さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

あと1ラウンド見たかったが 前田稔輝、注目対決に勝利

2019-12-22 20:09:45 | 新人王戦



今日は府立観戦も考えましたが、事情あってお出かけならず。
自宅に張り付いて、その合間にG+を見ておりました。
全日本新人王決勝戦、こちらに正確な結果と経過がありますが、以下、簡単に感想。




ミニマム級は森且貴(東、大橋)が丁野拓海(西、中日)に3-0判定勝ち。 

ボディの打ち合いでは丁野も互角に渡り合うが、森が上へのヒット、精度で上回り、徐々に動いて当てる流れに持っていく。
4、5回は森のヒットがさらに増えるが、丁野も踏ん張って判定。



ライトフライ級は表祥(西、SFマキ)が安藤教祐(東、KG大和)に2-0判定勝ち。

序盤から、安藤の長いリーチからのジャブ、ワンツー、速いバックステップに遭い、表は手が出ない。
安藤は手数が多いでなく、パンチ力もさほどではないが、打ったあとすぐ、大きく離れるので、表は打ち終わりを狙えない。

3回まで安藤リード、しかし4回、表の右フックで安藤ダウン。
立て直せるかという終盤、サイドへ出た安藤を追った表の左フック、安藤二度目のダウン。
この回10-7。
最終5回、表が前に出て浅いながらヒットを取る。安藤動いて軽く当てるが、捌き切れてはいない。

47-47、47-46×2で表が勝利。納得の採点。
表、強打を生かして逆転勝ち。本人は課題を先に語っていましたが、完封負けの流れをひっくり返した勝負強さは見事でした。



フライ級は中村淳希(西、市野)が臼井春樹(東、八王子中屋)に3-0判定勝ち。

長身、痩身同士。中村がジャブ、ワンツー、逆ワンツーを当てて先制。おかっぱ頭の臼井、早々に髪が少し乱れる。
2回、中村右から小さい左返し、アゴへの「突き」のようなパンチで臼井ダウン。
体格、パワーでまさる臼井、巻き返しに出るが、中村も柔軟な動きで外し、連打を返す。
5回、臼井左フック好打、中村少し足が止まり加減、左も減るが、逃げ切り。
中村の攻防の切り替えの速さが、パワーの臼井を上回った。



スーパーフライ級は目黒聖也(東、セレス)が岩崎圭祐(西、オール)に2-1判定勝ち。

長身サウスポー目黒に対し、岩崎が右から入ろうとするが、懐深い。
2回、岩崎出て連打、目黒右フック一発。離れて左ストレート、岩崎打ち終わり狙って右で入る。
3回、目黒左ヒット、しかし打ち合いではフォーム乱れる。岩崎入って右数回ヒット。やや岩崎か。
4回は岩崎右ヒット、追撃は外される。目黒離れて左、打ち合いでも踏ん張る。
5回、岩崎入って声を上げつつ連打。右最後、一発。逆転はならずか。

48-47岩崎、48-47目黒、48-47目黒で2-1。
岩崎の健闘はともかく、逆はないかと思ったが。



バンタム級、この試合は4回戦。
中西寛多郎(西、HKスポーツ)が小笠原梢太(東、シャイアン大嶋)に3-0判定勝ち。

小柄な中西が左を多彩に使い、切り込んで行く。
2回、打ち合いに。中西が左ダブル、トリプルから右クロス。小笠原右アッパー、左フック好打。難しい回。
3、4回、中西の左ジャブ冴える。右クロスなどもヒット。小笠原の左フックは単発。

18歳の中西、キッズボクシング上がりということで、若さに似ず、色々とこなれた感じ。
全体的に体力強化して、巧さを生かしたまま伸びたら面白そう。



スーパーバンタム級は津川龍也(西、ミツキ)が竹原毅(東、花形)に3-0判定勝ち。

初回から津川が長い右ダイレクト上下当てる。サウスポーのファイター竹原、右引っかけ強そうだが、上体硬い。
終盤津川の右カウンター、その後頭も当たったか。竹原少しぐらつく。
華奢に見える津川の方が、押し合いになっても負けない。

3回、竹原懸命に出るが、費やした労力に見合うほどのヒットは取れず。津川右ショート決め、打ち合いと揉み合いになってもまさる。
4回、津川右ヒットで竹原のけぞる。竹原押すが相手見ずに打っている。津川左フック好打。
5回は竹原のペースに津川巻き込まれ、フォーム乱して打ち合い。竹原。

