さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

「世界」王者が激戦を制す エストラーダ、元王者にTKO勝ち

2020-10-24 21:38:46 | 海外ボクシング



ということで、年末にかけての生中継洪水が始まりました。
メキシコのライバル対決、前回は僅差だったファン・フランシスコ・エストラーダvsカルロス・クアドラスの再戦、DAZNでライブ配信ありまして、楽しく見ておりました。
まずは経過から。



序盤、クアドラスは雪辱に燃えているのが伝わってくる、積極的な仕掛けでスタート。
ジャブを突き、後続の右を狙って攻める。
しかしエストラーダは冷静で、打ち終わりを小太刀のような左フックカウンターで「チェック」する。

するとクアドラス、少し攻め手を変えて右から入り、左フックを返すパターン。
この「入り」の右が、時々アッパーになる。
2回終盤に一度見せたこのコンビ、これだけでは当たらんやろうと思ったら、左から右のボディブローを「捨て」ておいて、エストラーダの防御を動かしたあとに出すと、エストラーダの読みを外す効果があり。
3回終盤にこのパターンが決まって、エストラーダがダウンしました。


効いていたかどうか、何も無いとは思えなかったエストラーダですが、4回からジャブ、右クロス、左ボディと繰り出して前に。逆にクアドラスを下がらせる。
立ち上がりから濃密な攻防が続いていましたが、この「逆襲」を受けて、クアドラスも応じ、中盤はさらに激しい攻防戦。
王国メキシコのトップ同士、両者のプライドを賭けた、レベルの高い打ち合い、外し合いが続く。
しかし、やはり要所でエストラーダの方が正確で、鋭く打てて、防いでもいる印象。


5回、クアドラスのジャブに右ショートクロス。また、ジャブを外して左アッパーも。
終盤、左のチェックフック、右クロスを続けてヒット。
6回、エストラーダ左アッパーの上下、共に決まる。クアドラスの低めのガードを突いて、右ストレート。

7回はクアドラスが際どく右で迎え撃ち。足で捌きつつ、右左右のスリーパンチ。
エストラーダ追い上げ。左フックと頭が同時にヒット、クアドラス顔をしかめる。

8回、クアドラス踏ん張って右当てるが、防御のスピードが落ち、頭が前に出始める。ボディを打たれたダメージか。
エストラーダ右カウンターから攻勢。
9回、10回はエストラーダ、ボディに追撃。クアドラス足とジャブ、手数で粘る。

しかし11回、エストラーダの右カウンターから追撃、最後は左フックから右アッパーがかすめた?形で、クアドラスダウン。
追撃の右カウンターで二度目、さらに再開後も手を出して粘り、レフェリーストップを回避しようと必死でしたが、やはり連打に捉えられ、ぐらついたとことでストップとなりました。



ボクシング王国メキシコ、といっても、最近はあれやこれやと碌でもない奴ばかりで、何が王国や、落ちたもんやなと思うばかりでした。
しかし、かの国においても「最後の砦」的に目される、というエストラーダと、雪辱に燃える(天才肌の)元王者クアドラスの、レベルが高く、激しく、安易に間を外さない闘いは、やはり王国の底力か、と改めて思い知らされるものでした。
言うても詮無い事ながら、お客さんいないのもったいない...と。


この115ポンド級は、対戦も噂されて久しい井岡一翔と田中恒成がいますが、残念ながらというか、今日の試合はWBC、というより「世界」スーパーフライ級タイトルマッチ、と目すべき試合はこれだ、という納得感がありました。
もちろん、井岡と田中が闘わば、これと同じく、或いはそれに近い納得感が残るかもしれませんが、世界の目は、という点も含めると、やはりその勝者が「挑む」べき対象は、エストラーダその人である、と思います。
また、その一戦の先に、そのような話が語られ、実現してほしいものだ、とも。



しかし、久し振りに、これぞメキシカン、という好ファイトをしみじみ見たような気がします。
こういうのを生中継で見られるのだから、やはりDAZNさんはありがたいなあと、安易に思ったりも。
先日、日本のDAZNが出した予定について書きましたが、今日の試合後に出た、現地のテロップによれば、ホワイトvsポベトキン再戦、ジェイコブスの試合、ライアン・ガルシアvsルーク・キャンベル、ジョシュアvsプーレフもライブ配信予定でっせ、とのことでした。
ひょっとすると、中にはWOWOWが「持っていく」のもあったりするんでしょうが。


なんか、最近はサッカーの方で大変な事が起こったらしいですが、ボクシングに関しては、妙に?充実していたりします。
まあ、素材があるから流してるだけ、なんでしょうけども、なんかもう、変に力入れられるより、その方がエエわ、みたいに、こちらの構えも変わりつつあり...(笑)。


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ということで、一曲。
Duran Duran “White Lines” です。









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2 コメント

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Unknown (アラフォーファン)
2020-10-25 12:28:57
素晴らしい試合でしたねー。ロマゴンの精確さは健在ながら、やはりこの階級での限界も見えつつあり、そしてこのお二方は素晴らしかったです。ただクアドラスはスピードも軟らかさもあり、強いのですが、回を重ねるとディフェンスの粗が見え、安定感でエストラダが上。まあそれを突けるエストラダがすごい訳で、いずれにしてもさうぽんさんや私たちファンの望む、アルファベット抜きの世界戦でした。
DAZNね、サッカーファンもありがたいと見てましたが、欧州チャンピオンズリーグというファンに取り、最大のコンテンツが見れる、と喧伝しといて、木曜あたりに何の知らせも無しに見れなくなったんですよね。しかも今も知らせ無し。これはいくら何でも酷すぎますよ。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2020-10-27 08:42:43
>アラフォーファンさん

クアドラス、気が入ってるときはやっぱり、なかなかのものやなあと感心しました。他の相手だったら、そうそう負けるものではないでしょうが、そこは流石エストラーダ、というところでしょう。同感です。
サッカーのチャンピオンズは、私のような者でさえ、大会が押し詰まってきた頃合いになると、何度かフルで見ようと試みる(途中で寝ることも多々ありますが)くらいで、サッカー好きの皆様にとっては一大事でしょうね。
しかし、コンテンツの削減もさることながら、聞けばdocomoユーザーが対象の視聴料割引きが、この9月で「継続契約者」のみになった、というのも大問題のように思います(いったん解約して、再加入したら、割引きなし)。よほど苦しいのか、それともそもそもそういう商法だったのか。まあ、以前何度かボクシングの配信でも「やらかし」た際の対応などを見ても、我々が思うような規範意識を持った企業でないことだけは確かですね。海外ボクシングの配信は、少なくともこの年末までは「目白押し」と言える状況なんで、当面継続はしますが、こちらとしても色々承知の上で、ほどほどにお付き合い、というところですね。

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