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さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

先制攻撃かなわず倒される 小國以載、驚きの初回KO負け

2024-10-13 23:23:24 | 小國以載



えー、どの試合から、どの興行から感想書いて行けばいいのかわかりませんが、とりあえず今日は昼間のU-NEXT配信、トレジャーボクシング興行について。


小國以載の試合は、デビュー以来かなりの数を見ています。
初めて直に見たのは、OPBF王座獲得のロリ・ガスカ戦で、そこから遡って過去の試合映像もいくつか見たし、それ以降の試合は全部、です。

その中で、今回のように先制攻撃を仕掛けるスタートをした試合は、あまり無かったと思います。
開始20秒かそこらで、早々に右ボディストレートを連発し、左ボディアッパーも。
ボディ攻撃で相手を抑え込み、力を削ごうとしたのかもしれませんが、その狙いはWBO9位のナミビア人、カシメロを苦しめたこともあるフィリップス・ンギーチュバの左フックによる迎え撃ちでダウンを喫したことにより、裏目に出ました。

立った小國ですが、ンギーチュバの右クロスを食い、左を返され、二度目のダウン。
カウントを冷静に聞いてから立った小國、再開後自分から打っていき、左フックが良いタイミングでヒットする。

しかし追撃は連打では無く「ラッシュ」。上体が前に出て、いつものようにしっかり決まった身体の軸を回すフォームは影もない。
これでは少々当たったところで効かない。
ンギーチュバ反撃し、右で小國をロープに飛ばし、連打して最後は左フック。小國の腰が完全にロープに落ちて、レフェリーが止めました。


短くも壮絶な闘いでしたが、何から何まで、これまで見た小國以載の試合ぶりとは違っていて、唖然となってしまいました。
何故、相手が元気な序盤の内から、あんな風に打ちかかったものか。
ボディ攻撃の威力で先制したかったのかもしれませんが、それにしても攻撃が無闇に連続していて、相手を見ずに次、また次、と続ける。
そこをンギーチュバにしっかり打たれてしまい、その先もまた、勇敢ではあるが無謀でもある、という闘い方でした。

実際どうかなど知り得ませんが、さすがの小國以載も、何らかの理由で、自身のコンディションに限界を感じ、あのようなスタートを切らざるを得なかったのでは、というくらいしか、想像しようがありません。
試合の度にどのような苦境にあろうとも、果敢に懸命に、自身の力を出し切って闘うボクサー、諧謔の言とは真逆の、青白く燃える闘志を心中に秘めた小國以載にも、遂に「時」が来たのだ、ということなのかもしれません。

先日、和氣慎吾も引退を表明しましたし、岩佐亮佑も既に、解説席の人となっています。
彼らと小國の試合を会場で見た記憶は、それぞれに鮮烈なものでした。何だか寂しい気持ちになった次第、です。



京口紘人はビンス・パラスとのラバーマッチ、でいいんですかね、前回と違って被弾も多いが積極的に攻める、という試合運びで、判定勝ち。
ひとりドローがいまして、2-0でした。
序盤はこのまま打ち勝てるか、押し切れるか、という期待をもって見られましたが、パラスの耐久力を突き崩すだけの攻撃、その質量が、今の京口には足りていないらしい、という現実が見えた中盤から終盤にかけては、激しい打ち合いに目を引かれつつも、心配な気持ちが勝つ、そんな試合でした。
それがフライ級に適応し切れていないからなのか、或いは寺地拳四朗戦において、ボクサー京口は燃え尽きたと見るべきなのか...安易に言えはしませんが、いずれにせよ、現状では、この上の話となると、明るい展望が見えた試合ではなかったかな、と思います。
もうちょっとパンチの向き、角度に鋭さが欲しいなあ、と思うことが多かったですが、それはやはり、フライ級ではなかなか難しいことでもある、のでしょうか。


谷口将隆は、タイの大ベテラン、パイ・パーロップに6回TKO勝ち。
111ポンド契約というのは、あまり聞いたことの無い数字ですが、谷口は据わりの良い攻防を見せて、クリアに打ち勝ちました。
今後は大きな試合を、という旨のコメントが出たようですが、世界云々ということになるのかどうか?
本来、今回対戦の噂もあったジェイソン・バイソンと、次の試合で対戦するのかな、と思ったんですが、そうではない可能性もあるんでしょうか。
何しろ谷口、引き続き好調でした。今後楽しみですね。


メイン、と呼称するのも馬鹿らしい「最後の試合」は、ジョンリエル・カシメロがサウル・サンチェスを初回TKO。
試合後に大喜びしたり、まだ井上尚弥戦希望を語ったりしていましたが、傍目には鼻白むばかりでした。
伊藤雅雪がどういう断を下すのか(或いは下さないのか)が全てですから、私が何を思おうと関係ないんですが、まあこれ以上何しても無駄だと思いますね。

