2011年お正月
年末にドイツを大周遊してきた娘のお土産
チョコレート ”Prinzess” (レーゲンスブルク)
バームクーヘン
シュトーレン
バウムクーヘンのみならず、ドイツ菓子として日本でもすっかり認知度が上がったクリスマス限定のお菓子「シュトレン」。発祥の地はドレスデンと言われているが、これには諸説があり、1329年のナウムブルグ司教へのクリスマスの贈り物が最古の記録とされている。しかし、キリスト教の断食期間である4旬節にはバターと牛乳の摂取が禁じられていたため、水・オーツ麦・てんさいの根の油を使用した当時の シュトレンは、かなり素っ気ない味だったようだ。
これに不満を持ったザクセン選帝侯エルンストと弟アルブレヒトは、1430年にローマ教皇へバター・牛乳摂取禁止令の撤廃を懇願し、91年にようやく「バター食用許可証(Butterbrief)」が公布された。この公布はザクセン選帝侯の宮廷でのみ有効だったにもかかわらず、バターと牛乳を使用したシュトレンは公国全体に広まったのである。宮廷パン職人だったハインリッヒ・ドラスドは乾燥フルーツなどを加えて工夫し、今日に伝わるシュトレンを完成させた。その後ザクセン公国では、毎年クリスマスに宮廷に献上するのが習慣となったが、1730年、アウグスト強王は2万4000人を招いたパーティーの最後に出す1.8トンものシュトレンを注文。この巨大シュトレンは8日間かけて焼かれ、1.6メートルのナイフで客の前でさばかれたと言われている。
現在では「ドレスデン風シュトレン(Dresdner Stollen)」は商標登録されており、ビール純粋令と同様に材料の分量が指定されている。基本的なレシピは存在するが、ドレスデンにある約150軒のパン屋は門外不出のレシピを代々伝授しており、味を競っている。ドレスデン一美味と言われるものが、1893年創業の「Werner」だ。