豪州落人日記 (桝田礼三ブログ) : Down Under Nomad

1945年生れ。下北に12年→東京に15年→京都に1年→下北に5年→十和田に25年→シドニーに5年→ケアンズに15年…

PBもアナーキストの仲間入り?

2002-08-28 22:10:03 | Weblog
8月28日(水)曇 

   PBもアナーキストの仲間入り?

国後島上陸は天候にも恵まれて事故もなく終了した。海が荒れれば政府は「神風が吹いた」と喜んだであろう。国後沖まで行っても上陸が果たせなければケンカにもならない。乗客からは「金を返せ」という要求も出されるだろう。さて日本ではサンケイ新聞が第1面のトップ記事でピースボート批判の記事を載せた。「領土問題に汚点」、「ピースボートの愚行」、「秘境ツアーの商業主義」などと言を極めている。国会議員の舛添要一も「非合法性はないとしても世論の圧力が必要」などと寝ぼけたことを言っている。明後日は晴海に右翼の街宣車のお迎えもあるかもしれない。
日本政府は北方4島は日本固有の領土でロシアが不法占拠していると主張している。僕は、北方4島はアイヌのもので、日本やロシアが不法占拠してきたと考えている。それはさて置いて、日本政府は日本の主権を主張し旧島民への人道的配慮から「ビザなし渡航」で墓参を続けてきたと言う。ピースボートもビザなし渡航だ。サハリン州政府の許可を得たのがロシアの主権を認めたとの口実を与えると言うが、日本政府がサハリンに総領事館を設置したことに比べるとまるで問題にならないことだ。「アメリカ政府も北方4島は日本領だと認めている」と言うが、昨日オリビア号の隣にワールド・ディスカバラー号という名のアメリカのクルーズ船が泊まっていた。このアメリカ船はロシア政府のビザをもらっているはずだ。ロシアが実効支配しているのは事実だから、ロシア側の了解なしには平和的な上陸は不可能だ。日本政府の外交音痴はお墨付きだ。国際交流の下手な日本人の代表選手だ。「素人には外交の難しさは分からん」みたいなことを言って、細かな作法で表面を繕って、裏で汚い利権を漁る行為を恥じるべきだ。外務省の本音は大勢の日本人が現地に行って、ムネオハウスや希望号や友好号の実態を見られることを嫌っているだけじゃないのか?

読書:「ことばと国家」田中克彦

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