12月16日（木）晴
12月15日（水）曇
ビーチの戦没者慰霊塔に梅ような小さな花が散り落ちている。見上げると常緑の大木の所々に花が咲き、根元にはクルミのような実が発芽している。テリハボクは光沢のある大きな葉をつける木。一見インドゴムノキのような葉だがが、インドゴムノキの葉は互生であるのに対して、テリハボクの葉は対生。テリハボクは種子が海流散布され、インド洋や太平洋の熱帯の海岸に自生。Googleレンズの画像検索は、葉、花、幹、種子、若芽のすべてで「テリハボク」と正解。
12月14日（火）晴
昨日QLD州境が解放された。これまでQLD州は「ゼロコロナ」の方針を取ってきたが、今後は「コロナと共存」に方針変更。クリスマスから年始にかけて多くの観光客が押し寄せる。しかし僕は今後も「籠城作戦」を崩さない。例年通りパーティーも外食もいらない。用事もないのにマスクをして人込みに出かけようとは思わない。幸い北半球とは逆で、豪州は暑い夏を迎える。世界一強烈な紫外線の殺菌効果にも期待したい。
12月13日（月）曇
画像検索ソフトとしてGoogleレンズが動植物図鑑としてのに使用価値があるかどうかビーチでテスト。黄色い花は「アメリカハマグルマ」、と鶏卵大のドングリのような実は「ココナツ」との回答。花と実は2問とも合格。追い追い葉や幹でテストを重ねて行こう。防犯カメラ（スパイカメラ）の技術開発で、顔認証技術はこの数年間に大きく進化した。権力が科学と情報を掌握すると、世界は変な方向に導かれていきそうだ。
12月12日（日）晴
海辺の散歩道で、キノコのようで、花のような木の実を発見。日本のツチグリに似ている。この木の実が街路樹から落下したものであることは以前から知っていたが、名前が分からない。通りかかったエクササイズ仲間のエディーが、スマホの画像検索を教えてくれた。ソフト名は「Googleレンズ」で、動植物の名前だけではなく、星座や料理のレシピや翻訳も可能だという。それが事実なら一人暮らしも退屈しないで済む。ちなみに検索結果は「クルシア・ロゼア」という熱帯の木の実。
12月11日（土）晴
青森には40年以上住んだ。買物や外食の趣味はなく、登山、スキー、モーターボート、釣りなど、海や山で遊んだ。山菜採りやキノコ狩りに凝った時期もあった。豪州移住から20年以上になるが、山菜やキノコや木の実を採取したことはない。OZにその様な趣味はないらしい。夏のケアンズは夜間や明け方に雨が降る。雨が続くと海辺の散歩道の植え込みや芝生に色々のキノコが発生するが、キノコの図鑑やサイトなんて見かけない。豪州で食用キノコといえば、マッシュルームくらいしか売っていない。
12月10日（金）曇
寿司屋のSさんが「白人に海苔はダメです」と言っていた。2010年にフランスの微生物学研究チームが「生海苔など海藻を消化できるのは世界で日本人だけ」という研究結果を発表。海藻を分解する酵素を持つのは「バクテロイデス・プレビウス」という腸内バクテリア。数百年以上にわたり海藻を食べ続けたことで、日本人は海苔を分解できる酵素をもつバクテリアを体内に取り込んで、腸内バクテリアとして持ち続けることになった。だから多くのOZは海苔巻きや軍艦に手を出さないらしい。
12月9日（木）晴
一昨夜のスシ・パーティーの最中、プールサイドの東屋から僕のユニットの真上に、月と金星の大接近を目撃。地球照を伴った幻想的な月齢3の細い月と宵の明星の共演は、数ある月と惑星の接近の中でも随一の美しさだ。スマホのカメラには映らないが、月と金星の左上には土星と木星もあり、3惑星が同じような間隔で並んでいる。昨夜は月例4の細い月と土星が並び、今夜は月齢5の月と木星が接近。これは肉眼でも見える。
12月8日（水）晴
