さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

井上尚弥、早々に走り出す 転級後のWBO1位も事実上確定

2022-12-21 08:55:08 | 井上尚弥

バンタム級完全制覇から一週間、井上尚弥、早々に走り出す。





ここ最近、年二試合ペースを「堅持」していて、それはボクサーとしての商品価値が高まった故の、ビジネス面での事情でもあり、同時にボクサー年齢、という話で言えばもう若くない井上尚弥自身も、コンディション面を勘案し、それを受け容れているのかと思っていましたが、先の試合後は、来年は三試合したい、と言っていたようです。
そういう思いもあって?早々に、軽くではあるのでしょうが、もう走り出すようですね。


で、対戦相手は当然のこと、スーパーバンタム級になるのですが、こちらの杉浦大介氏の記事に、リングマガジン122ポンドのランキングボクサーを中心に、まとめて紹介されています。ありがたや。



ざっと見て、当然最有力候補であってほしいスティーブン・フルトンが、WBCフェザー級暫定戦、対ブランドン・フィゲロア再戦、という、従来の価値観で言えば筋を外した両天秤話に傾いているのが、どうにも鬱陶しいです。
井上尚弥が愚直に、馬鹿正直に階級最強を目指しても、手持ちの選手を囲い込みたいPBCの思惑と、それをいいことに好待遇を得つつ、自身の体重調整についても最適解を見出したい、というフルトンの「都合」が、「すんなり」な話の実現を阻みそうですね。


で、WBOはバンタム級新王者となった井上を、スーパー王者に認定
こちらはこちらで...当然、各団体とも、スーパーバンタム級において「ウチに来て欲しい」のでしょうが、WBOにはこの面白い制度があるんで、話が早くて結構、ですね。
日本が加盟して以降の、軽量級マーケット開拓を目的としたWBOの「営業」は、実に積極的ですが、対象が井上尚弥ともなればなおのこと、って感じです。


とにかく、フルトンがすんなりフェザーに転じ、王座返上となれば、空位決定戦が組みやすいのはWBO、というのが明確になった、と思います。
で、井上がWBO1位にいきなりランクされれば、従来1位だったライース・アキームとの対戦、となりそうです。
ことによると挑戦者決定戦か、暫定王座決定戦という話になるかもしれませんが、井上がそれを嫌えば、他のタイトルへの道を模索することになります。
しかし、WBA、IBF王者ムロジョン・アフマダリエフは、マーロン・タパレスとの指名試合があります。
井上が年三試合を希望通りに闘おうとするなら、タパレスに待ってもらって先に挑戦、という交渉が可能かどうか、ですね。



まあ、結局のところ年二試合ペースになりそうやなあ、と早くも諦観が勝つ話ではありますが...何しろ、誰と闘うことになっても、井上尚弥122ポンドの闘いを見る楽しみに変わりはありません。
ドネア戦では怖いくらいの切れ味が見られましたが、バトラー戦は相手のドン引き戦法があったにせよ、やはり118は厳しいのだろうなあ、と感じました。
122ポンドで、良いコンディションを作れたとしたら、井上尚弥が過去の転級でその都度見せてきた衝撃的な「新生」ぶりを、また違う形で見られるのではないか、という期待があります。
ついに階級の壁、体格差による難しい局面に井上が突き当たったとしたら、その時に彼が、どんな姿を見せてくれるのだろうか、という興味も含めて。


しかし、本当にフルトン、予想外の「立ち位置」をとったものですね。
次はフェザーでやるが、王座返上はしない、とは、いかにも今風、今時の処世術で...良いボクサーだとは思いますし、井上との対戦、第三者的にも興味深いですが、その反面「しょうもない奴や」という思いもあります。残念なことですが。



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3 コメント

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Unknown (海の猫)
2022-12-21 18:03:35
他の大手と絡みたがらないのはどこも一緒ですが、特にPBCはその傾向が強く、さらに他の主要選手に嫌がらせのようなこともするのですよね。