48-47×2、49-46の3-0津川。さうぽん採点は最後のと同じ。納得の採点に安堵。
津川は自分の良さを出せなかった回を反省していた模様。



フェザー級、これも4回戦。
前田稔輝(西、Gツダ)が亀田京之介(東、花形)に2-1判定勝ち。

初回、両者見合い。亀田挑発し、ジャブ。少しでも前田を乱してジャブ当てて終われば、ポイント取れる、という狙い。
前田左ショート二発も、微妙な回。
2回、コーナーから亀田が右返し、前田少しバランス乱す。亀田ジャブ当てて動く。前田最後ボディ攻撃。亀田。
3回、亀田動いて外すが、前田の左ストレートヒット。ボディへ左も。亀田笑顔でごまかすが、目に見えてリターンパンチの数が減る。前にのめってのスリップダウンも。前田。
4回、前田の左が再三ヒット。亀田は声上げて気合い入れるがダメージあり。右から左返すが、ミスブローも多い。前田がまた左ショート3発。

39-37亀田、39-38前田、39-37前田、2-1前田。
正直、ドローまでの試合、逆は考えられないと見ました。

この組み合わせが4回戦とはいかにも惜しい。
前田の西日本決勝が、相手の棄権で中止にならず、それに前田が勝っていれば、この日が5戦目ということで、5回戦になっていたのですが。
この辺が前田にとっても、亀田にとっても惜しまれるところ。

前田はキャリアを積み、ボクシングの幅が広がれば、相当なところまで行けそうな逸材。
亀田はパンチ力の差などは重々承知の上で、よく見て外す、巧い闘い方。
ピンチの際も勝負を捨てず打ち返す闘志も目を引く。健闘でした。



スーパーフェザー級、これも4回戦。今年は4回戦が多いような。
谷口彪賀(東、八王子中屋)と岩崎淳史(西、フジタ)はドロー。

初回、リーチの長い岩崎が右アッパーヒット、右ストレートでリード。サウスポー谷口を捉える。
2回も岩崎ペース。3回、谷口左ヒットして攻める。岩崎ボディ連打で押し返す。
4回、谷口左ヒット、手数。しかし岩崎の右ボディアッパー強烈。どちらか。

採点は39-37谷口、38-38×2。優勢点は谷口が獲得、優勝。手数、攻勢の分、ということか。微妙。

西軍代表決定戦では優勢で勝者扱いだった岩崎、今回は逆の立場で涙を呑んだ...のですが、谷口を称え、笑顔見せて退場。
で、対する谷口が、インタビューで涙ながらに母への感謝を語りました。エエ話でした(^^)



ライト級は齋藤眞之助(東、石川)が藤田健介(西、千里馬神戸)に3-0判定勝ち。

長身対決、齋藤が右フック上、ボディ、アッパー決めて先制。右ストレートも伸びて序盤リード。
3回、両者離れてパンチの交換、連打はあまり出ないが一打はけっこう鋭い。
4、5回、藤田が追って齋藤が捌く流れ。連打したい藤田だが、齋藤がリード保って終了。
判定は三者とも3対2で齋藤。


スーパーライト級、またも4回戦。
本多航大(東、川崎新田)が 藤田裕崇(西、名古屋大橋)に4回、逆転KO勝ち。

初回、藤田が右フックで二度ダウン奪う。
サウスポーにスイッチしたときの右フックにKOパンチを秘める藤田、しかし必死に間を詰めて耐える本多に追撃ならず、詰め切れず。ちょっと狙いすぎた感も。
3回、手数出して攻める本多が、左フックでダウン奪い返す。
4回、打ち合いで本多の左フック一発、崩れる藤田に本多が連打、レフェリーがストップ。

