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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Hans Zimmer / "The Power of One"

2011-07-13 19:30:57 | music11
Powerofone



□ Hans Zimmer / "The Power of One"

♪ <script type="text/javascript" src="http://mediaplayer.yahoo.com/js"></script>Mother Africa Suite

Release Year: 1991
Label: Elektra
Cat.No.; 9 61335-2
Format: 1xCD

>> tracklisting.

01. The Rainmaker
02. Mother Africa
03. Of Death And Dying
04. Limpopo River Song (The Bulawayo Church Choir)
05. The Power Of One (Teddy Pendergrass)
06. Woza Mfana
07. Southland Concerto
08. Senzenina
09. Penny Whistle Song
10. The Funeral Song (The Bulawayo Church Choir)
11. Wangal Unozipho (The Bulawayo Church Choir)
12. Mother Africa Reprise



Original Score by Hans Zimmer
Arranged by Hans Zimmer and Lebo M.
Orchestrated by Bruce Fowler
Produced by Hans Zimmer, Lebo M. and Jay Rifkin


1930年代アパルトヘイト化の南アフリカを舞台に、一人の英国少年と現地人とのボクシングを通じた青春を描いた、Bryce Courtenayの小説"The Power Of One"の映画化に際して製作され、当時はシンセサイザー・スコアの名手として活躍していたハンス・ジマーが、アフリカの民族音楽を取り入れる新機軸となった叙事詩的サウンドトラック。


私にとってHans Zimmerと言えば、"Lion King"や"pirates of the caribbean"よりも真っ先に思い浮かぶのが、この作品。

ここで打ち出したアフリカン・コーラスとシンセによる壮大な組曲形式のサウンド・ディレクションは、以降10年以上に渡る彼自身の作風と、彼に影響を受けた数多の映像音楽作曲家やニューエイジ音楽家のインスピレーションの源泉となったことは言うまでもなく、今ここで再評価したい。



方法論としては、"Lion King"の前身となる当作品。コラボレーターにLebo M、プロデューサーにJay Rifkinと、その作曲過程や構成にも"Lion King"へと引き継がれていく系譜が散見されるが、The Bulawayo教会合唱団の提供したコーラスはもっと重厚で、更に現地の伝統音楽を録音したサントラ全体のカラーは、もっと荒々しく野性的でありながら、ジマーの天才的なアレンジによって一つの完成した組曲の様相を呈している。



実は"Lion King"にはもっと直接の前身的作品がある。1992年製作のPBSドキュメンタリー"Millennium: Tribal Wisdom And The Modern World"に提供した楽曲は、当時のジマーの最大のセールス(帯ではTangerine Dreamとの仕事が紹介されている)であったシンセ・ミュージックスタイルに、アフリカの民族音楽要素を散りばめた内容となっており、実はこの中の一部のメロディが、そっくり『ライオン・キング』に流用されている。



また、ジマーが同時期に手がけている幾つかの作品、とりわけ『愛と精霊の家 (The House of the Spirits)』などに代表される、叙事詩的映像に適性のある楽曲を得意としていたことも、人情の機微を繊細なタッチで音譜に写し取る天才であることも、90年代後半における男臭いアクション・スコアの巨匠としてのポジションの確立が、必然に他ならなかったことを物語っている。