さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

悪気も悪しき意図も見えぬ、しかし強烈なバッティング 和氣慎吾、悲運の2回KO負け

2024-08-28 01:20:04 | 関東ボクシング



Leminoフェニックスバトル、サウスポーのサバイバルマッチは、中嶋一輝が和氣慎吾を2回KOで下しました。
しかし、残念ながら、悔いの無い決着にはならず、でした。

初回、今まで以上に筋骨逞しい中嶋に、スラリとした和氣。強打で迫る中嶋、足で捌き、速いパンチを返す和氣。
サウスポー、KOパンチを秘めるという以外は、色々と対照的な両者の攻防。

しかし2回、中嶋が出て和氣が迎え撃ち、1分8秒くらいのところか。
互いにミスブロー、と見えたのだが、パンチが当たっていないのに「ゴッ」と鈍い音が聞こえる。
両者もつれて、中嶋が軽く膝をつく。ところが再開直後、和氣の足がよれて、身体を支えられず右に傾く。
中嶋が攻めて、右フック強打。和氣、両足がよれたかと思ったら突っ張る。俗にいう「グロッギー」な状態。

あ、さっきのやつ、やっぱりアタマや、とここで気付きました。

中嶋左から右ボディ。和氣もつれて膝をつく。ノーダウンだがダメージありあり。
中嶋左の強打を上下に打ちわける。この辺は倒す段になったときの「倒し慣れ」。和氣クリンチも出来ず、背中からキャンバスへごろりと倒れる。
カウント進み、和氣が立つがレフェリーがストップ。和氣はしばしのち、キャンバスに座り込みました。


映像を見返しましたが、中嶋が左、和氣が右フックを振って、互いにミスした直後、中嶋の頭が下から和氣のアゴの辺りに当たっていました。
中嶋に悪気も、悪しき意図もないと見えた、しかし和氣に深刻なダメージを与えたバッティング、かなり強烈でした。

あれで和氣がすぐ大の字にでもなっていれば、レフェリーもそれと気付いたでしょうが、当たったときは死角になっていたのかもしれません。
また、このサバイバルマッチに並々ならぬ意気込みだったろう両者、当然和氣も簡単に倒れず踏ん張ってしまったのが、災いしました。


試合後、KO勝ちにもかかわらず喜色満面という様子ではなかった中嶋も、その辺に引っかかりがあったことでしょう。
和氣はというと、この一戦に賭けた思い報われず、余りに残酷な形での敗戦に、悲嘆に暮れる、という様子。
それでも両者、最後は健闘を称え合って別れました。この辺りは本当に、見ていて頭が下がる思いです。ことに和氣の心情を思うと。


勝った中嶋には、試合後、挑戦状を持参した辰吉寿以輝との対戦という、新たな話題があるとおり、さらなる闘いへの道が続きます。
しかし敗れた和氣慎吾、今度こそ?進退を問われるかもしれなかった一戦において、この結末はあまりに非情なものだと言わざるを得ません。
今後、いったいどういう心境で、どういう決断を下すものか...普通なら試合内容から見えたものを元に、ああでこうでと傍目の勝手を書きつらねるところですが、この試合ばかりは...何ともつらいことになってしまいました。残念です。


コメント (12)
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