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気軽に我流でワインを楽しんでみようかと。

唐招提寺 観月讚仏会

2010-09-22 23:46:36 | Museum
 唐招提寺 観月讚仏会(かんげつさんぶつえ)

日 時:中秋名月の日(平成22年9月22日)
場 所:金堂・御影堂前庭
開祖・鑑真和上を奉安する御影堂の庭園が特別に開放され、和上と共に中秋の名月をめでる法要が金堂で行われます。御影堂では、裏千家大宗匠による大和上とお月様への献茶式が行なわれます。

日も暮れかけた6時半頃、唐招提寺へ向かう。
天気予報では雨かも知れないとのことだったが、運良く晴れ間ものぞく曇り。
向かう車中でも「あっ!お月様!」と期待が高まる。

唐招提寺も10年がかりの金堂「平成の大修理」が終わって昨年(2009年)落慶法要が執り行われた。
改修後は始めての訪問で期待も一層膨らむ。

『南大門』から入ると真正面が『金堂』。
一足踏み入れた途端に幻想的な雰囲気に包まれる。



遠くから来日された「鑑真和上」の威徳に想いを馳せながら、金堂に近づく。
金堂には『乾漆廬舎那仏坐像』を中心に向かって右に『木造梵天』・『木心乾漆薬師如来立像』、左に『帝釈天立像』・『木心乾漆千手観音立像』が鎮座。
その四方を四天王が囲む。
涙が出るほどの荘厳さだった。

『講堂』・『鼓楼』・『経蔵』・『宝蔵』といずれも国宝の建物をを見ながら奥へ進むと目指す『御影堂』。
真っ直ぐ『鑑真和尚』様にご拝謁。

本当に有難いと思った。
この方がいなければ、奈良の仏教文化はここまで栄えることもなかったのだと思う。
背中がぞくぞくした。

周りの東山魁夷画伯の襖絵を拝見し、本日のメインイベント鑑真和上とお月見…
お月さん見たいなぁ~と空を見上げると、真っ暗な雲の中に薄っすらと光が。
と間も無くお月様が現れる
あまりに絶妙なタイミングにこれも鑑真和上の力なのかと思ったほど。

 

お月様を眺めながら、本当に良いお寺だなと感動を覚える。
流石に『御影堂』入場には500円ほどの入場料をお払いしたが、名月を愛でる為に寺院は無料開放され、ライトアップや灯火器が据えられている。
そして『鑑真和上』と共に観月をという粋な計らいがたまらない。
その精神が行き届いてか、交通整備の方から警備の方から皆暖かい。
流石僧侶を育てるための寺院だったお寺だと思う。
兎角「損」「得」で動く世知辛い世の中で、お手本を見たように思う。
大宗匠が今もお献茶をなさりにいらっしゃるのも合点がいく。

『御影堂』を離れる前に今一度『鑑真和上』にお礼申し上げ手を合わせると、またもやお月様が当然雲の中からお顔を出される…
あまりの神秘にぞくぞくした。

主人と「本当に来て良かったね。ありがたいね。」って話してると前を歩かれている老夫婦が「来年も見れるかしらね?」と感慨深げに話しておられる。
皆にこれだけの感動を分け与えられる行事って素晴らしい。

本当に有難う御座いました。

帰途「大池」越しの『薬師寺』のライトアップとお月様を楽しんで帰る。




唐招提寺HPより~

唐招提寺は、南都六宗の一つである律宗の総本山です。
多くの苦難の末、来日をはたされた鑑真大和上は、東大寺で5年を過ごした後、新田部(にたべ)親王の旧宅地(現在の奈良市五条町)を下賜されて、天平宝字3年(759)に戒律を学ぶ人たちのための修行の道場を開きました。
「唐律招提」と名付けられ鑑真和上の私寺として始まった当初は、講堂や新田部親王の旧宅を改造した経蔵、宝蔵などがあるだけでした。
金堂は8世紀後半、鑑真和上の弟子の一人であった如宝の尽力により、完成したといわれます。
現在では、奈良時代建立の金堂、講堂が天平の息吹を伝える、貴重な伽藍となっています。


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