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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Joel Kanning / "Ubiquitous Frequency Oscillation"

2009-10-17 17:25:51 | music9
Ubiquitousfrequencyoscillation



□ Joel Kanning / "UFO - Ubiquitous Frequency Oscillation"

♪ <script type="text/javascript" src="http://mediaplayer.yahoo.com/js"></script>The Visitor
Travelers
One World

Release Date; 24/07/2009
Label; 2009 Joel Kanning
Cat.No.; none
Format: mp3 Album

>> http://www.joelkanning.com/


>> tracklisting.

01. The Visitor
02. Travelers
03. Ashima
04. Dancing In The Mist
05. Twilight
06. One World
07. Messages From Above *
08. Auricle *
09. L'amour Sonique
10. In Excelsis
11. Across Cultures
12. Drifting *


All songs written, performed and produced by Joel Kanning.
* Vocals & Lyrics: Tami Kanning



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DTM世代のNew Age/Electronicaコンポーザー、Joel Kanningによる実質の2nd Album。

『遍現振動』なるタイトルを冠する"UFO"は、まさに私のようなリスナーがかつて見失ってしまった音楽の再顕であり、そこには"Old Fashioned Enigma"ともいうべき、1990年代中期~2000年初頭まで最盛期を誇ったWorld Beat Musicのエッセンスが詰め込まれています。


皮肉にも、同方法論の偉大な先達のフォロワーである彼らが証明してきたのは、New Ageファンが崇めてきたそれらのサウンドの大部分が、在り合せのサンプラーとソフトに依存しているという事実。しかしEnigmaやDeep Forest、その他プログラミング系エスノミュージックのごく限られた名作のそれぞれには、決してサウンドの構成だけでは辿り着けないエスプリが息衝いています。



"UFO"が90年代中末期のEnigmaやDeep Forest、(或はMike Oldfiedの"the song of distant earth"か)のトレースであることは否定しようがないことでしょう。しかし、同ジャンルのリスナーからは半ば失望とともに聞き流されて来た凡百のフォロワーとは一線を画する思い切りの良さ、懐古に徹する姿勢、何よりも「好きな音楽」を奏でているという閃きと発露が感じられる、「今」だからこその傑作と思えてしょうがないのです。


10年前とは違い、World MusicとDance Musicの融合という手法そのものが古くさくなったばかりでなく、当時にとって『最先端』であることの意味が大きかったプログラミングビートが錆び付いた化石となっていて、このジャンルが徐々に推進力を失って行ったのも、そしてEnigma、Deleriumといった御大が決してそこに留まることが無かったのも、時代の必然だったのかもしれません。




何度も繰り返す通り、"UFO"は過去のEnigma(Jens Gadの成分に大きく拠る)とDeep Forestに迎合する折衷的サウンドでありながら、ビートやサンプリングには最新のソフトやシンセを用いた節回しを聴き取ることが出来ます。その音楽性はコピーに過ぎず、しかしコピーだからこそ、リスナーが長らく渇望していた、失われたジャンルの甘美な残響に満ちているのです。




Joel Kanningは近年活動が評価されてきており、昨年はEnigmaが公式に主宰したRemix Contestにおいて、"Downtown Silence (Past Lives Mix) "が準優勝を獲得。Deep Forestのオフィシャル・リミキサーにも採用されています。


(Special Thanks to Oceano!)


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