毎月第1火曜日はVUEアパートの住人パーティー。いつもはOZ得意のBYOパーティーだから、参加者各自が自分の飲み物と料理一皿を持参してシェアーする。今回はクリスマス・パーティーなので1人＄15（1200円）の会費で、1年前と同じスシ・パーティー。僕が寿司屋と交渉して、＄300でケータリングを依頼。昨日は朝から激しい雨が降っていたが、夕方には天気が回復し、プールサイドの東屋でパーティー開始。住民の参加者は24人で大盛況だった。
12月7日（火）雨
近所の歯医者で6か月ごとに歯科検診と歯垢除去。豪州移住以来、電動歯ブラシとデンタルフロスを使用している。多分寿命が尽きるまで自前の歯で過ごせそうだ。タイのバンコク北東140キロにあるロブリーという街で、近辺に生息する野生カニクイザルの道具使用行動の観察が実施された。観察した集団は約250頭のサルで構成されているが、そのうち約100頭はヒト、特に女性の髪を手にすると、それをデンタルフロスのようにして歯を磨き、歯にはさまった食物の断片を除去する行動を行う。
12月6日（月）晴
三島由紀夫の経歴や思想を調べているうちに北野武に思い当たった。北野は明治大学中退。学生運動、アングラ劇団、ジャズ喫茶店員、ストリップ劇場の芸人などを経たのち、漫才師になりシニカルな社会風刺で大ヒット。TVバラエティー番組の企画・構成・出演。フライデーへの名栗湖機事件、バイク自損事故に連座。1989年以降映画監督として世界的名声を得た。俳優としての演技も秀逸。バイク事故で言語障害が残ったのが残念。
12月5日（日）晴
ユミから少し早いクリスマスプレゼントは炭酸水製造機。毎週金曜日にモールに買い物に行くが、食料・日用品とペットボトル入りの炭酸水を買い求める。ペットボトルは1本1.25mlだから6本で7.5㎏もあり、野菜・果物より重い。僕は3年前に肩甲関節板を断裂し、左腕にはほとんど力が入らない。アパートの車庫から自室まで買物の荷物を運ぶのは大仕事。それに毎週6本のペットボトルをゴミに出すのは罪悪感がある。本体は約2万円。消耗品の炭酸水ボンベは60ℓ充填可能で1本2500円。炭酸水の味は、市販品に比べて刺激に欠けるが、そのうちに慣れるだろう。
12月4日（土）晴
乃木（1849-1912）は西南戦争で軍旗を奪われる失態。日露戦争の旅順攻撃では無策の連続突撃で、2人の息子を含む兵1万5000人を戦死させ解任。明治天皇が死んだ時に、妻とともに自刃。「天皇を殺して腹を切る」ことを望んだ三島は「縦の会」の若者と心中。三島は数度の心中経験者の太宰（1909-1948）をうらやんでいた。売れっ子の三島はビートルズの登場で人気が低下。そのジョン・レノンも熱狂的なファンに銃殺される。
12月3日（金）晴
ノーベル賞候補にもなった小説家。1970年「盾の会」の青年たちを率いて防衛庁を占拠。総監を人質にして、憲法改正のためのクーデターを呼びかけて割腹自殺。自作の「仮面の告白」では、同性愛を告白し、また徴兵検査では仮病を使って兵役逃れした事実にも言及。2・26事件では決起した青年将校たちを処刑した天皇を強く批判。特攻隊で散った英霊を無視して人間宣言（現人神を否定）した昭和天皇の暗殺を計画。「宮中で天皇を殺し、腹を切りたい」と死ぬまで漏らし続けた。
12月2日（木）晴
英語では金鎖、独語では God Regen（金の雨）と呼ばれる華やかな花木。和名は南蛮サイカチ。熱帯アジア原産の10m以上になる高木。寒さに強く故郷の下北でも露地栽培で立派な花を咲かせた。家の前の通りには平成天皇の結婚記念の桜並木があったが、1本の金鎖が20本以上のソメイヨシノを圧倒。町内会の役員が「あの派手な木を切って欲しい」とやって来た。マメ科の植物なので藤のような花穂が終わった後に、鞘に入った豆が沢山ぶら下がる。その実鞘が警棒そっくりなので躊躇なく切り倒した。
