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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Andain / "You Once Told Me"

2012-09-30 12:14:20 | music12
Yotm



□ Andain / "You Once Told Me"

♪ <script type="text/javascript" src="http://mediaplayer.yahoo.com/js"></script>You Once Told Me
After
Forget Your Face

Release Date; 24/09/2012
Label; Black Hole
Cat.No.; none
Format: iTunes LP

>> http://www.facebook.com/andainofficial

>> tracklisting.

01. Turn Up the Sound
02. Like
03. Much Too Much?
04. Ave Maria
05. Promises?
06. After
07. What It's Like
08. Forget Your Face??
09. Find Your Way
10. You Once Told Me
11. Taken Away
12. Summer Calling
13. Beautiful Things (Gabriel & Dresden's Unplugged Mix)
14. Promises (KOAN Sound Remix)
15. Promises (Jaytech Remix)
16. Much Too Much (Zetandel Chill Remix)
17. Much Too Much (Rido Remix)
18. Turn Up the Sound (Gabriel & Dresden Remix)
19. Turn Up the Sound (Stratus Remix)


?Video
??"Promises"
??"Much Too Much"?
??"Turn Up the Sound"



All songs written and produced by Josh Gabriel and Mavie Marcos.
Additional writing by Dave Dresden on tracks 1?3, 5?9, and 11, 13
David Penner on tracks 4, 5 and 10, 12, 13





2000年代初期のEDMシーン黎明期に雷名を轟かせたエレクトロニカ・ダンス・ユニット、Andainが、デビューから凡そ10年目にして解き放つ1st Album。

このブログの設立時にも幾度となく紹介してきた、私にとってもクラブシーンにとっても、おそらく最もリスペクトされた最重要のアーティストでありながら、幻と消えたデビューアルバム、活動休止や再結成、解散を繰り返すなど、紆余曲折を経て伝説となりかけていた。

そんなAndainが2011年、新曲"Promises"を引っさげてターンバックしてきた時の界隈の衝撃と賑わいは、今も記憶に鮮明だ。



2000年代前半にかけて、"Summer Calling"、"Beautiful Things"など、フックの効いたメロディと可憐なヴォーカルがダンス要素の逸材として重用され、主にそのリミックス・タイトルがTiestoなどの主要プレーヤーによって世界のクラブシーンを席巻。


さらにJosh Gabriel自らがGabriel & Dresden名義で発表した"Bloom"に収録した、AndainとしてカヴァーしたDepeche Modeの"Here is the House (Gabriel & Dresden Remix)"がリスナーから好評価を獲得。今は幻となりつつある超名リミックスだが、Andainは確実にクラブ・レジェンドへのステップを踏みながらファン層を広げつつあった、だが、その珠玉のリミックスの題材となった『原曲』への評価については、いや、その存在すら、あまり顧みられて来なかったのだと思う。



当時、シンガーのMavie Marcosは米国代替医療の名門バスティーユ大学で薬学を専攻し、幼いころからクラシック音楽の教育も受け、実演経験も重ねた、まさに才媛と呼ぶに相応しい存在だった。

同じくJosh Gabrielによって才能を見出されたマルチ・インストルゥメンタリストのDavid Pennerは、MITで宇宙航法学を学ぶ天才。現在は学位を取得し、Andainとしての活動からは身を退いているが、このアルバムの幾つかの曲にクレジットされている。



"You Once Told Me"は、表題曲も含め過去にお蔵入りとなったアルバムから数曲をサルベージして大幅にリメイクを行っているものの、大部分は新曲が占める"Reboot"された作品であり、同時にAndainとしての特徴である、耳に残るメロディセンス、ヴォーカル・コラージュ、遊び心に溢れたパーカッション・プログラミング、そして可憐なパフォーマンスには不釣り合いと言えるほどの、ロックスタイルに通じる骨太なベースラインは、Andainが未だ無二の存在感を放つカリスマであることを如実に代弁している。



"Ave Maria"からは原曲にあった合唱サンプリングは省かれてしまったものの、"You Once Told Me"と双璧を為すスタイリッシュなエレクトロ・ヴォーカル作品として息を吹き返しており、当世風のサウンド・コンストラクションによって、よりクールな輪郭を引き締めている。


"Promises"、及び"Taken Away"で聴かれる自作オルゴールの音色や、"Turn Up The Sound"のラーガ調のイントロからパーカス、2000年代同期の北欧Trip Hopを彷彿とさせる"Like"、ニューエイジ色の強い頃のMylène Farmerもかくや、と思わせる"Fordet Your Face"などの変化球にも富んでいる。



EDMというシーン自体の先駆けであったAndainが自ら原点に立ち返り、こうした手作り感を漂わせる、よりアナログでオーガニックな触感の作品を10年目の今にして世に出すことは、未だ代わり映えしない『環の端無きが如し』のようなElectronica/Clubシーンにとり、実際にJosh Gabrielはその前線に身を置いているわけだが、実にポジティブな意味を付与するものでもあると受け止められる。



このアルバムにも、ボーナストラックとしてシーンの主要DJたちが素晴らしいリミックスを提供している。"Turn up the Sound (Gabriel & Dresden)"の終盤におけるビート・プログラミングは、"Here is the House"のそれの印象を喚起する懐かしささえあり、このようなリミックスワークに素晴らしい『素材』を提供するAndainとクラブシーンの関係性は、それ自体がシーンから産み落とされたものであるという点において、あたかもリ・プロダクションの入れ子構造を、プロダクトそのもので体現しているようにも見える。



ともあれ、"You Once Told Me"は、往時のTrip Hopの薫り漂うセンチメンタルな気色に溢れた作品であり、Mavie Marcosの湿った感傷性と、Josh Gabrielの乾いた情緒という正反対の要素が、この上なく見事に配合された会心の一作と言えよう。切ない恋心や凛とした心情を謳った、脆いようで芯の通ったセピアのアルバム。胸を締め付ける秋の夜長に、隣に添えておきたい一枚となりそうだ。




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"You Once Told Me"

You once told me I wouldn't know it enough
Well, let me tell you something Yeah, I do
You once told me I wouldn't feel it enough
Well, let me tell you Baby, I do

Sometimes I find myself in a scene in a dream that's so far away
Sometimes ah, Tell me what's happened to me


Sometimes I see myself falling
Well I don't show it much
Sometimes I'm crazy for you
Well, maybe I'm fine And tell me you're mine but


Tell me, baby, can you hold me now?
You don't have to say it-I feel it, too
maybe I'm falling well maybe but I don't show it much

Tell me, baby can you see me now
and Show me baby
that I don't know how and how
Can I start to see inside the fall but