本多の粘り、勝負強さが逆転を生んだ。場内興奮の本日初KO決着、しかも凄い逆転劇。



ウェルター級、安井誉(西、森岡)が足名優太(東、渡嘉敷)に2-1判定勝ち。

初回、安井が足使ってボディ連打などヒット。打たれた足名、笑顔見せるが手が出ていない。
2回、安井が右クロスなどヒット、手数でも上だが、足名単発の右アッパーなどヒット。足名スピードがないが身体のパワーはある。
3回、安井のヒットに足名笑顔を見せる。安井やや足止め気味で打ち合い、足名の右アッパーも入るが、安井が左フック決めて連打で追撃、打ちまくる。
ダメージ深い足名、一度スリップするが耐える。
4、5回、安井が足止めて打ち合うせいで、足名も手を出せる。右アッパー何度も当たる。安井右ストレートヒットも、足名止まらず。


判定は48-47足名、48-47安井、49-46安井、2-1安井。
足名は安易に打たせすぎ、安井ももっと動いて外さないと、と傍目には見える一戦ながら、安井の勝ちは動かないと見えました。割れて驚き。



ミドル級、最後も4回戦。
湯澤卓巳(東、宇都宮金田)が国本泰幸(西、金沢)に3-0判定勝ち。

両者、積極的に打ち合うが、パンチの精度に欠け、連打するバランスもないので、攻防が途切れ途切れ。
マーチン主審があまり分けないので、膠着する時間が長い。
湯澤がややパワーでまさり、ヒットも多い。国本はミスブローが多い。
3回、湯澤の右から左、アッパーから連打で国本ダウン。しかし詰めが甘く、仕留められない。
4回、国本左から攻める。湯澤しのいで最後は連打。国本ホールドで減点。
39-35、40-34×2で湯澤。



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ということで全体的な印象としては、やっぱり、KOがひとつだけ、というのはちと寂しいかなと。
その唯一のKOが、あまりに劇的過ぎましたが。極端なやなー、と...。
しかし、全体的にレベル自体はなかなかでした。試合自体、見どころもけっこうあったと。

しかし反面、出場選手が減っている(にもかかわらず出場資格が...長くなるので略)せいで、戦績が足りず、全日本決勝だが4回戦、という試合が多かった。
こういう大会、過去にありましたかね。ちょっと記憶にありません。
この辺は、今後大会の在り方自体を含め、議論が必要なところでしょうね。


と、取り急ぎ感想文アップしました。
ちょっとばたばたしてまして、色々間違えてたりするかもしれませんが、どうかご容赦を。



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忘れてました、本日の一曲。
海援隊「母に捧げるバラード」。





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日本人未踏の「最強」への挑戦は完敗 逸材デュボアに隙なし、藤本TKO負け

2019-12-22 09:43:32 | 海外ボクシング



ダニエル・デュボアvs藤本京太郎、早々に動画がアップされていましたんで、有り難く見ました。
何しろ画質が良いです。ありがたや。






以前、試合が決まったときにあれこれ映像や記事やを紹介しましたが、ダニエル・デュボアは本当に評価が高くて、それこそ次代を担う逸材だ、という評ばかりでしたが、今日の試合を見せられると、なるほどなあと納得でした。

これだけ体格が違う日本人ヘビー級選手相手を、変に下に見るでなく、雑にならず、しっかり構えて突き放しにかかる。
一度たりとも側に寄せ付けん、と言わんばかりの丁寧な攻防。隙が無い。
ジャブ、ストレートがその都度、厳しく藤本京太郎を狙い続けました。

藤本はダック、サイドステップなどをしっかり駆使し、それを外して身体を寄せようとしましたが、それがかなったのは1回くらいか。
スピードはなかなかあり、動けていましたが、自分より大柄で、スピードもパワーも抜群の相手に、水漏れ無しで構えられては、さすがに厳しい。

2回のジャブ相打ち、右相打ち、と見えた二度のダウンも、要は相手の先手に遅れて打たざるを得ない攻防で勝負して負ける、という構図で、残念ながら完敗でした。
これはもう、相手が悪かったというしかないように思います。
そして、このレベルのヘビー級強豪と闘うところまで歩を進めた藤本京太郎は、現状の日本ボクシング界において、その限界を超越したキャリアを構築した、というべきでしょう。
その努力に、費やした労苦に対し、ファンとして敬意を表したいと思います。



それにしても、本当にデュボアは「しっかりした」選手でした。この点では、想像を超えていました。
まだ若いみたいですが、単に強いだけでない、真面目にやってるんやろうなあ、というか。
この選手、これからさらに出世するのかもしれませんね。藤本にとって、闘ったこと自体が誇りとなるようなところまで行ってほしい、と思うくらいです。



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