日曜日、DAZNとWOWOWで配信、放送された二興行は、アンダーカードもあれこれ見どころあって、こちらも楽しく見ていました。
まずはDAZNの方から、簡単に感想。
セミセミで、空位のIBF130ポンド、ジュニアライト級のランカー対決がありました。
4月のランキングで4位の英国、マーティン・ウォードと、5位の南ア、アシンガ・フジレ。
1位シャフカッツ・ラヒモフと3位尾川堅一が、7月にもUAE、ドバイで空位決定戦を行う(はず)で、そこで決まる新王者に、次に挑戦するのはどちらなのかが先に決まる、という、なんだか妙に忙しない試合です。
英国や欧州圏でなら、タフネスと強打で相当ブイブイ言わせてそうなウォード、相手が違えば強いだろうなあ、と思わせましたが、南アのゴールデンボーイ、快速サウスポーのフジレが、見過ぎでブーイング食らう立ち上がりから、徐々にスピードアップ。
目で外す防御、正確な右リード、繋ぎの間を詰め、異様に速い踏み込みで打つワンツー上下、同じ肩の位置から打ち分ける左のアッパーとフック。
どれもこれも、異名通りの逸材ならではの「仕業」ばかり。
4回、ウォードの出鼻に、振りの小さい、右の「チェックフック」を決めてダウンさせる。
5回、リスキーな打ち合いもスピードでまさり、6回、左フックカウンターでぐらつかせる。
7回、両者の足がぶつかって、ウォードが左足を痛め、バッティングもあった後に、右フックで倒しTKOという流れは、ちょっと残念な部分もありはしましたが、内容的には、フジレの才能がふんだんに見られるものでした。
以前見たラヒモフ戦では、色々疑わしいところだらけの相手に、若さ故にか熱くなり、こちらもラフな行為を見せた挙げ句、集中を切らしたか、まともに打たれて敗れましたが、その才能は実に印象的でした。
今回も、若い才能にありがちな悪い対応...受け身になって、相手の要らない手数を出させたり、サウスポーの利を無視して、正対して打ち合ったり(速いから事なきを得ていますが)という「粗」も散見されましたが、それもこれも含めて、普通とは違うレベルの逸材だな、と思います。
とりあえずDAZN公式ハイライトがありますんで、ご紹介。
尾川堅一がもし戴冠なれば、この選手が日本で見られるのかもしれない?のだとしたら、けっこう楽しみに思ったりもします。
センスではだいぶ差がありそうですが、尾川から見れば、若くて迂闊なところもある今のうちに、というところでしょうか。
この選手が、良くも悪くも、冷静な試合運びを覚えてしまったら、ちょっと始末が悪いでしょうね。
セミは「シュガー」シェーン・モズリーの息子ジュニアが、以前、村田諒太の挑戦者候補に「担がれていた」ことのあるジェイソン・クイグリーと対戦。競った試合でしたが、結果はクイグリーの判定勝ち。
もしハイライトなどで見れば、それなりに懸命な打ち合い、という風に見えるかもしれませんが、フルラウンド見た感想は、世界上位というには互いにだいぶ不足あり、というのみ。
互いに色々と試み、頑張ってはいるのですが、フジレvsウォード戦と順番逆やろう、と...とにかく、残念な内容でした、ハイ。