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気軽に我流でワインを楽しんでみようかと。

糸のみほとけ

2018-07-26 19:01:41 | Museum

 「糸のみほとけ―国宝 綴織當麻曼荼羅と繡仏―」 於:奈良国立博物館

   

「日本では刺繡(ししゅう)や綴織(つづれおり)など「糸」で表された仏の像が数多く作られました。とりわけ、古代では大寺院の一堂の本尊とされる花形的存在でした。綴織當麻曼荼羅(つづれおりたいままんだら)(国宝、奈良・當麻寺蔵)や刺繡釈迦如来説法図(ししゅうしゃかにょらいせっぽうず)(国宝、奈良国立博物館蔵)は、その隆盛のさまを伝える至宝です。また、糸を縫い、織る行為は故人の追善につながり、聖徳太子が往生した世界を刺繡で表した天寿国繡帳(てんじゅこくしゅうちょう)(国宝、奈良・中宮寺蔵)が生み出されました。鎌倉時代以降、刺繡の仏は再び隆盛を迎えますが、その背景には綴織當麻曼荼羅を織ったとされる中将姫に対する信仰がありました。極楽往生を願う人々は中将姫(ちゅうじょうひめ)に自身を重ね刺繡によって阿弥陀三尊来迎図(あみださんぞんらいごうず)や種子阿弥陀三尊図(しゅじあみださんぞんず)を作成しました。
 この展覧会は綴織當麻曼荼羅の修理完成を記念し、綴織と刺繡による仏の像を一堂に集める特別展です。天寿国繡帳、綴織當麻曼荼羅、刺繡釈迦如来説法図の国宝3点が一堂に会する空前の企画です。本展を通して絵画とも違う「糸」の仏の世界の魅力をご鑑賞いただければ幸いです。」

時代ごとに展示されており、実に見やすい展示でした。

圧巻の奈良時代の国宝3点は第1室に。 この部屋だけで大満足の展示です。

    国宝 天寿国繡帳[てんじゅこくしゅうちょう]

聖徳太子を偲び、橘大郎女の発願で縫われた国宝。 技巧が超絶というものではないが、意匠がとても興味深い。

400の文字を亀の甲羅に4文字づつ描き、100匹の亀が縫われていたらしい。 (現存するのは4つだとか。)

    

   

   

    兎? アヌビスにも見える…

「伝世品としては最古の刺繍である天寿国繍帳は、飛鳥時代に制作された旧繍帳と、鎌倉時代にこれを模造した新繍帳の遺(のこ)りのよい部分を、江戸時代に貼り混ぜて1面の繍帳にしたものです。意外なことに、鮮やかな色彩のほうが旧繍帳なのです。この繍帳には亀の甲羅に4文字の刺繍銘があり、当初は100匹の亀が刺繍されていたとされ、その全文すなわち400文字が『上宮聖徳法王定説(じょうぐうしょうとくほうおうていせつ)』に記されています。それによると、推古30年(622)に聖徳太子が亡くなられ、妃の橘大郎女(たちばなのおおいらつめ)が、推古天皇に願い出て、太子が往生した天寿国の有様を刺繍によって表したものです。下絵を描いたのは渡来系の人物で、刺繍は宮中に仕えた采女(うねめ)達が行ないました。図様は撚(よ)りの強い糸を用いて輪郭線で縁取り、内部を緻密に繍(ぬ)い表す技法で、飛鳥時代の刺繍の特色をよく表しています。」  by 東京国立博物館

    国宝 綴織當麻曼荼羅[つづれおりたいままんだら]

   

川島織物の鮮やかな復刻が素晴らしく、当時を想像しながら鑑賞できた。

    国宝 刺繡釈迦如来説法図[ししゅうしゃかにょらいせっぽうず]

こちらの刺繍の技巧は唸るものが有った。


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