ということで東海地方在住の友人の好意により、
田中恒成デビュー二戦目の映像を見ることが出来ました。
相手は13勝(5KO)6敗2分、WBAミニマム級12位、
小柄なサウスポーのロネル・フェレーラス。
デビュー戦に続き、またも世界ランク二桁台の相手でした。
前回のオスカー・レクナファに比べると、あれよりもさらに少しだけラフな感じでしたが、
田中恒成はまたも速いステップで動き、ジャブから入って距離を取る。
フェレーラスが来たら即座に右ストレート。基本左に回って、右へ巻き戻し。
距離が詰まったらアッパー、そして左へ。という繰り返しが基本でした。
フェレーラスは懸命に左を狙い、ラフな攻撃も交えて食い下がりますが、
6回にボディを攻めた以外は、田中恒成の動きを止められず、ヒットを重ねられていました。
田中は左回りのあと、右への巻き戻しの動きのときに、相手から遠ざからずに動いて、
そこに接近されて、相手が手数を出してくると、ガードを絞って止まる防御をしていて、
あれは今後、気をつけた方がいいとは思いましたが、それ以外は常に先手で、
右ストレートを上下にリードし、速いサイドステップで躱し、という形でクリアな勝利でした。
フェレーラスに関しては、実力的には若干、レクナファよりは落ちるかもしれませんが、
前回の試合の時にも書いたとおり、井上尚弥がデビュー戦、2戦目でやった相手よりも
レベルの高い体力、耐久力のある選手でした。
そういう相手に対し、本当に高校を卒業したばかりの18歳とは思えない落ち着きぶりでした。
技術がどうという以前に、心身共にしっかり鍛えられていて、筋の良さが感じられます。
高校ではあの石原英康氏の指導を受けたとのことで、浮ついた印象が無いのは、その好影響なんでしょう。
練習も、おそらく相当厳しくやっているのでしょうね。この辺り、井上にも通じる安定感があります。
課題としては、井上の持つ、一打の決定力にはやや欠ける印象です。
これは相手も違うし、そもそも井上が特別過ぎるので、一概には言えませんが。
あと、終始、目の辺りを気にして、顔をしかめるような仕草が見られましたが、ちょっと気になります。
しかしこの試合でも、田中恒成の逸材ぶりは随所に見られました。
以前、井上尚弥のことを辰吉丈一郎と比較して、あれこれ思うところを書きましたが、
この選手はかつて、間違いなく中部地区のボクシング史上、最高の逸材だった
現役時代の畑中清詞会長に匹敵するか、ことによるとそれ以上か、と思うほどの選手です。
何も先を急ぐことはない、じっくりキャリアを積んで、本当の意味で贅沢な育成路線を採るに値する選手だ、
と思うのですが、まあその辺は実際どうなるか、今後の成り行きを見るとしましょう。
ということで動画紹介しておきます。
おそらく早期に消されるでしょうから、お早めにご覧ください。
ついでに以前、速攻で消されたデビュー戦も紹介しておきます。
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