さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

拳四朗、次戦は名古屋で? 矢吹正道陣営と交渉中

2021-05-07 12:25:26 | 中部ボクシング




緊急事態宣言発出ぎりぎりのタイミングで、久田哲也を下した寺地拳四朗、次は名古屋遠征か、という記事
矢吹正道のコメントとして、陣営も名古屋開催、9月頃で交渉中、とのことです。

以前から、矢吹陣営の方針は、地元での世界戦開催である、という話を聞いてはいて、拳四朗か京口か、どちらかがそれを受ければ話は一気に進むだろう、ということでした。
そして、どうやら拳四朗の方と交渉しているようです。

記事にもあるとおり、色々な要因を考えると、一番ありそうな話です。
矢吹のWBCランキングが2位であり、次回以降の発表で1位になりそうなこと。
海外選手とのマッチメイクが難しいこと。

さらに、ここから先は想像ですが、拳四朗が、必ずしも帝拳興行に「縛られた」状況にいるわけではないらしいこと。
また、所属ジムが自主興行に拘泥しない姿勢であるらしいこと。

そして、具志堅の防衛記録更新を掲げる拳四朗にとり、これ以上のブランクは避けたい、かなう限りコンスタントに防衛戦をこなしたい、という意向も当然、ありましょう。
懸念は唯一「敵地」であることですが、そこもジャッジの構成が偏ったものでなければ良し、というところでしょうか。


また、単純にカードとして、これはけっこう魅力的な、というか、興味を引かれる部分があります。

抜群の距離感と正確なパンチで、それこそバンタムにおける井上尚弥同様、階級最強の評も多いのが、これまでの寺地拳四朗です。
では、彼を攻略しうるコンテンダーとはどのような選手か、と考えたときに、その距離感を圧倒的な長身、リーチで無力化してしまえる体格の選手、というのは、ひとつ想定としてあり得るでしょう。
そしてそこに、スピードやパンチ力が高いレベルで備わっているとしたら。結構厄介な話やな、となるのではないでしょうか。

そして、ライトフライ級における矢吹正道は、概ねそのような特徴を持ち、実力レベルもかなりのものがある、と言える選手です。
少なくとも今の国内上位では、拳四朗と京口を除き、久田哲也をも上回るものがあるだろうと。
フライ級時代、まだキャリアも浅い頃、相手を選ばず、選べず臨んだ試合で、現WBO王者中谷潤人や、日本王者ユーリ阿久井といった強敵に黒星を喫していますが、ライトフライではキューバの強豪マテヨン戦以外は全勝。

記事の中にあるほどの人数かどうかは知る由も無いですが、マッチメイクに苦労するくらいの強みを見せていて、昨年末に破った歴戦のベテラン、大内淳雅の口からは、試合後に「拳四朗より強い」とのコメントが出た、と報じられています。
その遠い距離と、強烈なカウンター、及び突き放しのパンチに苦しんだ直後の言葉であり、拳四朗とは違う種類の難しさを感じたことを、大内はそのように表現したのでしょうが...。


もちろん、予想をすれば矢吹有利と、簡単には言えません。
大内戦でも、数は少ないとは言え、大内が果敢に踏み込んで狙う右を受けた場面もありました。
拳四朗がそれこそ「音もなく」踏み込んで、好打を重ねて行く、という展開になれば、王者の巧さと強さが存分に見られることでしょう。

しかし、それがそう簡単にいくかどうか、です。
もし、距離で拳四朗を数ラウンド苦しめ、その後にそれが克服されて、双方の技と力が比べられる展開になったとして、拳四朗の出入りの足捌きと、正確なジャブ、ワンツーに対し、大柄な矢吹がスイッチを織り交ぜ、組み合わせや強弱の配分が読みにくい連打で対抗出来るかもしれません。
ベーシックな技術の部分ではかなわないにしても、それ以外の「大技」が生きる展開に持ち込めれば、矢吹にも勝機があることでしょう。

少なくとも、王座防衛を重ね、ブランク明けにひとつ勝った、という現状で、これまでとは違い、減量や調整の難しさなども漏れ伝わってくる段階にも来ている拳四朗が、ベストに近い状態でなければ、容易く撃退しうる挑戦者ではない。
矢吹正道については、最低限、そのように見て良いと思っています。



時期としてはまあ、早くても9月、実際にはもう少し後かな、と見ていますが、その頃になればさすがに、あれこれとややこしい話も、多少は収まってもいるでしょうから(?)久し振りに名古屋行きかな、なんて思っています。
残念なことに、この組み合わせでTV放送などがどうなるものか、想像も付かないのが実際のところでして...まあ、どうであろうと、このカードは直に見ておきたい、と思うので、関係ないといえばそうなんですが。



コメント (2)
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