見た試合についての感想文、続けます。
矢吹正道の弟、力石政法はOPBFスーパーフェザー級王座をKOで防衛。
相手のトムジュン・マングバットは、ランクこそ低いが、いざ動いたら数字よりだいぶ良い選手に見えました。
長身サウスポー力石は、右リードでしっかり突き放し、とはいかないものの、動きで外し、左アッパーや右フックを当てる。
もう少し突き放したり、足を使えたりすれば安定はするはずで、力石の外見を見ればそれが良いとは思いますが、確かデビューの頃はライト級だったものを、一階級下げて闘い続けていることもあり、そういう余裕が持てるコンディションではないのだろう、とも。
それでも一打の威力、切れでマングバットを上回り、4回、左アッパー決まって、右フォローの間にマングバット、ダウン。
強烈なKO勝ちでタイトル初防衛となりました。
恵まれた体格にパンチ力もある長身サウスポーで、これでアウトボクシング基調のスタイルが練れてきたら、強豪居並ぶライト級上位陣に、名古屋から割って入れるタレントであるはずが、プロ三戦目で敗れた坂晃典への雪辱を目指すと公言し、そのために一階級下で頑張っている。
しかし自身のベスト、最高の技量力量を発揮するには、コンディション面でやはり限界があるなあ、と見えた勝利でした。
しかも来月、同じプロモーションで日本チャンピオン、坂晃典の防衛戦が決まっていて、この先に坂との再戦が既定路線になっている?となれば、まだしばらくこの「無理」が続くのか、と思って、心配な気持ちにもなりましたが、試合後の報道ではライト級への転向を表明したとのことです。
率直に、その選択は吉だと思います。確かに心情的には無念なのかもしれませんが、あの恵まれた体格ひとつ見ても、ベストコンディションでそれを生かすべきでしょう。
上記のとおり、ライト級は上位陣が強敵揃いですが、今後の成長次第で充分可能性はあると見ます。
問題は、その辺とのマッチメイク、対戦が、現状のプロモート体制でかなうものなのかどうか、その一点でしょうか。
大きな可能性を秘めた素材だと思うので、もう数試合の後、違うプロモート体制を選んで、大物相手に勝負、というのが良いのかもしれませんね。