願望抜きに見たら、フルトン戦実現は極めて難しいのですが、それでも諦めきれないのは、このWBOシステムがあるのと、フルトン自身が井上と対戦したがっている?ように思える点ですね。もともとフルトンは、井上については聞かれたら答える程度でしたが、体格差もあり本気で自信ありそうですし、最近は「イノウエから逃げた」と言われるのを非常に気にしてますね。外堀埋めたらひょっとして、と思いますが、自身の希望を通せるようなスター選手ではないのでどうなるか。あとフルトン、交通事故に巻き込まれたそうで。幸い怪我はない?ようですが、詳細は分かりません。

アフマダリエフは、タイミングが合えば組めると思うのですが、直近の写真を見たら、大分ふくよかになられていて。こっちはこっちで大丈夫なのかなと。しっかりキープして、井上とやるまで評価を落とさないで欲しいのですが。
返信する
Unknown (宇弓)
2022-12-21 18:07:40
しかし井上ももう試合翌日には、
来年は3試合、早ければ次戦は4月にもとか言ってたわけで、
これってある程度、何らかの道筋があって言ってるんじゃないんですかね??

だって何の当てもない単なる個人的な願望を、あんなに具体的に勝手に言わない気が・・・
もう世界中から注目され、そんな無責任な立場でもないことは、本人もよく分かってるでしょうにと(類推笑

しかももう1週間でラントレも始めてるとか言ってるわけで、
確かに本気で4月にやると言うならば、もう3か月ちょっととかで、
下手すりゃ年明けすぐにでも、試合発表とかしないと間に合わないわけで、

・・・これは、
WBO2位のネリーあたりを、向こうでボッコ凹にしちゃえば、
巨大なメヒカン市場も取り込んで、まさに黄金のパック・ロードが開かれるのにって感じですが(墨笑

ネリーならSバン転向初戦でも、別にフィジカル負けもせずに調整相手にちょうどいいし、
・・・なにしろメヒカン客以上に、いまだに毛嫌いしてる日本ファンもなんだかんだ言っても超燃えでしょうし(和爆

・・・てか今のSバン近辺ってば、
ホントにネリーくらいしかメ、ヒカンの有名どこがいないんですよね。
最近なんかメヒカン勢も、カネロさま含め全階級的にあんまパッとしないよなあと(墨悶
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2022-12-22 08:43:30
>海の猫さん

PBC、変に、というとアレですが好待遇で、しかも大所帯で、発足当初からの独自性もあって、いまだに得体の知れないところがありますね。フルトンの意志に反して、という面も、確かにあるのかもしれませんが。ブログに書いたことにひとつ追加すると、やっぱり井上が122ポンドでどんな感じなのか、実際に一試合なりとも見てからにしたい、のかもしれませんね。交通事故、フルトンもですか。日本と違って飛ばせますから、危ないですね。アフマダリエフもまあタパレスに負けはしないでしょうが、案外勝ち味が遅く、地味なイメージではありますかね。評価、というと高いことに違いは無いですが。彼も井上とやるなら来日しかないでしょうが、米国でファンベースがあるでもないのに、少ない試合数で世界戦が組まれたのを見るに、バックアップ体制自体は強そうで、なかなか簡単ではないかもしれません。円高が収まってきたのは良い話かもしれませんが。


>宇弓さん

もちろん実際のところなど知りませんが、会見を通じて井上「側」が、大橋会長に要求している、という部分もあるのでは、と思ったりもします。或いは井上自身が試合後の高揚そのままに語っただけのことなのか。そりゃ、一番良いのは双方に目算あって、というパターンですが。はてさて、ですね。
ネリーとやるなら、大橋会長は当然日本でやりたいでしょうね。それこそ3万人想定でドーム球場が使える興行になるか、と思うくらいです。配信もPPV行ったろか、ってなものかもしれません。コミッションが状況をどう整理するかを含め、現時点では難しいわけでしょうが。業界のご都合に沿って動くのが組織としての宿命であるJBCとて、これはさすがに難題に過ぎる...と、普通のアタマではそう考えるしかありません。しかし...どうなりますかね。
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