何しろ、最低という言葉も追いつかん、下の下やなとしか言えませんが、最高だったのは解説の岩佐亮佑ですね。
座右の銘は「思ったことはそのまま言う」だそうですが(ホンマかおい)、実に素晴らしい。拍手です。
現役時代もその素質と才能に大きな期待をし、見ていたボクサーですが、解説者としても、さらなる飛躍を期待したいです。いやホンマに。


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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (R45ファン)
2024-10-14 08:24:53
まだ一年ちょいですがもうこの興行危うくなってますね。計量?関係ないなどと日本のリングでぬかすあたり、伊藤氏が舐められている証拠でしょう。こんな明らかな事故物件を看板にしたのがそもそも大間違い。はっきり言うとガンです。切除しないと侵食されますよ。

さて、本当に小國さんがあんな戦いするとは思わなかったですね。私もおっしゃる通りあれしか手立てを見出せないくらい小國さんの状態が思うに任せないものだったと推察せざるを得ないです。

京口さんも明るくないですね。かつてより足の動きが衰えてませんでしたか?頭は勤勉に動かそうとしてました。ただ踏み込みや横へのステップが遅い気がします。
多分ユーリ君には勝てない、ケンシロウさんも復活の兆し見えたので難しいでしょう。

となるとこのプロモーション、誰かネクストスターの発掘が求められますが、いまだに伊藤氏が、カシメロと井上尚弥様が関わると面白いというような話したあたり、先は無さそうですね。日本はそんな平然とルール犯す輩なんぞ求めちゃいません!
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Unknown (モノクマ)
2024-10-14 09:22:48
小國の負け方は悲しいと言う感想でしかなかったです
散るとしても、オーソドックス相手に巧さと戦術で勝負した上での体力負けや反応が遅れての負けなら仕方ないと思えるのですが...今回の作戦は奇襲や特攻をかけるとしても、駆け引きそのものは見えず小國らしさが全くなかったですね
さうぽんさんの感想通り、あの方法でしか今の小國の状態では勝ち筋を見つけられなかったと納得するしかないです

京口は今回とフライ級に上げてから何戦かあったアウトボクシングも踏まえると、この階級ではLフライ級のスタイルが通用しづらくなっていると見て良さそうですね
ロマゴン、比嘉、京口のようなスタイルは相手との体格差が顕著に現れやすいと思っていましたが、京口は思ったより早く階級の壁に当たった印象です
ロマゴンや比嘉のように中間距離の勝負を磨くのか、アウトボクシングに活路を見出すのか、今後どうするのでしょうね
返信する
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2024-10-15 14:14:34
>R45ファンさん

昨今この手の者が増えて来ましたが、計量関係ない、はまた一段上の大技です。ライアン・ガルシアと同レベルですね。伊藤雅雪はそれでもまだ「切らない」判断をしたようです。出資者の意向に逆らえないだけかもしれません。生きるのは難しい、というところですかね。
大橋会長も明確に峻拒するコメントなどは出さないだろうな、と想像します。相身互い、ですからね。とはいえ、是非どうではなくて、怖くて使えないでしょうが。またリザーブ用意してまでやるわけもないでしょうし、ネリーと違って、どれだけがんじがらめにして見張って、とやっても、それでも「やらかす」かもしれないですから。
小國に関しては同感です。あまり言うことも残っていないですね。いつもとは違う形でしたが、小國は彼なりに「やりきった」のでしょう。そこに関して彼を疑うことはこれまで一度もなかったし、今回も同様でした。
京口は右のパンチひとつとっても、相手の身体の軸に向いた軌道のものが減っていますね。階級上げて強く打とうとするのは、パワーに自信が持てていない段階にある証拠でしょう。よくある落とし穴ですね。階級を上げた後は、より力を抜いて、正確なパンチを数多く打たねばならないのですが。あの強打で鳴らした柴田国明でさえ「三倍(手を)出すよう心がけた」というくらいですから。
ただ、挑戦者としてピックアップされる可能性はなしとも言えないかも、です。過去の言だと、日本人の王者と闘う際はタイトル持った者同士で、とのことでしたから、それに従えばIBF王者に挑む?でも、それがまとまらなければ、選り好みも言ってられないでしょうしね。


>モノクマさん

基本、相手見てから立つのが小國ですから、あのパワーヒッターみたいなスタートにはびっくりしました。しかも相手が格下ならともかく、ンギーチュバですからね。ええ?と驚いていたらあれよあれよと色んなことが起こり、すぐに試合が終わってしまいました。
京口に関しては、三階級目のフライ級で、通じたパンチや攻め口、アッパー多用の攻撃がなかなか効果を上げにくいと見えます。むしろ前回のパラス戦でやっていたボクシングの方が、フライ級における最適解に近いのかもしれません。それを負けと判定されたことを受けた今回の内容を見ると、ひとつの判定が京口のキャリアに、単なる勝ち負け以外のところで大きな影響を与えた、と言わざるを得ません。影を落とした、と言い換えても良いかもしれませんね。
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