方か夜に雨の予報。
すでに「暖冬」は去り、野の風は”暖春”の兆し。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする