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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

規模に依存するコミュニティ進化 - mixiの場合

2007-04-11 01:52:48 | Science
簡単なお話なので、さらっと読み流してください(・x・)

日本で最大規模となったSNSのmixiをサンプルとした場合。TOPには、マイミクシィやコミュニティの書き込みの更新状況が逐次反映されます。このSNSの特徴はレイアウトの一元化による高度に完成されたアクセシビリティですから、更新状況そのものがアクセスの流入と偏りの発生の仕方を、時間依存的に左右します。

あるコミュニティの管理人なら、こう考えたことがあるでしょう。「もし、コミュニティ登録者が1000人いれば、トピックの更新ごとに1000人のユーザーが更新の状況を知るはずだ。」これはRSSで連携したノード間でも同じことなのですが、現実にはその1000人全員が当該トピックを訪れることはありません。ユーザはもっと多くのコミュニティに重複して属してしていることが多いため、「更新状況の一覧」にあるトピックを母数として「関心」の密度が希釈されてしまうのです。

また、大きなコミュニティほど、トピックが細分化され、集団のクラスタ化が顕著になるでしょう。大規模なコミュニティは、「コミュニティ」を外縁として段階的に膨張し、ある時点で進化を止めて、それぞれのクラスタの励起、または交換といった挙動を繰り返して安定する。一つのコミュニティで多数のトピックが活性化しているのは、アクセスを掻き集める最も理想的な状態ではあります。更新状況が、そのコミュニティのトピックで埋め尽くされることもあるのですから。(但し、コミュニティへの個人の関わり方という制約がボトルネックとなる。)

ではもっとパーソナルなマイミクシィの場合、このときも同じく、日記の更新状況が常にマイミクに知らされることになりますが、マイミクの数が大きければ大きいほど、それらの日記を逐次チェックすることは日常生活の制約から困難となるでしょう。(実際には他にも様々な要素が絡んでいるでしょうが)逆に、個人間の結びつきが強い小規模なマイミク同士なら、彼らが一様にユーザとして振る舞う限りでは、マイミク全体の日記へのアクセスをほぼ完全に確保することができます。


じゃあここで、「もっとも効率的にアクセスを流入させる中庸な規模が定義できるんじゃないか?」という考えが自然に生まれますね。マイミク単位で捉えた場合、ユーザ間のネットワークはノードの近傍作用に依存したモデルとなりますが、コミュニティ単位ではよりスケールフリーなモデルに近づきます。コミュニティの読者が1万人を超えた規模では、ユーザ間の固有な関係性はコミュニティの動的な活性作用の中に埋没してしまいます。これは「マイミクの繋がり」とは全く逆の現象です。(グループ、ネットワークの進化に特定の規模をもたらすのは、その出自と性質に強い関係があるという前提は忘れずに)しかし同様にマイミクにおいても、100人とか1000人のスケールになると、マイミクの形成する共同体は、その1000人を結びつける少数のユーザにとって、mixiというサンプルの中において変質していると言っていいでしょう。実際には特に仲の良い少数のグループが発生しているのでしょうけども。


だらだらと文章のみで冗長になってしまいましたが、
誰か複数のコミュニティを規模ごとに分類して、実際にサンプルを取って

「200人のコミュニティの場合のグループの成長」
「2000人のコミュニティの場合のグループの成長」

という具合に分析してくれたら面白いなというお話。(この場合、当該コミュが成長過程なのか、減衰期なのかは考えずに任意の時間枠で切り取る)限られた範囲の規模にそれぞれ特有の振る舞い(派生、膨張速度、活性化、絶滅w)をもたらす固有値が予想出来るかもしれない。もちろんその数値は、サンプルの帰属する構造に依存したものであるのだろうけど。


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